第五章 覚醒 第八節 影法師 第三話 会議
第五章 覚醒 第八節 影法師 第三話 会議
みんな、会議を始めたい。
席に着いて下さい。
蒼真が言うと、皆、筆記用具を持って、所定の位置に座った。
皆も、知っているように、ぬらりひょんは、我々が倒した。言い方を変えると、妖の親玉がいなくなった。
このため、今、妖の世界では、各地で、妖同士の抗争が始まっている。既に鎌鼬と酒呑童子の勢力が衝突したという情報も入っている。
この争いは、次の百鬼夜行まで、続くと思われる。やつらの争いごとにまきこまれないよう、注意して欲しい。
はーい!蒼也手を挙げた。
妖達は、百鬼夜行のリーダー争いをしているということ?
そうだ。蒼真答えた。
リーダーになると、何か良いことがあるの?
百鬼夜行は、妖のオンパレードである。
そのオンパレードを率いているということは、妖にとって、名誉あることなんだ。
リーダーは、誰になりそうなの?
お父さんにも分からない。ただ、分かるのは、妖同士の戦いが増えるということである。
分かり次第、皆に共有する。
では、次の議題だ。
昨晩、仕事終えたOLが、自宅に帰宅した。すると、母親は、さっきまで娘と話ししていたと言う。娘は怖くなって討魔庁に依頼してきた。
もう、今日は、遅いので、明日、蒼也と葛の葉さんは、お父さんと一緒に行動して欲しい。
大丈夫だよ。
では、解散。
各自部屋に戻って行った。
その時、玄関から、蒼也の声がした。
「遅れてごめんなさい。天狗の指導を受けてました。
家族、皆、青ざめた。蒼真は、蒼也の部屋に向かったが、誰もいなかった。
お父さんどうしたの?
いや、何でもない。剣道で汗かいただろう。シャワーを浴びておいで。
うん、分かった。
レイカも、驚いていた。実の息子をまちがえるなんて。
葛の葉は静かにつぶやいた。
「...おかしい。」
「...あの蒼也からは、妖気も、人間の気配さえ感じなかった。
部屋の空気が、一瞬で凍り付いた。
「うん...分かった。またね!」
蒼也は、楠木さやかと電話が終わると、台所にむかった。
「お母さん、さやかちゃんが、変なことを言うんだ。まだ、今日は電話していないのに、さっき、電話したよ。と言うんだ。
からかわれているのかな?そんなことする子じゃないのに。
レイカは、言った。妖のせいかもしれない。
誰かが、蒼也になりすまして、電話をしたのかもしれないね。こんど、電話する時は、二人しか知らない話題をするといいかもね。
そうだ、はい、蒼也。
今月のお小遣いね、たっぷりいれておいたわ。さやかちゃんと、いっぱい、遊んできなさい!
お母さん、ありがとう!
蒼也は、喜んだ。
レイカは、まだ、蒼也を不安にさせるのは早いと思い、喜ばせたかった。
しかし、今度の妖は手強いと思った。
自分の彼女さえも騙せるなんてすごい。
自分も気をつけようとレイカは思った。
その時、葛の葉はレイカに言った。
今日の出来事は単独犯ではなく、複数犯の可能性がありますね。例えば、山彦と夜行さんと影法師が組んだら大変なことになりますね。
目も耳も気配も騙されます。
気を付けましょう。
そうね。レイカは、答えた。
葛の葉さん、今の話なんだけど、一人の人間に対し、複数の妖が取り憑くってあるの?
何を言いたいかと言うと、蒼也に、山彦も夜行さんも影法師も、全部が取り憑くことあるの?
葛の葉は言った。あります。ただ、ボロは出てくると思うので、先程みたいに気付くとおもいます。一番気になるのは、蒼也よ。妖は蒼也に取り憑いて何をしたいのかがよく分からないわ。何が目的なのかしら。
ビルの上に立つ怪しい人間が呟いた。
「作戦通りだ...百鬼夜行まで、あと僅か。楽しくなるぞ」




