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種麹作りと、ハイスクール

 醤油作りが開始された。ラウルも種麹を作って毎月アベル商会の者に買い取ってもらっている。


 作り方だが、前世の記憶はないので正解かは解らない。たまたま空気中にいたコウジカビを蒸した大豆に混ぜて培養した物を毎回使用していた。

 最近では、酒作りにも使用される米麹をヒントに、お米からもコウジカビを培養したりしている。ただ、培養して得られるコウジカビは同じ物なので、どちらで作っても良いと思っている。

 コウジカビだけを取り出すには、大豆やお米を収納してやればコウジカビだけが残る。


 『クリエイトエリア』を習得してからは、コウジカビを培養する為のスペースとして活用したりもしている。簡単に無菌室状態にできるし、温度を一定に保つのも簡単だ。注意する点は、自分の服装や頭髪である。マスクなんて存在しないので、手ぬぐいを頭と口に巻いている。エプロンや手袋も熱湯消毒してから無菌状態の空間で乾かして使用している。

 ここまで無菌状態を作り出せるのもラウルしかいないだろう。


 そう言えば、『クリエイトエリア』で一度空間を作ってしまうと、空間を消滅させないかぎり、ずっとそのまま存在し続ける。そして、MPも減り続ける。

 これは、ある時たまたまステータスを見て気がついた。特に魔法を使った覚えがないのに、MPが減り続けていたからだ。あのまま寝ていたらもしかしたらMP切れで大変なことになっていたかもしれない。


 種麹の必要量は、原材料1トンに対して2㎏なので、それほど多くはない。この比率も今までの経験上の数値ではあるが・・・。完成品がなかなか良いできなので、それほど間違っている数値でもないと思う。


 この種麹、旦那様は醤油をいくらで販売するつもりかは知らないが、アベル商会には結構な金額で買い取ってもらっている。お嬢様の荷物持ちの報酬と合わせて、結構なお金が口座に振り込まれている。10歳では到底稼げる金額ではない。



 領都、スラム街の再開発が無事終わったので、俺もだいぶ余裕ができてきた。久しぶりに学校に行くことにする。今はハイスクールの1年生である。テストだけは受けに行っていたのだが、成績はいまだに学年トップである。


 国語と算数はいまだに小学生レベル。算数なんて、やっとかけ算割り算が出てきたところである。国語は漢字がだいぶ難しいものが出てきはじめている。

 ああ、あまり疑問にも思わなかったが、この国の国語は日本語である。正確にはスフィア語なのだが、ラウルからするとスフィア語=日本語である。何故日本語なのかと言われても、ラウルにも解らない。もしかしたら、ラウルだけ異世界あるあるの翻訳機能で、日本語に聞こえているのかもしれないが。他人が書いている文章も日本語に見えるのだから仕方がない。まぁ、ラウルとしては言語を覚え直す必要がないのでありがたいと思う。


「ラウルが学校にくるのは久しぶりね!」


 お嬢様が正面の席で嬉しそうに話しかけてくる。


「そうですね、最近忙しかったですから。」

「いよいよ醤油の工場も稼働したらしいわね。すごいわ。」

「はい、なんとか仕込みも順調のようです。」


 学校に到着すると、ラウルはいつものようにお嬢様の後ろを付いていく。もちろん荷物も収納済みだ。ハイスクールでもラウルたちは当然のように同じSクラスである。


「あ、おはようシルフィさん。」

「あら、おはようマルク」

「おはようございます、マルク様。」

「ちっ、今日は通学してきたのか。平民。」


 このマルクという男、ロースクールの頃にお嬢様を殴りかけた有名人である。ハイスクールでもSクラスに入れなかったらしい。何故かラウルを恨んでいる。ラウルが殴られたにもかかわらずだ・・・。

 ラウルは当然のようにお嬢様の使用人モードでやり過ごす。決して逆らってはいけない。


「そう言えば平民、今度クラス対抗の魔法大会があるが、お前も参加するのか?」

「はい、最近忙しかったのですが、一段落付きましたので参加もできるかと思います。」

「ラウルがでるなら、優勝間違いなしね。」

「お嬢様、それはわかりませんよ。」

「平民、今度の大会で俺と勝負しろ!」

「何言ってんのよ、前回のテストでもラウルに叶わなかったくせに。」

「な!? あれは何かの間違いだ!」

「お嬢様、そのような言い方だと、わたくしが恨まれてしまいますので・・・、止めて頂きたく思います。」

「学年トップなんだから、当然マルクより上よ。」

「平民! 大会で、絶対に倒してやるからな!」

「倒されるのはあんたよ!」

「お嬢様・・・。」


 (俺の力が及ばないところで、恨みが蓄積されていくのを感じるのだが・・・。)


 魔法大会とは、ハイスクールから実践的な戦闘形式で開催される体育祭のようなものだ。特殊なフィールド内で戦って勝った方のクラスに得点が加算される。フィールド内は魔法が当たっても、HPが1よりは絶対に下がらない魔法結界になっている。つまり、安全に試合ができるというわけだ。


 ただし痛みはある。ある一定以上の痛みが身体にかかると失神してしまうらしい。ただ単に死ぬことは無いと言うだけらしい。うん、痛いのは嫌だ。絶対に魔法は受けないようにしよう。。


 そして、大会の日はやってきた。





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