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最強従者は今日も自由 第二章プロローグ

「糸垂、どこにいるの・・・?」

欝蒼と茂る暗緑の木々

少女の泣き声が一つ、虚しく響く

そんな時だった

-ザッ、ザッ

何かが土を踏み締める音がする

恐怖に体を竦ませる

動けない

「なに、なんなの・・・?」

言いつけをちゃんと守ればよかった

後悔は既に遅く、

眼前に現れた数頭の狼に似た獣

『グァルルル』

其れ等は敵意の籠った眸で少女を見る

「いや・・・こないで・・・」

少女が叫ぶ

声色虚しく、其の獣は跳び上がった

目を瞑る

「はぁぁぁぁぁ!!!」

其の儘数秒経っても痛みは疎か、

何かが触れた感触も無い

恐る恐る目を開けると、

其処には一つの背中が見えた

長く結った髪

糸垂と似た色の、黒い軍服ドレス

思わず見とれる程の、優雅な剣を収める動作

「大丈夫ですか?」

周囲の獣は既に全て息絶えるか逃走していた

其の人の顔を見て、気付く

「あれ?フィーネさん?

どうしてここに・・・」

「灑我・・・?」

其の人は知り合いだった

少女は、余り良くは思っていない相手だった

此の人の所為で、糸垂の附きの時間が減ってしまったからだ

其れでも、

知り合いという安心感は大きいのだろう

「うわあぁぁぁぁぁん

こわがっだぁぁぁぁぁ」

「え、あ、ちょっと

フィーネさん・・・!?

一回落ち着いてください・・・!」

少女・フィーネは泣き出してしまった


事の発端は、朝迄遡る

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