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誰も知らない 〜日本最高峰の学園は究極のカオス〜  作者: 瀬戸隆平


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EP37 Please support me

お読みいただき、まことにありがとうございます。

 6月の中間試験が終わった。

 掲示板へのクラス別平均点の張り出し日。

 1年生全員が集まっている。

 学園の事務担当職員が丸めた紙を上から伸ばすように貼り出していく。

 上の方に記されたのはクラス別の平均点。

 その数字が明らかになっていく。 

 結果、6組の成績は5組を超えているばかりか、今度は4組の成績に肉迫していた。

 4組の生徒たちが不安そうにざわめく。


 しかしその下に記させていた退学者の名前が明らかになると、生徒全員が騒ぎ出した。

 退学者は3人。

 5組クラス委員の平手大樹。

 そしてその取り巻きだった男子生徒2人。

 名目は「自主退学」。

 その日、学園はこの話題でもちきりとなった。


 その翌朝、綾乃が辻獅堂の机の前に来た。

「少し顔を貸してもらえる?」

 獅堂はうなずき、席から立ち上がる。

 そのとき、隣の席の美穂が足を蹴り飛ばしてきた。

 振り返ると美穂が目を三角に睨みつけている。

 獅堂は首をひねりながら、綾乃について行く。


 教室から離れた廊下の隅で、綾乃は切り出した。

「2組から、会談を申し込まれたの」

「会談? 藪から棒になんのことだ??」

 獅堂は無表情に返事をする。

「名目は懇親と情報交換だけど、おそらく私たちの内情視察ね」

「連絡を取ってきたのは誰だ?」

「2組のクラス委員・南条フレデリック麗羅よ」

「女のアメリカ人留学生か」

「ええ」

 獅堂は小さなため息をついて言う。

「断っちゃえよ。こちらにメリットはないだろう」

「そういうわけにはいかないの!」

 綾乃は語気を強めて言い、こう続ける。

「私はあなたと違って強くはない。だから味方を増やさなきゃいけないの」

 獅堂は大きく息を吐いて、

「なるほど」

 と同意して、こう続ける。

「で、何で俺に話を持って来たんだ?」

「私はフレデリックに会談の条件を付けたの。クラスメイトを同席させるならOK。もちろん、あなたのことよ」

 獅堂は腕組みをして天をあおぐ。

 そして言う。

「俺と緑川だけなら断る。石橋奈緒も同席させるならいい」

 綾乃は一瞬、眉をひそめたが、

「いいわ。それで話を進めましょう」

「ところで…」

 獅堂が最後に、綾乃に尋ねる。

「フレデリックはなぜ俺たちのことを探るのだろう?」

 目を見開いて綾乃が言う。

「あなた、知らないの?」

 獅堂はうなずく。

「いま学校では私たちがヤバいと噂になってる。5組の平出くんたちが退学になったのも、6組が糸を引いてると言われてるわ」

 獅堂はそれを聞いて、額に右手の拳を当てて、うなだれる。


 獅堂は教室に戻ると、そのまま石橋奈緒を探す。

 彼女は他の女生徒と談笑している。

 獅堂は奈緒の目を見て、無表情で手を振る。

 それに気づくと、奈緒は少し緊張したような顔で一瞬目を伏せたが、

「どうしたの?」

 と近づいてきて、

「さっき、緑川さんと教室を出ていたでしょう」

「気づいてたのか?」

「男女2人で連れだって外に行くんだもの。みんな見るわよ」

「そうか」

 頭を掻く獅子、こう続ける。

「それに関連して石橋に頼みがあってさ。緑川が2組から会談を申し込まれていて、同行者を探してる。石橋にも参加してほしい」

「私が?」

「ああ。勉強会のリーダーとして」

「教えてくれてるのは辻くんじゃない」

「だが俺は人見知りだ。リーダーなんて柄じゃない」

「変人だものね」

 奈緒が苦笑する。

 獅堂は口をへの字に曲げて、言う。

「まあ、そのとおりだ。だから折り入って頼むよ」

「わかった。そういう設定にしておいてあげる」

 そう言って、奈緒は嬉しそうに笑った。


引き続きどうぞ、よろしくお願いいたします。

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