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蛇

「エエェ!!ロボ?!ロボットナンデ!」

「またロボだー!!色は違うけどガン〇ソードのドラ〇ヘっぽい奴だー」

「またロボ……え?高熱源反応?!」

「?!シャーロック!取舵一杯!!」


 シャーロックさんは返事せずに急いで舵を取る。

 信濃が少し横を向いた瞬間、ロボの口から赤い光が放たれ信濃の環境を掠めて行った。問答無用

で撃ってきたか!!


「第一種戦闘態勢!!」

「…………」


 いつもはすぐ聞こえるスーシアの返事がない。振り返れば俯いてこっちに意識が向いていない上の空のスーシアがいる。


「スーシア!」

「ッ!?り、了解艦長、第一種戦闘態勢、非戦闘員は中央ブロックまで退避」

「主砲魔水チャージ開始、充填完了次第撃ち方始め」

「了解、主砲一番二番並びに三番、照準定め目標蛇型ロボット」


 雨に撃たれながらも前面の主砲三門が蛇型ロボットに砲門を向ける。


「測的ヨシ!チャージよし」

「撃ち方はじめ!!」


信濃の三門の主砲から放たれた光はこの悪天候の中でも精度を落とす事なく荒れた波を粉砕しながら真っ直ぐ敵のロボットに向かって突き進む。ロボットは回避する様子もない。直撃だ。

直撃したしかし、攻撃は相手の装甲をなぞる様に逸れて行き、被弾個所は少し赤くなっていたが最終的には何事もなかったように銀色に光っているだけだった。


「え、弾いた?!」

「反撃が来ます」


 敵の口が光る。回避しようにも現在旋回中でこれ以上早く、旋回は出来ない。この攻撃は甘んじて受けるしかない。右側に赤い光を感じた直後に強い衝撃が信濃を揺さぶる。


「右舷中央に被弾、されど装甲貫通せず!損害軽微!」

「主砲塔全門、敵ロボットに照準定め、照準完了次第撃ち方始め」」


 漆捌さんの指示の元、信濃の全主砲が敵のロボットに向かって射撃を開始する。主砲5門副砲2門からなる計7つの閃光が敵に向かってまっすぐ進む。しかし、攻撃は直撃しつつもどれも敵に損傷を与えるまでにはいかなかった。


「ちょ、全然効いてないんだが?」

「魔導式エネルギーは超高熱のエネルギーをぶつけて焼き切ることに特化した攻撃、それを防ぐということは相手の装甲の耐熱性能はそうとな物ですね」

「冷静に分析してる場合?!こっちの攻撃が効かないとか積みじゃない!!」


 黒雪さんヒステリックになるの早すぎる。とはいえ、魔水式がダメだと面倒な方に頼るしかない。


「なら、主砲撃ち方止め、魔導式から実弾式に切り替え、徹甲榴弾装填」

「わかった。主砲1番2番徹甲榴弾装填、3番4番は撃ち方継続、敵を近づけさせるな。クロトリもだすか?」

「いえ、この時化具合ではまともな戦闘ができません。それに展開中に攻撃が飛んで内部から引火する可能性もあります」


 敵の耐熱性能はうちの主砲の魔導エネルギー式よりも高い、このまま撃ち合いを続けても有効打にはなりにくい。徹甲榴弾なら装甲貫通を目的とした弾頭なので敵の装甲に穴をあけることが可能だ。穴でも開けば魔導式も有効になる。

それに敵は蛇みたいに細長くウネウネ動きながら接近してくる。

もし船に巻き疲れたりでもしたら信濃は反撃する方法がない。

それを防ぐために主砲へのエネルギーを機関に回し、代わりに実弾に切り替えた。

しかし問題は


「外した?!」


 当たりにくいと言う事だ。

いくら巨大になったとしても海面ギリギリをウネウネ動きながら移動されると魔導式よりも当てにくい。曲射、一旦上に発射してから目標物にぶつけなくてはいけないので着弾までの時間やらなにやら計算して撃つが当てにくい。いやもう、直射できる魔導式に慣れると本当に当てにくい。

ならば頭を上げてやる。


「誘導魚雷発射管用意」

「右舷誘導魚雷発射管用意」

「主砲、魚雷着弾と同時に一斉射、蛇の頭を抑え込む」

「わかった。全主砲魚雷着弾予定地点に照準合わせ、着弾前に一斉射」

「発射」


 シュポシュポと連続して空気が抜けるような音共に魚雷が海面を走る。

誘導式なだけあって真っ直ぐではなく曲がりながらも、あの蛇ロボットに当たる様に進んでいる。

誘導式の魚雷生産コストが高かったのであまり載せてないから無駄遣いはしたくない。


「まもなく魚雷が着弾します」

「撃ち方始め」

「てぇー!!」


 魔導式と比べて実弾は発射から着弾までの時間が長い。着弾した後に撃ってたら、頭が引っ込む可能性がある。だから魚雷が当たるのと同時に着弾するように前もって発射しておく。

