2011年2月10日
功一、真優、のぞみのバレンタインのお話です。
三部作 10、12、14日の更新です。
ではどうぞ。
「わぁ、カワイイチョコいっぱいだね?」
プレゼントの箱の形をしたチョコの上に、リボンの形のピンクのチョコが載っててとってもカワイイ。そこら中ホンノリとあま~い香りが漂っていて、
・・・何となくお腹が空いてくる。
「あっちの生チョコ美味しそうだよ。」
真優ちゃんが指した方には、大人っぽい格好いい包装の箱が積み上げられていた。
でもな~、今日はそういうのじゃないんだよね~
だってそんなのじゃ普通でしょ?
目を横に移すと、二つ隣のショーケースの上に、カワイイやつがいた。
「わっ、ペンギンだペンギン。あれ誰かくれないかな~?」
近付いて見るとパンダやクマもある。
あ~カワイイ~!! 思わず目がキラキラしちゃう。
「何? いきなり友チョコ?」
真優がすぐそばに来て、ビニールの包装に挟まれたペンギン達を手にした。
「のぞみ、あのホテルの分くれたら私がこのペンギンあげるよ。」
「えー、どれどれ?」
「右から2つめ。」
真優が指したショーケースの奥には、紺色に白字でホテルの名前が書かれている。
光沢あるブロードの布が計算されたドレープを造り、その上にいかにも高そーな
きれいなチョコ達が、箱の中で整然と並んでいた。
そして、その前に値札のプレートが・・・
「って本当に高っ! 真優ちゃんずるいよそれ~っ!?」
五百円のチョコに、三千円返せって言うの?
真優ちゃんは吹き出して、他のチョコの方に行ってしまった。
今私達は、功くんを驚かせるものを探して、駅のショッピングセンターの
バレンタインコーナーを見てるの。
普通にチョコ渡してもつまんないし、高いのは買えないし、安っぽいのもヤだし。
これがなかなか難しいのだ。
私はついカワイイものばっかり見ちゃって、全然ダメ。真優ちゃんは本命系のばっかり見てるし。・・・何か面白そうなのってないのかなぁ?
こんなんじゃ、功くん驚いてくれないよ~???
全部のショーケース見て、色々お店も回って、食品売り場のお菓子売り場まで見たけど、結局これっていう物が見つからず、私達はガッカリした気分で店を後にしたのだった。
どうしようかな・・・チョコレート、バレンタイン、んー、功ちゃんに何あげたらいいんだろう?
色々見たけど、本命・・・は何か恥ずかしいな。
だからってのぞみみたいにペンギンっていうのも違うし・・・ここは手作り?
・・・いや、それは本命より恥ずかしいや。
「あーもうっ!」
「どしたの?」
いいアイディアが思い浮かばずイライラしてつい声を出したら、
お母さんが返事をした。
「っ!?」
「ねぇ真優? 何さっきから百面相してるの?」
リビングにいた事を忘れて、考え事に没頭していた。
ソファの前の電気カーペットの上に直接座り、ミカンを剥きながら不思議そうな目を向ける母に言う台詞はこれしかない。
「あ・・・ううん、何でもない。」
最初は山のように積んであったミカンが半分ほどになり、代わりに中身の無くなった抜け殻だけが別に詰まれて小高い山になっている。
「そう?」
と、答える母がこれを食べているあいだ中、ずーっと私は観察されていたのだろうか? 恥ずかしくて顔から火が出そうなんだけど・・・
母の視線から逃げるすべを探して頭をフル回転していると、急に電話が鳴った。
「やぁん、手黄色くなってるのに・・・」
母がそうこぼして電話に向かい、そしてすぐに私を呼んだ。
「真優~、のぞみちゃんからよ。」
分かれてからまだ1時間も過ぎていない。一体何の用だろう? わざわざ電話してくるって事は明日まで待てない何かがあるって事なんだろうな、
「もしもし、どしたの?」
「あー真優ちゃん、あのね、あのね、いいもの見つけたの!」
「はい?」
「バレンタインはこれで決まりだよ!!」
のぞみは、新聞の折り込み広告で面白い物を見つけた事、そして、バレンタインのプラン案を勢い込んで話し始めた。
こういうのは、こうやってあれこれ悩むのが楽しいんですが、
なかなか決まりません。




