表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

ヤンキーアネゴと真顔少女と変な女【誘拐編】

 時間は夕暮れ時…


 ガチャ


「はぁ…なんでこう不運が続くと言うか、厄介ごとに巻き込まれるんだー…」

「まぁまぁアネゴ!あれは仕方がないっすよ!マイは可愛いし!」

「ごめんなさい…」

「いや今回は、マイは被害者っすから謝ることないっすよ…ははは」


 なんでわた…俺たちがこんなにも疲れて、家に帰ってきたというと、ほんの数時間前のスーパーでの、昼時、買い物中の出来事だった。俺たちは昼飯を買おうと、俺とマキとこいつとで、整備屋の白ヒゲから借りた代車で、暑いなか一緒に買い物に来ていたのだった。


「おーやっぱ店内はクーラーがきいてて生き返るぜ!」

「アネゴ…なんであの代車の冷房がきかないっすか。もう汗だくっすよ…」

「あん?あれは俺が悪いんか?文句あるならあの白ヒゲに言え!」

「あのインチキ親父のとこに行ったんすか!?はっはっはー…そりゃ〜色々納得っす…」ガクッ


 アネゴはあそこの車屋好きっすからねー。まんまと丸め込まれてなければ良いんすけど…。


「さ〜て、何食おっかなー。夏だし、冷麺も良いなー」

「全くアネゴは…そだ、マイは何か食べたい物ないっすか?なんでもいいっすよー!」

「うん…………………。…マキ?」

「ん?どうしたんすか?なにを食べるか決まったっすか?」


「マキが作ったご飯がいい…」

「え?あっしの料理がいいんすか?いやー!嬉しいこと言ってくれるっすねー!そうっすね…、わかりやした!家帰ったら、あっしが何か作りやしょう!」

「うん!」

「おーい、決まったかー?俺はカルビ丼にするぜ!」


 こんな真夏にカルビ丼って、アネゴの食欲はわからないっすね…。


 ここまではいつも通りだった。そして私たちは食材を買い、レジへと並んでいると事件は起きた。


「マイ!しばらく待ってるっすよ!」

「あんまりうろちょろするなよ」

「うん」


 マイは、アネゴたちの会計を終わるのを待ってる間、ちょっと離れて近くにある商品をみていた。するとカゴを押した見知らぬ女性がマイに近づいてきた。マイはその女性と目を合わせた瞬間、いきなりは知らない女性に抱きかかえられた。そして…


「やん!可愛い!お人形さん見たい!!!私があなたのママよ♡」

「…………」


 するとその女性はカゴを置き、マイを抱え、出口ほうへに向かって走り出した。その一瞬の出来事だった。それに気づいたアネゴたちは目を疑った。まさかの拉致に。


「あーーーーー!!アネゴ!マイがーーーー!!」

「あ!またかよあいつ!!!マキ!会計頼んだ!!」


 アネゴは会計をマキに任せ、全力でマイを拉致った女性を追いかけた。だが女は足が早く、アネゴの足では追いつけず、アネゴは店の出口で息を切らした。マイは抵抗せずに車に乗せられ、女性は、車を急発進させて連れ去って行った。アネゴは急いで携帯を取り出し、駐車場から出て行く車のナンバープレートをギリギリのところを撮った。


「はぁ…はぁ…チクショウ…やられた…。まさか…マイを誘拐するようなやつに…出くわすなんて…思っても…みなかったぜ…。ふざけやがって…なんであいつは…厄介ごとにどんどん巻き込まれていくんだよ…全く…」


「どうされましたか?大丈夫ですか?」騒ぎに店員がかけつけた。

「あ!大丈夫です!すいませんお騒がせしてー」ペコッ

「あ、そうですか。では気をつけてください」

「あ!はい!すいませんした!」ペコッ


 次から次へと…最近なんだってんだ…。あいつと会ってからロクなことがない。何やってんだか…。


「あ!アネゴー!大丈夫っすか!?マイはどこに!?」

「女と車でどっかいきやがったぜ。だが、ナンバープレートの写真だけは撮ることにはギリギリ成功した。これだけのあれば、奴を探すのには十分なんとかできそうだ。んでだマキ、すぐに白ヒゲのところに向かうぞ!」


「え?またあのインチキ親父のとこに行くんすか!?」


「だー大丈夫だって!あいつは車ことにも、この辺りを走っている車についての情報も色々と知ってやがるから、手っ取り早く、あいつを見つけ出すことができる…はず」

「えぇ…。あ!店の防犯カメラ…って、警察沙汰になりやすね…。早いところマイを助けないとっすね…」


「そうだな。あいつも、俺らも、今年は厄日ってことになりそうだな。とりあえず、車をまわしてきてくれ」


「あー…せっかくマイの為にそうめん作ろうと思ってたのに…、ついてないっすね。すぐに車まわしてきます」

「おう!それにしても…マイもマイで…、少しは抵抗しろよ全く!!世話焼かせやがって…」


 …俺たちは、警察に通報するでもなく、個人でマイの行方を追うために、車について詳しい白ヒゲに頼ることにした。俺たちは急いで車に乗り込み、車整備屋に向かったのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