ヤンキーアネゴと真顔少女とベテラン車整備士
静かな朝を迎えた
ガチャ
「じゃあ、後は任せるぞ、マキ」
「行ってらっしゃいっす!アネゴ」
「アネゴ、行ってらっしゃい…」
「いいか?マイ!お前のせいでこうなってるんだから忘れんなよ!」
バタンッ‼︎
はぁ…今日はいつもと違う朝だな。マイを拾ったのはいいが、どう扱えばいいのやら…。俺に子供かー。親ってこんな感じなのかなー?まぁ…短い間の親代わりだ。気楽に考えとくか。
「さて、車を修理に行くかー。ま〜た、あのオヤジに色々言われそうだなー」
俺は、事故を起こして出来た車の傷を治しに、知り合いの車屋に向かうことにした。
一方、真顔少女はと言うと…皿洗いをしていた。
「マキ?これでいいの?」
「そうっす!マイは覚えるの早いっすね〜」
アネゴがあんなこと言ったから、マイのテンションだだ下がりっすね。なんとかご機嫌を取れたらいいっすけど…。
「マキ?」
「あ!どうしたんすかマイ!」
「なんで私…死ねなかったのかな…」
(うわっ!やばい内容がが!!言葉を選ばなければ!!)
「そうっすね〜。きっとー神様が「まだ死んじゃダメ」って言ってるんじゃないっすかね!」
なんとかちょっと誤魔化しながら答えられたっすけど…どっどうなる!?
「神様か…そうなんだ…」
「マイ!あまり深く考えないほうがいいっすよ!今を大事に生きていればなんかいい事あるっすよ!」
やっぱり気にしてるんすね…。最初に出会ってからまだ1日しか経ってないなんて信じられないっす。この子とは、もうちょっと真剣に向き合っていかないといけないっすね。後はアネゴっすね。あの性格だからきっとマイを傷つけるでしょうし、色々と苦労しそうっすね…。
キュッ
「終わりやしたね。手伝ってくれてありがとうっす!マイ!」
「うん」マイはちょっと嬉しそうに返事した。
「さて、私たちもゆっくりしやしょうか!」
「うん」
一方、アネゴとはいうと…
「おい!整備士の白ヒゲ!いるかー!」
「なんだ!朝っぱらからうるせーぞー!」
「俺だよ!俺!」
「お?アネゴじゃねーか!珍しいお客じゃねーか!」
ガジ、今年で54歳になる整備士ベテランのジジイだ。髪もヒゲも白いから白ヒゲと呼んでいる。
「あ!お前またバンパーとライト部分をぶっ壊して傷つけたのか!相変わらずこりねーやつだな、おい!」
「まぁ今回は色々あってこうなっちまったんだ!な?治してくれよ!」
「ふん!なおすのは簡単じゃがの、金はこれくらいかかるぜ?」
「うわ!そこをなんとか!安くしてくれないか!?たのむ!」
「ふん。いつものことじゃのう。ただし条件を飲めば…、安くしても構わんがじゃの?どうする?」
「じょ、条件ってなんだよ?」
「な〜に簡単じゃ。お前さんがぶつけた原因とやら教えて欲しいのじゃ。さっき色々と言っていたのう。つまりなんらかのトラブルでこうなったわけじゃな?詳しくもおせってことじゃ」
「そんなん聞いてどうするんだよ?お前には関係ないだろう!こっちの話だ!」
「ふ〜ん、じゃ安くシーない!」
「チッ!話をすればどれくらいまけてくれるんだ?」
(ふん!かかりよったわい!相変わらずチョロいのう!ふぉふぉ」
「そうだなー。これぐらいで〜どうじゃ?」
「な!ほぼタダ同然じゃんか!」
「わしも暇でな。情報が欲しいのじゃよ。さて、どうする?アネゴ?」
「チッ!わかったよ…話せばいいんだろ。」
白ヒゲに真顔少女との出会いとこれまでのことを話した。
「ほう、そりゃー奇妙な出来事に遭遇したのう。でも同情はできんのう。」
「あん?なんでだよ〜?」
「夜中に誰もいないからと言って、暴走行為は立派な犯罪じゃ。今回は運が良かったから大惨事にはいたらなかったが、もし下手すれば、お前さんが死んでいたかもしれないのじゃぞ?病院に連れて行き、面倒を見たから言っても、褒められたものではない。まぁ警察に相談できない理由はわからんでもないがな。」
「チッ!みんなしてあいつの味方かよ。あーあ、つまんねーの」
「まぁ話してくれて、事情はわかった。約束通り、タダ同然でなおしてやる。その代わりと言っちゃなんだが、そのお嬢ちゃんと仲良くな?あと代わりに軽自動車を用意しよう」
全く…どいつもこいつもあいつの事ばかり…少しでも俺に味方はいねぇーのかって話だ。




