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会議、帰る

「ロ、ロボだこれぇぇぇぇぇぇぇ?!」


 漆捌さんの絶叫が艦内に響き渡る。このゲームをやっている以上誰しも好みに走る。俺の場合ww2の戦艦と某宇宙戦艦と某前衛武装宇宙艦、シャーロックさんや梵天丸さんは宇宙海賊、ドライは人の容姿に近いロボ、黒雪さんは漢、等々多岐にわたる。そして漆捌さんの好みがロボット系だ。人型、非人型、戦艦型、なんでもござれ、設定よりも見た目が重視な人だ。


「うぇへ、マジモンの自立稼働のロボットだぁ、上部は攻撃用のビーム砲塔っぽいのが二門、ちゃんと砲身部分にカメラが付いてるから手を抜いて頭部のカメラの映像を回さず、手元のずれを処理しないようになってるぅ。しかも梵天丸の話だと砂漠地帯をホバー移動してたらしいけど、防塵対策どうなってんだろ。気になるなぁ。中に砂が入り込まないように最低限の関節で動くようになってるぅ」


 うん、好きな事に没頭できるのはいい事だ。ただ、それは後でにしてもらおう。

俺たちを襲ってきたやつは予想通りロボットだった。大体が自爆だったので五体満足の機体はなかったが、数はあったので何とか一機分のパーツが集まったのでこうして信濃で感想会みたいなのをしている。


「とまぁこんな感じで途中襲撃者……このロボット部隊に遭遇しまして、その内でも損傷が少ない部品をかき集めた物がこちらになります」

「ロボットとはまたファンタジーらしくねぇものが出てきたな。何か製造元とか書いてなかったのか?」

「塗装やマスキングの後は確認できましたが経年劣化からか全部剥がれ落ちてますね。ただ、何も分からないわけではありません」

「分かったところが?」

「このロボット、一見すると未知の装甲素材によく分からない電子回路等未知の技術が詰め込まれているように見えると思うんですけど、内部の配線やらネジの規格、そういった細かいところを見ていくと私達の知識に掠っている箇所を数個見つけました」


 梵天丸さん、一体何者なんだ。


「現在、黒雪さんの所や漆捌さんの所のメカニックや、うちの子達と協力してロボットの修復を行っています。もし、記録媒体を復活させることが出来たら何か役に立つのかもしれませんからね。ロボットでの話は以上、次にガラスの園で判明した情報になります」

「ガラスの成分はおおむね私達の知っているガラスと同じ成分で構成されていました。多少色々な不純物、リン酸カルシウムやら鉄分やらありましたが、ほぼガラスですね。あとこのガラスから少し高い反応物質が検出されました。またピラミッドもどきの損傷具合、ガラスの透明度、日中の気温や平均日照時間を入れてどのように現在の規模のガラスの園が出来たのか検証してみました」

「結果、最低でも諸々の偶然が重なって100万年、早くても10万年以上かけてあのガラスの園が生成されたとシュミレートされました」

「なるほど、結構な歴史的自然遺産ということか」

「しかし、ある行為をすればもっと早くできると」

「それは?」

「ガラスの原材料は砂です、そしてガラスの園は周囲が砂漠、原因は分かりませんが砂をガラスに変えるほどの熱量を持った何かがピラミッド付近に現れその高熱で周囲の砂をガラスに変換したのではないかと」

「ふむ、しかし割と無茶を言っているのは分かるよなぁ。その高熱を持った物体の正体が分からないじゃないか」

「いえ、規模は小さいですがこの世界の人達は信濃の装甲を溶かすほどの攻撃力を有しています。時間はかかりますが不可能ではないかと」

「でも、あの辺りにはリギースの人はおろか、人間一人いなかったって」

「はい艦長、キャンプ地を設営しながらクロトリ部隊の皆さんとあのピラミッドもどきの周囲を捜索しましたが、周囲に人がいる痕跡は全くありませんでした」


これは何度か何回か行ったらしいので確証が持てる話だ。あの周囲に人の痕跡はなかった。仮にリギースのビームが撃てたとして液晶に移っている範囲全てをガラスにするのは簡単じゃない。


「しかし、この世界が私たちの世界であると仮定するなら不可能な話ではありません。まず、物体を変形させるほどの熱を広範囲にばらまく兵器、私には心当たりがあります。私達の国にも2回落とされました」

