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第11話 再会の予感と、紫の光

魔音亭のシフトも終盤に差し掛かっていた。

ルカと俺は休憩スペースで一息ついていた。

ルカは猫耳をふわふわさせながら、俺にジュースを差し出す。

ルカ「電斗くん、今日もお疲れ様!

融合スキル、ほんとにすごかったね……まだ体、大丈夫?」

俺「なんとか。ヴェルザードからもらったスキルのおかげで、少し楽になったよ」

ルカは目を丸くして嬉しそうに笑った。

ルカ「えへへ、よかった! 私と電斗くん、ますます相棒らしくなってきたね!」

その時、店内の奥から聞き覚えのある大声が響いてきた。

「はははっ! また負けやがったな!

お前らみたいな真面目店員じゃ、俺は満足しねえよ!」

俺の体がビクッと硬直した。

ルカ「え……? またあのタチの悪い常連さんかな……?」

俺は無言で立ち上がり、声のした方向へ歩き出した。

胸の奥で、抑えきれないざわめきが爆発しそうだった。

ルカが慌てて後をついてくる。

奥の特別ルームの前で、俺は足を止めた。

そこにいたのは——

大柄な魔物。緑がかった肌、曲がった牙、苛立つような目つき。

完全に魔物化しているのに、その態度と言い方は、間違いなく——

あいつだった。

卓巳は部屋の前で接客士を相手に荒れていた。

あいつ「適当でいいって言ってんだろ!

お前らみたいな完璧主義、俺は大っ嫌いなんだよ!

あの紫色の適当嫌い野郎じゃなきゃ、俺を楽しませてくれねえのか!?」

(卓巳の回想)

地球時代、ダンス部の練習室。

卓巳「はあ? お前また説教かよ、電斗」

電斗「卓巳、お前それ人に見せる態度じゃねえだろ。

少しはマナーちゃんとやれよ。後輩も見てるんだぞ」

卓巳「うるせえな。お前が真面目すぎるんだよ。

適当でいいだろ、結局楽しければ」

電斗「楽しむのも大事だけど、ちゃんと責任持ってやらないと……

俺はお前と一緒に本気でやりたいんだよ」

卓巳「へっ……相棒のくせに、いつも俺を正そうとするよな。

ムカつくぜ。お前みたいな完璧主義が、一番腹立つんだよ」

(現在)

あいつがこちらに気づき、ゆっくりと振り向いた。

あいつ「お? 紫色の……いや、電斗か。

久しぶりだな。相変わらず真面目そうな顔してんじゃねえよ。」

その瞬間、あいつの視線が俺の横にいるルカに移った。

あいつ「……おいおい、可愛い猫耳の娘じゃねえか。

お前、電斗の新しい相棒か?」

次の瞬間——

あいつはニヤリと笑い、突然右手を振り上げ、黒い魔力を爆発的に集中させた。

あいつ「【適当破壊衝撃】!!!」

ドォォォンッ!!!

黒紫色の魔力の奔流が、凄まじい勢いと爆音を伴ってルカに向かって襲いかかった!

予測不能の不意打ち。床が激しく震え、空気が裂けるような衝撃波が広がる。

ルカ「え……? きゃああああっ!!!?」

ルカの目が大きく見開かれ、顔が一瞬で真っ青になった。

猫耳がピンと逆立ち、尻尾が恐怖で固まった。

普段はレベルが高く、どんな客も華麗に捌くルカが、不意を突かれて完全に動揺していた。

ルカ「う、うそ……!? こんな急に……!」

俺は咄嗟にルカの前に飛び出し、両手を広げた。

俺「ルカ!!!!」

【鉄壁営業スマイル】全開!!!

俺のスキルが最大出力で発動し、青紫色の光の壁が爆発的に展開!

卓巳の黒い魔力の奔流が俺のバリアに激突し、激しい紫と黒の火花が散り、大きな爆風が店内を吹き荒れた。

ドゴォォォン!!!

衝撃で照明が激しくチカチカし、近くのテーブルが倒れる。

俺は歯を食いしばり、足を踏ん張ってルカを守り続けた。

俺「卓巳……!

お前が誰を攻撃しようと、ルカだけは絶対に許さねえ!!」

ルカは俺の背中にしがみつき、震える声で呟いた。

ルカ「……電斗くん……ありがとう……

不意を突かれて……私、焦っちゃった……」

あいつはニヤリと笑い、牙を見せた。

あいつ「ははっ、相変わらず真面目だな、電斗。

お前はいつもそうだ。俺のやり方を邪魔して……」

店内の空気が一気に張りつめた。

俺はあいつを正面から見据え、静かに、しかし強く言った。

俺「……卓巳。お前も、この世界に来てたのか。」

第11話 完

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