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僕と母親  作者: 浩一
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中学校から僕の家までは、歩いて三十分かかる。

本当なら自転車通学が認められるけど、恥ずかしいことに僕は自転車に乗れなかった。


ある日の帰り道。

僕は下校中に強い尿意を催した。

臆病な僕には、立小便なんて出来なかった。


家まであと15分。

僕は必死にオシッコを我慢した。

だけど山道の狭い路肩で、勢いよく走ってきた車とすれ違ったとき。

体からフワッと力が抜け、ブリーフの中がお湯でも溢れたように温かくなった。

足元を見ると、広がっていく水たまりが夕陽を反射して輝いていた。


「…ただいま」


ぐしょぐしょに濡れたブレザーの灰色のズボンを見ると、母親の顔色が変わった。


「あんた、学校でもらしたの?」


「ううん、違う……帰り道……」


「誰かに見られた?」


「……ううん」


「よかった……シャワー浴びといで。制服はお母さんが洗っとくから」


母親は、粗相をしたことを叱らずに、僕が恥をかいていないかどうかを真っ先に気に掛けてくれた。

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