数秒の後に小規模の爆発が上がり、あの蛇の頭が持ち上がる。

そしてその位置は徹甲榴弾着弾地点


「ジャックポット」


 瞬間、蛇の頭が爆炎に包まれる。撃っておいた徹甲榴弾たちだ。

次々に当たる榴弾の雨あられに


「やったか」

「それは言っちゃ駄目!次弾装急いで、あと……」


 全部の指示が言い終わる前に強い衝撃が走り、船体が大きく揺れる。


「何?!」


 何とは言ったがこの状況で原因は一つしかない


「蛇型の兵器からの攻撃です。右舷魚雷発射管に直撃使用不能です」

煙が晴れて見えてくるのは今だに機能を失わずに蛇型のロボット。所々、特に顔面の損傷が激しく中の回路がむき出しになっている。それでも機能停止には至らず至る所に煙を上げながらもこちらに向かって来ている。


「何で攻撃が効いている?」


 さっきの攻撃の時には装甲が貫通することはなかった。


「おそらく魚雷射出時に空いていた魚雷発射管をピンポイントで撃ち抜いたのかと思われます」

「なるほど、とはいえ、敵の損傷は甚大、今なら主砲で撃ち抜ける。主砲!魔導式で発射」

「おう!!!主砲一斉射」


 カイロがむき出しになったからか海に潜らず鎌首をもたげている。とはいえ、やたら細長くてウネウネ動いている顔に全弾命中とはかいず何発か外れてしまう。

命中したのも決定打にはならず、苦しむように悶えるだけで完全な機能停止にはもっていけない。

それに


「艦首装甲版に被弾!!!装甲貫通!!」

「隔壁閉鎖、消火活動開始します」

「何で装甲が貫通されてんだよ!!」

「多分適度に壊れたことでリミッター部分が壊れて攻撃の威力が上がったんじゃないですか?」


梵天丸さんの言ってる通り、蛇の口は真っ赤になりスパークしているのが見える。まずい、ダメージレース、命中されやすい信濃が不利だ。しかもリミッターが外れて信濃の装甲を貫通するようになったらあの女王よりもやばいってことだ。それを倒すには


「船体回頭、あの蛇から距離を取る。」

「逃げるんですか!」

「違う!!いいからシャーロックさん急いで!!」

「わ、わかりました!!」


 敵に背を向ける形になるが、勝つためには仕方ない。


「両舷増速、最大船速で進んでください。主砲5番6番は敵の牽制、当てなくてもいいので信濃に攻撃を当てないようにしてください」

「でも春雷さん、あの蛇もどき信濃とほぼ同じ速度で動いていましたよ。距離を取ろうとしてもこれじゃあ」

「さっきはね。今は結構損傷している。あの速度が蛇と同じ動きをしていたから出来るのなら、今は損傷個所で満足に泳げない状態です」

「なら逃げ切れるってことね」

「可能です、が今回は撃破します」

「でも」

「ええ、この今の主砲と魚雷では向こうを撃破する前にこちらが撃破される可能性が高いです」

「では何故撃破にこだわるんですか?」

「今回の敵は明確にこちらを沈める気です。ここで距離を離してもいつまたエンカウントするかもわからない。それにあのロボコックピットが何処にあるか分かりませんが、あの無理やり過ぎる挙動からして無人と予想します。なら新風のように無力化も話し合って和解することも出来ないのでもはや機能停止になるまで攻撃するしかありません」


 リミッターが外れている以上いずれ機能停止になるかもしれないが、今もしあの攻撃が機関に直撃すれば俺たち全員魚の餌になる。


「わかりました。しかしどうやって?」

「フフフ、そこは考えています。主砲の砲撃が当たらないのはアレがクネクネ動くから、ならば動いても問題ない規模の極太ビームを撃てばいいんです」

「……まさか」

「そう、砲塔直列放射砲を使用します。あれならまず間違いなく壊せる」


 魔水を利用した攻撃は水に溶けて消えやすい。ならば消える前に当たる規模で攻撃すればいいという考えの元作った最終兵器、信濃の前方に設置している主砲3門副砲1門を連結一つの砲として4つ分のエネルギーを沸騰させ最高効率で撃ちだす。強いていうならまだ一回も撃っていなのが不安だが、威力は申し分無いはずだ。それにこれから先ああいうのが出た時に切り札になりえる武器の具合を確認しておきたい。リギースでは目標が多すぎるのと人がいたので撃てなかったが、今回は一機のみ、いける。


「いや駄目ですよ!?アレは水中で使用することが前提です!!海上で撃ったらどうなるか、撃つなら潜ってから撃ちましょう」

「潜航シークエンスに移行している間に機関に攻撃されれば何もできなくなります」

「攻撃するとしてよどうやって攻撃するんだ?艦首反転してエネルギーチャージ、照準を定めて発射、その間向こうがのんびりカップラーメンでも作ってくれれば撃てるかもな?それとも後方の砲でやるか?」

「そこは大丈夫、ちゃんと考えていますよ。それにあれを野放しにしても追いかけてきます。いずれ追いつかれるとするなら無防備の時に遭遇するよりも、今撃破しましょう」

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