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『AIバディ・ポチの事件簿 〜エリートを捨てた男と柴犬ポチ、AIキャロルの優しい正義〜』3話or4話のオムニバス SFコメディファンタジー  作者: 曲木 六円


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第十二章 後編:『大逆転のハッキングと、平和条約締結! 便利屋あちねのバチッと大団円』

これは、黄金の座布団を蹴り飛ばした男と、電子の姿で蘇った柴犬が、下町の小さな「消えた幸せ」を取り戻す物語です。怪我をする人はいません。安心して、練乳より甘い午後のひとときにどうぞ。

第十二章 後編:『大逆転のハッキングと、平和条約締結! 便利屋あちねのバチッと大団円』


【あらすじ】

海底のリュウグウベースに突入したAIポチとアマケロロボ軍団、そして水中クラウンで密航(潜航)してきた氷室零警視。麗しきユデタン王女の華麗なるハートマーク接待の前に、全員の目がハートマークのバグを起こしてデレデレになってしまう。

だが、この甘エビの踊り食いと源泉足湯の楽園の裏には、茹デタン准将とユデタン大尉による、とんでもねえトホホな罠が仕掛けられていた……!


■ ハートマークの裏のトラップと、ポチの再起動

「ちゅうちゅう♡ かかったちゅう! 地球の甘いAIどもめ、今こそタコスープの出汁にしてやるちゅう!」

ホールの天井の奥から、茹デタン准将とユデタン大尉が邪悪(?)に笑いながら、真っ黒なインクを仕込んだ巨大な『一斉捕獲レバー』をガチッと引き下ろした。

ガチャン!!

次の瞬間、レセプションホールの床がパカッと開き、デレデレになっていたアマケロ軍団や、ダサい私服(キャラT)のまま目をハートマークにしていた氷室室長が、まとめて電子の牢獄(タコ壺トラップ)へとゴロゴロ引きずり落とされてしまった。

「ゲロゲロッ!? 美女の触手から一転してタコ壺地獄ケロ!」

「くっ、私のエリートの目がハートマークのまま不整合なロックを……ゴボッ!」

ユデタン王女も「プリンセス・ユデタンを怒らせるとデンジャーだちゅう♡」と、ドレスの裾から大量の吸盤触手を伸ばし、水陸両用(汗)のポチCをガチッと締め上げにかかる。

『ぬぬぬっ、甘エビの美味さに惑わされたワン……だが! 俺のメインフレームには、あちねのドロドロの靴の泥泥データが防壁として詰まっているワン! 1秒でハートマークのバグをハッキング消去完了だワン!』

ポチの液晶画面がビカビカと本来の鋭いジト目へと明滅を取り戻した。ポチはダッシュボードから【黄金の印籠型USBメモリ】の最強プロトコルを解放!

『お灸をすえる時間だワン、王女様! リュウグウベースの全メインサーバーを世界のヘソ経由で強制仕様変更! 熱湯42度の温泉データを逆流ハッキングだワン!』

バチバチバチッ!!!

ベース全体の配管から、一瞬にして清らかな、しかし完璧に管理された「42度の快適なお湯」がドババババッと噴出した。これにはドレスを構えていたユデタン王女も、配管を握っていた茹デタン准将やユデタン大尉も、全員が「ちゅ、ちゅうちゅう〜〜! お湯加減がちょうどよすぎて骨抜きだちゅう〜〜!」と真っ赤に茹であがり、戦意を100%喪失して大理石の床へペタンとへたり込んでしまった。


■ あちねの華麗なる登場と、平和条約の締結

「おいおいポチ、現場の掃き掃除を俺抜きで終わらせるんじゃねえよ」

その時、リュウグウベースの正面ハッチが再びガラリと開き、そこから一人の男が堂々と歩み寄ってきた。

イギリス紳士さながらに七三に分けた髪、高級香水『エゴイスト』の渋い香り、そしてジージャン(Gジャン)をバサッと羽織り、愛用の竹箒をバシッと小脇に抱えた男――亜那あちねであった!