「……反応兵器か」


 フソウさんが忌々し気に呟く。俺自身知識でしか知らないがあまりの熱量に物質が無くなっても影が残る程の熱量を出せると聞く。

「はい、未来でどれ程技術が発展していたのか私達では測りかねますが、あのガラスから微量のでも自然界ではありえないレベルの反応物質が検出されました。あれほどのロボットが作れるほどに技術が進んでいたのなら、多分反応兵器も相応の強化がされてもおかしくありません。そしてカイロだけにそんな物を撃つわけないので、世界規模で撃ち合い。文明が完全に崩壊した後に生き残った人たちが再び文明を築き始めた。半分ガラスになっていたピラミッドがいい例です。そしてクワナべさんの所にあった世界地図は今の世界に残った数少ない私達の世界の残滓ではないかと。つまり」

「この世界は異世界ではなく」

「そう、この世界は文明が一周した2回目の世界、私達にとっては未来の世界であると私は予想しています。そうすれば世界地図と実際の地形の形が似ているのにも説明がつきます。シュミレーター上では1万年経過した地球なので多少地形が動いていても不思議ではありません。まぁ、最大の謎である私達が何でここに来たのかは全く分かっていませんけどね」


2週目、あまりに途方すぎて実感が湧かない。とはいえ荒唐無稽だと言えるほどの虚言でもない。実際に形は変わっているがピラミッドは見つかった。完全な異世界というより未来もしくは元の世界と何かしら関係があると考えてよさそうだ。


「でだ、ここが俺達にとって未来であるとしてこれからどうする。手がかりほとんどないよな?ロボットの解析が終わるまで」


 現状、なんとなく情報が出ていて信濃で行けるところは行った。リギースより東にあると言われている大陸は氷に覆われており氷海となっている。信濃ならいけるかもしれないが何が潜んでいるかわからないので近づかない。西はリギースから調査隊が派遣されて帰還者なしとのことと、この世界が未来なら西にあるのはアメリカ大陸と推測できるので調べに行く必要はない。


「いえ、ここが私達の世界なら世界地図がある程度航路予定表として使えます。それで行ってみたい所がありまして」

「って何処よ?」

「私たちの国がどうなってるのか興味がありませんか?」

「日本に?」


 確かに気にはなる。よくある展開みたいに刀と武士が駆け回っている戦国日本になっているのか、全く別の文化が築かれているのかとても興味がある。とはいえ、2週目の世界に日本という国家が存在しているのか疑問ではあるが


「つっても日本って俺達の時代から最低でも1万年経ってんだろ?とっくの昔に滅んでるだろ」


 一万年って規模が大きすぎて分からないが俺の年齢と比べれば途方もない数であることがわかる。そんな年月が本当に合っているなら日本なくなってそう。それにあそこは島国だから一度滅びかければ外部からの支援がない限り滅びそう。


「まぁ、可能性は高いですけど。日本の始まり、天皇の始まりと言われている神武天皇が紀元前660年私達の時代からだと計算して大体2700年前ですね。確かに1万年に比べると規模が小さく見えますけどww2やら何やら日本の危機みたいなのは幾度もありましたが、その後もなんやかんや生き延び続けている日本の生命力を考えると一万年生き残ってそうだなぁ……。と思っている私がいるんですよ」


「確か見方によるが世界でも長く王朝が続いている方とかどっかの記事で言ってたような気がするなぁ」

「地味に凄いんですよ私達の国、まぁそんなわけで滅んでいるかもしれませんけど行ってみません?先にフソウさんが言ってたみたいに他に手がかりもありませんし、リギースから離れるのなら好都合ですよ」

「……そうですね。リギースからは距離を置きたいですし、日本に行くなら好都合ですね」


 ピラミッドを中心にこの世界を俺たちの世界地図に当てはめるとリギースがイギリスと座標的に一致する。イギリスから離れるなら日本に向かうのは理にかなっている。


 この世界の航海技術が近い大航海時代、日本が黄金の国ジパングなんて言われるほどに幻の存在であった。この世界でも東の情報は少なかった。それ以上に西の情報も少なかったが位置的に西は北アメリカ大陸と南アメリカ大陸がある。そこを迂回するよりは東の方が行動範囲が多くなる。


 あと個人的な理由でだがリギースより西に広がる雲、あれ俺らの世界と照らすと中心地点がバミューダトライアングルなんだよな。オカルトを信じるわけではないがビームが出たり背中に水晶生えている人がいる世界で近づきたくない。


 それに、日本が残っているのならそれはそれで見てみたい。滅んでいるのなら自分がいた国の最期をこの目で見たい。どっちにしても行ってみたいという気持ちが勝った。


「よし、次の目的地は日本だ」


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