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クラス対抗 魔法大会3

「お・・・、お前は誰だ?」


 どうやら、マルクも別人ではと疑っているようだ。ローブを来ていて、フードを頭から深くかぶっていて顔が確認できない。仮に別人に入れ替わっていても気がつかないかもしれない。


「ラウル、ちょっとこれ動けないんだけど。」

「少しその中でじっとしていてくれませんか、その中は安全ですので。」

「うう、わかったわ。」


 明らかに、狙いはお嬢様のように思える。

 

「おいっ! 魔道具が壊れたらしい。試合は中止だ!」


 やっと先生が中止を宣言してくれた。しかし、目の前のヒーラーは諦める様子など欠片もない。


 短刀を構えたまま、ヒーラーはお嬢様に向かって走り出した。


「おいっ!そこのお前! 攻撃を止めるんだ!」


 先生の忠告も完全無視で突っ込んでくる。ラウルはその進路上に罠を張る。


【クリエイトエリア】


 敵が気がついたときには、もうラウルが作った空間に足を踏み入れていた。ラウルはすぐに空間を閉じる。

 

「え、消えた・・・?」


 先生が呟いた。

 

(もう問題はないだろう。)


 そう考えたラウルは、お嬢様の周囲のバリアを消滅させる。 


「ああ、やっと自由になれたわ。ありがとうラウル。」

「いいえ。」


 ラウルは先生に向かって説明をする。


「先生、殺してはいません。異次元空間に閉じ込めました。すぐに衛兵を呼んで頂けませんか? それと、可能なら領主様にも足を運んでもらいたいのですが。」

「い、異次元空間・・・? まぁ、わかった。すぐに手配する。」


 先生の用事が終わると、今度はマルク様に指示を出す。


「マルク様。さきほどのヒーラーさんは別人だと思いますか?」

「あ、ああ。ヒーラーのエミリは、さっきみたいに異常に加速したりできないはずだ。」

「では、そのエミリさんを探してください。何処かに監禁されているか、最悪殺されているかもしれません。」

「こ、殺されている? 大変だ! わかった、俺たちのチームで学校内を捜索しよう。」

「よろしくお願いいたします。」


 そして、ラウルはお嬢様に向かってひと言・・・。


「お嬢様、ちょっと襲われすぎではありませんか?」

「私に言わないでくれる?」





 修学旅行でも攫われたし、宿屋は放火されるし。その前も馬車から降りたところを襲撃された。今回は、学校内での暗殺未遂。。伯爵家はそれほど恨まれているのか?

 これだけ連続でトラブルに巻き込まれると、流石におかしいと思うのだが。


 数時間後、旦那様が衛兵を引き連れてやってきた。


「ラウル、どうなっている? また娘が襲われたと聞いたのだが・・・。」

「はい、お嬢様暗殺未遂です。犯人は俺が異次元空間に捕まえています。今から解放しますので、衛兵の皆さんで捕らえてください。」

「それで犯人は何処にいるのじゃ」

「ですので、異次元空間に閉じ込めました。」

「何じゃそれは?」

「空間魔法で作った空間です。」

「・・・。」


 まったく理解できていない様子。旦那様は首をかしげている。


「とにかく、今から犯人を目の前に出しますから、捕まえてくれますか? 武器も持っていますから十分に気をつけてください。いきなり襲いかかってくるはずです。」

「なにぃ!?」


 とりあえず、衛兵が5人ほどで対応してもらうことになった。武器も構えてもらう。


「良いですか? 犯人を解放しますよ?」

「「おうっ!」」


 ラウルは、クリエイトエリアの空間をこの世界に繋げた。すると、目の前にヒーラーの小柄な女が出現した。フードはかぶっていない。この子はエミリではないらしいが・・・?


「え?」


こんにちは。

 

 女は驚いて声を上げた。何が起こっているのか意味不明な様子である。呆然と突っ立っていたが、目の前に突然衛兵が並んでいるのに気がつくと短刀を構えた。しかし、当然勝てるわけも無く、すぐに取り押さえられた。自殺防止のため、猿ぐつわを嵌められて連行されていく。


 すこし落ち着いてきた頃、俺は旦那様に話しかける。


「旦那様、今回は誘拐目的では無く、確実に殺しに来ていました。お嬢様を殺されなければいけない理由に心当たりはないですか?」

「ある訳ないだろう!」


 ですよねぇ・・・。


「お嬢様がいることで、大変な不利益を被る者は誰かいませんか?」

「まだ10歳の娘なんだぞ? 一人娘で跡目争いにも無縁だろうし。誰が一体何の目的で殺そうというのか。」


 旦那様にもまったく心当たりがないようだ。


「お嬢様が亡くなることで、お家が存続できなくなるから。・・・ではないんですか?」

「うーむ・・・、それはあるかもしれないが、養子をとるなどいくらでも対策は可能であろう?」

「そうですね。しかし、このまま犯人から手がかりが掴めなければ、また狙われるのは間違いないと思われます。今回の犯人からできるだけ情報を引き出せれば良いのですが・・・。」

「うっ・・・、そうだな。。」


 旦那様は悲しそうな表情を見せる。今回、伯爵令嬢の殺人未遂だ。間違いなく犯人は死罪であろう。できることがあるとすれば、司法取引で黒幕の情報を引き出すとかですかね・・・。犯人の知りうることを白状すれば、死罪を犯罪奴隷くらいに減刑するとか。どうだろう?


 ラウルは、司法取引を持ちかけてはどうかと旦那様に進言した。

 

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