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誰も知らない 〜日本最高峰の学園は究極のカオス〜  作者: 瀬戸隆平


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EP48 商品に手を出すな

 梅雨の中、久しぶりに晴れた6月26日。

 東京都・港区麻布。

 石橋奈緒は満面の笑顔で501号室のインターフォンを押した。

 黒のワンピースに真珠のネックレス、高級ブランドのパンプス。

 精いっぱいのおしゃれだ。

 ドアを開けたのは、タキシードを来た20歳代ほどの男だった。

 奈緒の顔から笑みが消える。

「辻獅堂(しどう)くんは? 彼に呼ばれて来たんですけど」

 男が丁寧な様子で言う。

「彼は今、別の用事で外出していますよ。中に入ってお待ちください」

 招かれるまま、顔を強張らせて部屋へと入っていく恵美。

 すると大きなリビングに、夏川美穂、緑川綾乃がいた。

 ソファとテーブルが3台並べられ、そのうちの2つに、彼女たちは一人ずつ座っている。


「これって、どういうこと?」

 目を見開く奈緒に、男が優し気な声で言う。

「これからご説明いたしますね」


 ソファに座った3人の女生徒に、黒スーツに蝶ネクタイの男が言う。

「辻獅堂くんは先にグレイスホテルの会場入りして、ゲストの皆さんをアテンドしています。皆さんには、このあと17時に迎えにくるリムジンで会場入りしてもらいます」

 そこに白衣と赤のパティシエネクタイをつけた男が奥の部屋から現れた。

 トレイに上品なつくりのプチケーキを並べている。

「グレイスホテル・パティシエのお茶とお菓子です。召し上がりながら、しばらくこちらの控室でくつろいでください」

 もう一人の蝶ネクタイ男が現れ、3人のソファのテーブル前にティーカップを並べる。

 それを見て女生徒たちの緊張もほぐれたようだ。

「辻くん、いったいどういうつもりなのかな?」

 綾乃が言う。

「いつも何を考えてるのか、わかんないのよね」

 3人が笑う。

 彼女たちはしばらく獅堂への文句や悪口で盛り上がる。

 30分程すると、美穂が言う。

「なんだか眠くなっちゃったな」

 奥の方で控えていたタキシード男が、落ち着いた様子で言う。

「そのままソファでお休みいただいて大丈夫ですよ。時間になったらお声掛けしますから」

 それを聞いた美穂は、ソファに寄りかかるように体を預ける。

「そうね、まだ出発まで時間があるから、体を休めておこうかしら」

 綾乃も目を閉じる。

 女生徒たちの会話は途切れる。

 そして寝息が聞こえ始めた。


「首尾は上々だな」

 黒スーツ男が蝶ネクタイを外し、ジャケットを脱ぎながら言う。

 ソファでは3人の女生徒が、ぐったりと眠っている。

「さて、準備を始めますか」

 パティシェ男も白衣を脱ぎ、黒いTシャツ姿で言う。

 そしてこう続ける。

「それにしても上玉ばかりだな。味見したいぜ」

 パティシエ男は奈緒の豊かな胸の膨らみに手を伸ばしていく。

 黒スーツ男がその手をはたく。

「馬鹿! 仕事が先だ。この女たちは大事な商品だからな」

 パティシエ男が苦笑いして、言う。

「悪い悪い、これからゲストに抱いてもらう女たちだったな。パッケージを乱しちゃまずい」

 黒スーツ男が言う。

「おこぼれが欲しけりゃ、その後、いただけばいいだろ」

「それもそうだな」

 そのやりとりを黙って聞いていた、もう一人の蝶ネクタイ男もYシャツを脱ぎ捨てる。

 そして白のTシャツ姿を着て、言う。

「さあ、一人ずつ、ワゴン車に運んでいくぞ!」

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