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第8話 荒れ狂う適当野郎

——その頃、魔界のとあるハンバーガー屋では

ルカと俺が魔音亭に向かっている頃、別の場所で一人の男が自分の信念を叫んでいた。

大柄な魔物がレジを叩きながら、荒々しくも力強く笑っていた。

あいつ「レジもおせぇし打ち間違いもするし、ちゃんと打てねぇのかよ!

【罵倒スキル・適当糾弾】!

お前らみたいな真面目ぶった店員、俺は大っ嫌いだ!」

女性店員「申し訳ありません……もう一度確認いたしますので、お待ちください……」

あいつ「確認? うるせえ! 【真面目粉砕】!

適当でいいって言ってんだろ!

俺はこの世界で、適当に、自分の生き方で生きてやると決めたんだよ!」

(あいつの内心)

地球にいた頃、俺は電斗の相棒だった。

一緒にダンスをやって、ミスした俺を励ましてくれる……根は本当にいい奴だった。

でも、あの真面目すぎる態度が、俺には息苦しかった。

「卓巳、お前それ人に見せる態度じゃねえだろ」

「少しは礼儀正しくしろよ」

相棒なのに、いつも俺を正そうとしてくる。

それが、妙にムカついて仕方なかった。

この世界に来て、俺は決めた。

(俺はこの世界で、適当に、自分の生き方で生きてやる。

真面目ぶったやつに説教されるのは、もううんざりだ。

俺のペースで、俺の好きに生きてやる。それが俺の答えだ)

(現在)

あいつは牙をむき出しにして笑った。

あいつ「はははっ! また勝ったぜ!

お前らじゃ俺を満足させられねえ……

あの紫色の適当嫌い野郎……電斗じゃなきゃ、俺の本気は引き出せねえんだよ!」

——同じ頃、魔唱カラオケ「魔音亭」への道中

ルカが俺の横をスキップしながら、楽しそうに話しかけてきた。

ルカ「一緒にお仕事するの楽しみだね!電斗くん、カラオケ行く友達とか居た?」

俺はルカの明るい声を受け止めながら、ふと思い出して口を開いた。

俺「ダンス部に、相棒みたいなやつがいたんだ。名前は卓巳。

適当でマナー悪くて、遅刻常習犯で、いつも威張り散らかすやつだった。

俺はいつも注意してたんだけど……根は優しくて、一緒にいるとすごく楽しかったよ。

文化祭前なんか、夜遅くまで二人で練習して……俺が『次は絶対決めるから』って意地張ったら、あいつも本気出してくれたりしてさ」

俺は小さく笑った。

俺「でも、あいつは俺の真面目さが嫌いだったみたいなんだ。

俺が注意するたびに苛立ってた……結局、すれ違ってたんだよな。

俺は転生したけど、あいつは今頃何してるんだろう……」

ルカは猫耳をピクピクさせながら、じっと俺の顔を見た。

ルカ「へえ……そんな大事な相棒がいたんだね。

きっと、どこかで元気にしてるよ。

電斗くんが頑張ってるみたいに、あの人も自分のやり方で頑張ってるかも!」

俺「そうだといいな……」

その瞬間、胸の奥がざわざわと波立った。

(……なんか、嫌な予感がする……

胸の奥が、妙にざわざわしてる……

まさか……)

ルカ「電斗くん? 顔色悪いよ?」

俺「いや……なんでもない。行こうか」

俺はルカの明るい声に頷きながらも、胸の奥で続くざわめきを抑えきれなかった。

第8話 完

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