第9話 ルカの輝く接客魔力
魔音亭に到着した瞬間、ルカは猫耳をピクピクさせ、尻尾をくるくる回しながら一気に生き生きとし始めた。
ルカ「ここが私のホームなんだよ! 魔音亭!」
店内に入ると、常連客たちがルカに気づいて次々と声をかけてきた。
オーク客「ルカちゃん! 今日も来てくれたのか! 待ってたぜ!」
サキュバス客「ルカちゃん、今日も可愛いわね~」
ルカ「いらっしゃいませー! いつもありがとうございます! 【微笑み魔力増幅】!」
ルカが満面の笑顔を向けると、淡いピンク色の魔力粒子が舞い上がり、指定された部屋が優しく明るく包まれた。
その動きは可愛らしいのに、プロの接客士らしい凛とした美しさがあった。
その後、苛立ったオーガ客がやってきた。
オーガ客「はあ? 部屋まだできてねえのかよ! 遅えんだよ!」
ルカの表情が一瞬引き締まったが、すぐに完璧な営業スマイルを浮かべた。
ルカ「申し訳ありません、お客様。ただいま確認いたしますので、もう少々お待ちくださいませ。
【冷静対応・魔力安定化】!」
淡い青色の魔力が広がり、オーガの苛立ちをみるみる落ち着かせていく。
ルカは素早く手続きを進め、最高のタイミングで部屋に案内した。
ルカ「失礼しますー! ご注文の品をお持ちしました!
今、お客様が一番落ち着いたタイミングだと思ったので、ちょうどいいところでどうぞ♪」
オーガ客「……ふん。まあ、悪くねえな」
ルカ「本日はご利用ありがとうございます。存分にお楽しみくださいませ!」
部屋から出てきたルカは、俺に向かって小さくガッツポーズをした。
ルカ「えへへ、危なかった~。でも、ちゃんと落ち着かせられたよ!」
俺はルカの姿を見て、ふと過去を思い出していた。
(……ダンス部でも卓巳とカラオケ行って店員がノリよくてお互いテンション上がったもんなあ……
ルカみたいに、相手の苛立ちを華麗に受け止めて、良い方向に変えられる接客……かっこいいな)
ルカ「電斗くんも早く慣れて、一緒に最高の部屋を作ろうね!」
ルカは猫耳をぴょこぴょこ動かしながら、照れくさそうに笑った。
ルカ「昔は全然ダメで、部屋を暗くしちゃうことも多かったんだけど……頑張ってきたんだよ。
今日もいっぱい頑張ろうね、電斗くん!
私と一緒に、魔界一の接客コンビ目指そう!」
その明るい笑顔と、猫耳の動きに、俺も自然と笑顔になった。
ルカの元気で可愛らしく、でも芯の強い姿が、今日の魔音亭を明るく照らしていた。
第9話 完




