↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/72

蛇と水面下

「で、いつもの会議室に集まると」

「まぁ、モニターもありますから色々便利なんですよね」


 葬式が終わった数日後俺達はいつもの会議室に集まる。信濃は先の戦闘での損傷が回復しきれていないのでいつもよりはゆっくりとした速度で仮称日本に向かっている。直列砲の利点として発射するのは主砲部分だから機関にダメージがいかない点がある。おかげで信濃は今から戦闘となっても全力を出せる。とはいえ損傷個所は喫水下にも見受けられるので修理が完了するまでは低速で進む。


「今日集まってもらったのは今分かっている事を話しておこうかと」

「っつても、あのロボの事だろ?」

「そうですが、直列砲で胴体が粉みじんになって頭部もおおよそ7割がぶっ壊れているのでほとんどなんも分からないんですよね。ただ言えるのはあのロボ作ったのはナイル川で遭遇したゲリラロボとは別技術を持っているけど似通っているんですよね」

「理由は?」

「あの蛇のビーム機構、ゲリラロボの機構をほぼ大きくしただけなんですよね。エネルギー元……は直列砲で吹き飛ばしたので分かりませんが」


残っていたとしても鉄くずになってそうなのでどちらにしても何もわからないと思う。


「で調べたところによるとあの蛇の口にあったビーム発射装置、まだ使えるっぽいんですよね」

「……マ?」

「マ、しかもリミッター解除すれば信濃の主砲以上の代物ですよ。信濃に取り付けませんか?」

「良いと思うけど何処に付けるの?」

「艦首でしょ。できるなら2個つけて艦首の両サイドに置きたい」

「いや駄目ですよ春雷さん。艦首に付けようとしたら大規模工事になりますよ。つけるとしても側面……側面につけてもバランスが悪いですね。なしで」

「そんなぁ」

「まぁどこに取り付けるかは別として、あの蛇どこから来たんでしょうか?」

「それは俺たちと同じでゲームからじゃねぇの?ほら俺たちがここに飛ばされたときに見た白い光の中から出てたしよ」

「私も最初はそう思っていました……けれど、解析のために至近距離で見たときにこんな敵いたかなと思いまして、無論私自身が全ての敵デザインを覚えているわけではないので皆さんに見てもらおうかと」

そういってパネルに蛇もどきの顔面アップの映像を映す。……いや、よく見たらゲームに出てない敵だな。

「……ないね。少なくともゲームでこういう敵は出てきてないと思う」

「似たようなのなら見たことはあるけど、ゲームじゃないなぁ」


 他のみんなもおおむね似たようなもので少なくともゲーム中に見たことはないとなった。


「一番の古参な春雷さんがそういうなら多分ゲームに出てないでしょう。となるとあの蛇もどきが出てきた場所は必ずしも元の場所につながっているわけではない。といえるのではないでしょうか」


 梵天丸さんが言いたいことが分かった。最初俺たちが見たときに考えなしに白い光に突っ込もうとしたことを怒っているんだ。確かにあの時は戻れる嬉しさが大半を占めてしまい、ろくに考えもせずに光に突っ込もうとしてしまった。


「そうですね。自分たちは安全に元の世界に帰りたいだけ、出口がどこともわからないところに放り出されるのは勘弁です」

「……その通りです。できるなら100%安全に元の世界に戻れる方法を確定させてから突入しましょう」

「ひとまずは日本にたどり着くことができるかだな。ここが未来にしろ過去にしろ今はリギースからなるべく距離を取りたいからな」





「やべぇ威力ですねキャプテン」

「ああ、あいつらの好きそうな代物だ。……私も大好きだがな」


 あの艦長の好きな作品からしてあれだろうと予想はつく。そして願わくばあれを受けたくないものだ。無理だがな。それよりも今は


「あの指揮官様はどこにいる?」

「自室でぐっすりでさぁ。真昼間だというのにいい身分で」

「いうなアイニ、ずっと水底にいるのだ。時間なんて潜望鏡を除かない限り昼夜の区別もつくまい」


 ここは深度500m前後の海底、太陽の光さえ満足に届かない場所で時間を確認できるのは時計か潜望鏡を除ける人物、つまりわたし以外は昼と夜がわからないのだ。


「それよりもアイニ現在位置を記録、トラ・ナイアルラに蛇もどきの残骸を回収。通信機を増産しろ」

「アイアイ、キャプテン指揮官様が起きないうちにナイアルラに連絡を入れます」

「それと定期連絡も忘れずにな。ドリツと連絡が取れなくなったらすぐに教えろ」

「あいさー、それにしても突貫&手探りで組んだ割に中々通信限界が来ませんね」


 この世界が異世界だとわかってからすぐ、わたしは通信機を作った。もともと自室にあったモールス信号機を分解解析して、ほぼ1から作った。まさか完全にインテリア扱いだったあれが役に立つとは思わなかった。


 そして現在、通信機は2つ作られた。一つはここに、そしてもう一つはドリツに置かれている。

わたしたちが謀反を起こした時にはドリツにいる他の乗組員が殺される。いわゆる人質だ。


「一部艦の予備装甲を使ったからな、思ったよりも通信距離が遠くなるのは仕方ない」


 とはいえ、報告によれば多少ノイズが混ざり始めたとのことだ。もう少し、もう少しで届かなくなるその時が行動開始の合図だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。