十一斬り目
桜花の住む城は港に近い
島国を統治する城へ桜花は長い旅に懲りたように呑気を振るわせて、城内へ上がる。お帰りなさいませと役人が挨拶の言葉を告げる。
役人の習慣が身について素直には迎えてくれる。そして待ち構えいた桜花の妹達。
「城下の家で飯を食い後に戻るとは」
「統治の役を飽きになったかしら」
「姉様、人柄悪ーい」
上から順に名は七束、鶺鴒、水泉。この三人の面は他の役人とはずれて、気安くしてはくれない。挨拶ではなくて、文句の槍を投げてくるのだ。
「道楽者じゃ!」
「遊び人め」
「七姉様…汗臭い」
口を袖で隠しながら言うも意味もないと言うほど、七束の耳に聞こえやすかった。七束が咎める。
「水泉!青春たる暑柄を茶化するな!」
夏至に逆らえない大寒だね。顔を毎日見る間も全く線の揺れない、頑固な者達だ。本当に分かりやすくて劇並みかそれ以上の漫才者だわ。
ぶっ殺したくなるくらい煩わしいわっね。桜花の右手が妹達に差し向けた。
「これでも食らえや!#妹共__馬鹿__#め!」
赤白い、直線形の閃光が飛び出し、妹達に直撃する。煙が吹き荒れ、役人達がどよめいた。技名“かしわもちまき”。強靭たる魔物にうってつけの光線。属性は“桜”。驚く事にこの属性に覿面な個体がいないので属性の意味がない。家来が泡ふかせて私に問い詰める。
「姫様!いまのは随分と痛手過ぎますぞ」
そんな事がなんだと鼻先をふんと笑う桜花。
「これぐらいではくたばら筈がないし。ほらね」
三人立つ影が濃く現した。ぼろ切れた姿でギラギラと目を光らせ、一本の柱を睨む。同じ慈悲など耳傾ける気はない。
三人が一斉に襲いかかる。
「死ねえぇぇっ!!」
「ぶっ倒す!」
「地獄に…堕とす…!」
今夜、どこかで騒々しいたる響きが耳に伝われば、日常茶飯事たる事が起きていると人々は何時もの眠りに入るのである。
もう三時間も経過した感じた時。長女と妹三人の激闘の末。桜花一人が敗北した妹達の上をへばる。城は蜂の巣になり、それ伴い桜花も妹三人相手には損傷も濃いものだった。
自分の手で妹達を傷め付けるとあまりにもの心地よさで自分で制御する事も困難な笑いを城内に響き聞かせた。
妹達が長女を屈服できない限り、姉妹間の喧嘩が尽きる事は…無論無い。楽の活を阻まれるのを避ける為に城内を離れるしか選択肢は無かった。
三人は鬼以上の姉に呪う続けるのである。今度喧嘩発した際、もう生を残させる気概が残っていなかった。
幼少時代からともかく仲悪い。




