EP50 もう一人の獅堂
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教室に入った辻獅堂のもとにソフィア・カーリンが寄って来た。
紺色の清楚なブレザーとグレーのスカート。
以前の獅堂の忠告を守り、落ち着いた上品な服を着ている。
カーリンは鼻で笑いながら言う。
「あなたは面と向かって誘えない、照れ屋さんなのね」
「えっ!?」
と獅堂の耳元に唇を近づけて、囁くように、
「ドゥヴァツァチ デヴィャチ イユーニ シィス ナシャシィスオフ(29 Iyun' 16:00 7月10日 16:00にね)」
と目配せをして去っていく。
獅堂は頭を抱える。
「また誰か知らない俺が、クラスの女子を誘っているのか?」
その2日前の放課後。
ソフィアが靴箱を開けて靴を取り出すと、白い封筒が落ちてきた。
封筒の裏側には「辻獅堂」と印字されている。
「獅堂…」
ソフィアはつぶやきながら、祈るように中の手紙を開く。
〈ソフィアへ
突然の誘いですまない。
2人だけで話したいことがある。
場所は6月29日の16時にチェルシー港湾E区画の第7倉庫。
カギは開いてるから、そのまま中に来てほしい〉
ソフィアは花が咲いたような笑顔を浮かべる。
「変な場所。変わり者の獅堂らしいわ」
ソフィアは最近、声を掛けてこない獅堂のことを気にしていた。
最近は東大島からのハラスメントはなくなった。
しかし美しい彼女は、学園の他の男たちから、ずっと熱いまなざしを受けている。
そんなときソフィアは、自分が肉食動物から狙われる獲物になった気がする。
「そんな憂鬱も、彼が優しくしてくれたら吹き飛ぶんだけど」
ソフィアは目を閉じながら、つぶやく。
「獅堂の匂いが恋しい…」
そして6月29日。
ソフィアは上品で愛らしい白のワンピースでチェルシー港に現れた。
そして人気のない倉庫エリアに歩いていく。
E区画の第7倉庫。
横開きのドアを滑らすと、連絡通りドアのカギは開いている。
薄暗い倉庫の中、奥にある部屋の電気が点いている。
「あそこね」
ソフィアは進んでいく。
部屋のドアを開け、中に進んでいく。
そこにいたのは、黒いボディスーツと皮パンツ姿の東大島だった。
「なぜ、あなたが?」
驚くソフィア。
東大島は素早く部屋の入口に回り、ソフィアが逃げ出せないようにする。
東大島はアーミーナイフを取り出し、見せつけるように自分の顔の前に誇示する。
そして舌を出して、鈍く光るその刃をなめる。
「逃げ出そうとすれば、その美しい顔に傷がつくぜ。悪いことは言わない。俺の指示通りにしろ」
ソフィアは青ざめる。
東大島は不敵な笑みを浮かべる。
そして言う。
「なぜ辻獅堂がいないのかって? 簡単だ。手紙の主は辻獅堂じゃないからだ」
「誰なの?」
ソフィアが声を絞り出す。
東大島が鼻で笑いながら言う。
「俺には強力なバックが付いた。表社会も裏社会も自在に操れる。だからおまえを落とすのも、簡単なんだよ」
ソフィアが歯ぎしりをする。
東大島はソフィアにじりじりと寄っていく。
ソフィアはあとずさりする。
「来ないで、あんたなんて最低よ」
東大島が言う。
「俺はお前さえいればいい。力ずくでもモノにしてやる」
ソフィアが叫ぶ。
「死んでもあんたなんかには触れさせないッ!」
距離を詰めると東大島はナイフを手放し、ソフィアの両手を壁に押し付ける。
そして唇を奪おうとする。
しかしソフィアは必死で逃れ、唇には触れさせない。
ソフィアはひざで東大島の腹を蹴り付ける。
「うっ!」
東大島がうめいて、体をくの時に折る。
その顔から薄ら笑いが消え、目が吊り上がる。
「てめえ! 優しくしてたら、つけ上がりやがって!!」
そう言って、ソフィアの顔に強烈な張り手をする。
彼女の顔が激しく右に振れる。
東大島はさらに、右に、左にと何度も張り手を行う。
ソフィアの抵抗が弱まっていく。
東大島は白いワンピースの胸元を強引に破る。
純白のブラに包まれた豊かな胸のふくらみが露出する。
そしてスカートもたくし上げる。
白いショーツと、柔らかで美しい太ももがあらわになる。
その両脚の間に、東大島は自分の体をねじ込む。
「いやあっ!」
叫ぶソフィア。
東大島は満面に悪魔のような笑顔を浮かべて言う。
「ようやく、この時が来た。ソフィア、お前は俺の女になるのだ!」
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