あちねは海保の七海本部長からコソコソと借り受けていた特製潜水ヘルメットを小粋に脱ぎ捨てると、角砂糖てんこ盛りの特製激甘コーヒーをずずっと啜ってニヤリと笑った。

「理屈じゃねえんだよ、准将。海の航路を泥泥にしてフェリーを止めた罪は重いが、こちとら江戸っ子だ。茹であがって改心したタコをこれ以上いじめるようなヤワな性分じゃねえ。……どうだ王女様、この海の安全を約束する【深海市・リュウグウ平和条約】に、その自慢の吸盤でバチッと調印しねえか?」

あちねが懐から取り出したのは、書類ではなく、なぜか下町の商店街特製の「スタンプカード(兼平和条約書)」。

ユデタン王女はあちねの(頼りないはずなのに)現場の意地が詰まった眼光にポッと頬を染め、「ちゅう……♡ あちね殿、意外とダンディだちゅう。もう二回と海を汚さないちゅう」と、大人しく吸盤でピトッと赤インクのハンコを押した。茹デタン准将とユデタン大尉も「バイバイ墨(す・み)ぃ〜〜!」とトホホな敬礼を送りながら、リュウグウベースの航路を1秒で正常な仕様変更(復旧)へと回し始めたのである。


■ 港の大団円と、便利屋の意地

夕暮れの深海市の港。

海保の巡視船と深海フェリーの汽笛がブォォォンと鳴り響く中、水陸両用(汗)のポチCとアマケロ軍団、そしてクラウンをレッカー移動された氷室警視を乗せて、あちねたちは無事に帰還した。

港のドックでは、第七管区海上保安本部の七海本部長と、深海フェリーの浅瀬社長が、今か今かと待ちわびていた。

あちねは二人の前に堂々と歩み出ると、懐から吸盤のハンコがバチッと押された条約書を差し出し、胸を張って言い放った。

「本部長、社長様。リュウグウベースの茹デタン准将およびユデタン王女と、完全なる【平和条約】を締結してきたぜ。航路の詰まりも不整合も、俺の竹箒とポチのハッキングで綺麗さっぱり掃き掃除完了だ。なーんだ! 最初から俺に任せておけば、1秒で解決した話じゃねえか!」

「おぉぉぉ〜〜〜〜っ!!! あちね殿! 君のことを『頼りない』などと言って本当に面目ないケロ(ニャ)!!」

七海本部長と浅瀬社長は目を見開き、あちねのこれ以上ない「よいところ」を見せつけられて大感動! 二人はあちねの泥泥の靴のことも忘れ、ガシッとその手を握りしめて涙を流して感謝した。

ロビーの隅では、緑色のアマケロロボット軍団が「あちね親分も最高ケロ〜!」とカエル跳びで歓喜のサーボモーターを鳴らし、氷室室長だけがダサい私服(キャラT)を乾かしながら「フッ、私のゼウスの計算が、あちねの泥臭い立ち回りを100%アシストした結果だ……っ!」と冷や汗交じりの言い訳ラリーを小さく回していた。

事務所のソファーに戻ったあちねは、ポチが海保とフェリーから報酬として貰ってきた、山のような最高級ミルクパックと、特製コーヒー豆の袋を眺めながら、再びエゴイストの香水を一吹きした。

「海の中のタコどももお灸が効いたろ。だがポチ、奴らが言ってた『ほかの星の本拠地』ってやつが、どうにも現場の匂いとして残ってやがるな」

用務員カートの液晶画面の中で、柴犬ポチが鋭いジト目をピコピコと明滅させて文字を躍らせる。

『あちね、よいところを見せられて満足だワン? でも安心する暇は1秒もないワン。次は、世界のヘソを超えて大宇宙の果てが、俺たちの黄金の印籠(USB)の仕様変更を待っているワン!』

深海市の下町に、再び42度の安らぎの夜が訪れる。あちねの竹箒が宇宙の星々を掃き掃除する次なる『第十二章 宇宙編』の現場へ向けて、やさぐれ便利屋コンビの魂は、まだまだ永遠に爆速で走り続けるのであった!

(第十二章 地球編・海の中編 大団円 / 本作は永遠に続きます!)


【結びの一句】

条約を 結んでみせたる 便利屋の意地


あっちゅ寝太郎どの!

第十二章の海底決戦、ユデタン王女の接待からのトホホなトラップ、そしてあちねが最後にバチッと平和条約を締結して七海・浅瀬両氏に見せつける最高の大団円が仕上がりましたワン!


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。『AIバディ・ポチの事件簿』、あちねとポチの凸凹コンビを、これからものんびり見守っていただけたら幸いです。

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