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第5話 頼れる兄貴、オルガ


魔物マートでの夜勤を終えた翌朝。

俺は店長代理から正式に異動を告げられた。

「よく頑張ったな、電斗。

お前はこの店を卒業だ。明日から新しい店に配属される。

……接客ギルド本部から直接、呼び出しがかかっている」

俺は少し緊張しながら聞いた。

「ギルド本部……ですか?」

「そうだ。マネージャー直々の呼び出しだ。

新人でお前が呼ばれるのはかなり珍しいぞ」

その日の夕方、俺は魔界中心部にある接客ギルド本部へ向かった。

重厚な扉を開けると、低く太い声が響いた。

「入ってこい、熱血紫色」

そこにいたのは、銀色の短髪に立派な角を生やした大柄な男——オルガだった。

オルガは俺を見て、豪快に笑った。

オルガ「よう、魔物マートで例のタチの悪い客とやり合ったって紫色の新入りか。

噂は聞いてるぞ。なかなか粘り強いじゃねえか」

俺は一瞬、目を丸くした。

(……やっぱり、あの客の話か)

オルガは俺の反応を見て、さらに笑った。

オルガ「驚くのも無理はねえ。あの客は最近、ギルド内でも話題になってる厄介者だ。

注文をめちゃくちゃに変えて店員をからかい、魔法陣を不安定にさせて楽しむ……性格の悪い魔物らしい。

お前が粘って対応したって話は、結構評価されてるぞ」

俺は少し緊張しながら聞いた。

「それで……俺に何を期待してるんですか?」

オルガはニヤリと笑い、俺の肩をガシッと掴んだ。

オルガ「簡単だ。

お前がもっと強くなれってことだ。

俺が直接面倒を見てやる。覚悟しとけよ、熱血紫色」

オルガは豪快に笑いながら、俺の頭をガシガシと撫で回した。

オルガ「魔王様のストレスが魔界全体に悪影響を及ぼしてるのは知ってるな?

上層部は『接客で民衆の不満を少しでも和らげろ』って本気で言ってる。

お前にはその一端を担ってほしい。

……まあ、俺も昔は新米で散々苦労したからな。

お前みたいな熱い奴は、放っておけねえよ」

その言葉に、俺の胸が熱くなった。

オルガ「これから俺が直接指導してやる。

魔界は厳しい世界だ。

でも、お前ならやれる。俺が保証する」

俺は拳を握りしめ、強く頷いた。

「ありがとうございます。

俺は……もっと強くなってみせます」

オルガは満足げに笑った。

オルガ「いい目してるじゃねえか。

よし、これから本気で鍛えてやるぞ、熱血紫色」

その夜、宿舎に帰る道中、俺の胸は熱く高鳴っていた。

魔王様のストレス、魔界全体のイライラ、そして最凶の客……。

そして新しく出会った、頼れる先輩オルガ。

魔界は、予想以上に厳しく、そして熱くなってきた。

第5話 完

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