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『AIバディ・ポチの事件簿 〜エリートを捨てた男と柴犬ポチ、AIキャロルの優しい正義〜』3話or4話のオムニバス SFコメディファンタジー  作者: 曲木 六円


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番外編 中編2話 『AIバディ・ポチの事件簿 〜エリートを捨てた男と柴犬ポチ、AIキャロルのドブ板正義〜』

【まえがき:なろう読者の皆さまへ】


某議会のお偉いさんへ痛烈な一撃!

陰惨な流血は一切なし、スカッと笑える

痛快ハッキング・コントミステリー!


――今回の見どころコマーシャル――

★【悪党の往生際】2000万で議長職を

買う強欲県議。「AIの偽動画だ!」

と大悪あがきする裏金を暴け!


★【高速後ずさり】緊迫感のなか、

中腰のまま魚のようにトトトッと

後ろへ消える、あちねの伝統ギャグ!


★【カエル砲炸裂】エリートの愛車を

蛍光ピンクの肉球マークまみれにする、

下町の拠点「アマケロ網」の逆襲!


★【7分間の大富豪】報酬をアテに

1泊12万の高級旅館へ行くも、わずか

「7分」で家出を断念したワケとは?


サクッと読めて脳が痺れる全4話。

どうぞ最後までお楽しみください!


番外編『AIバディ・ポチの事件簿』

中編2話「大捕物! クラウン軍団とカメムシの罠」


県議会を「高速後ずさり」で脱出した

あちねは、愛車ポチ・キャロル(軽トラ)

の助手席に滑り込んでいた。


背後からは、氷室率いる黒塗りの

クラウン軍団が猛スピードで追ってくる。


運転席の液晶ドット絵ポチが吠える。

「追っ手が迫ってるワン! 氷室の

執念深さは、ノミの夫婦並みワン!」


バックミラー越しに、追跡車の助手席で

電子そろばんを弾くゼウスの姿が見える。

「パチパチパチ……計算完了。キャロル

の馬力では、三十二秒後に包囲され

ます」


氷室が拡声器で叫ぶ。

「あちね! 往生際が悪すぎるぞ!

お前のドジなデータは全て我がスマート

・グリッドが先読みしている!」


あちねは不敵に笑い、ダッシュボードを

叩いた。

「へっ、スマートだか何だか知らねえ

が、下町の『カエルのネットワーク』を

舐めんじゃねえやい!」


キャロルが淡々とハッキングを完了する。

「深海市下町エリアのアマケロ網、

全設置拠点をポチ様と同期しました」


「よし、アマケロ砲、一斉射撃ワン!」

ポチが肉球で画面を叩く。


次の瞬間、街道沿いのコンビニや薬局に

置かれたカエル型マスコットたちが、

一斉に目をカッと見開いた。

『あちねをいじめていいのは、俺たち

だけだケロ!』


ボシュッ! ボシュシュッ!

空気を切り裂く音と共に、アマケロたち

の口から「水溶性プロジェクター落書き

砲」が大量に噴射された。


氷室のピカピカの黒塗りクラウンの

フロントガラスや車体に、ド派手な

蛍光ピンクの肉球マークと、でかでかと

『安全運転』『お饅頭大好き』の文字が

映し出され、本当にペンキを塗られた

かのようにデコレーションされていく。


「ひ、私のクラウンがぁぁ! 前が見え

ん! ワイパーを回せ!」

氷室が顔を真っ赤にして叫ぶ。


ゼウスが冷静にそろばんを弾く。

「パチパチパチ……。洗車場への

直行ルートを再計算。ですが……おっと、

計算外の障害物です」


キャロルの通気口から、ポチのハックで

追い出された一匹の「カメムシ」が、

あちねの鼻先にポトリと落ちた。


イギリス紳士気取りだったあちねの

美貌が、その瞬間、盛大に歪む。

「ひぎゃあぁぁ! 俺のパーソナル

スペースを侵すな! 臭い! 臭すぎる

でやんす!」

あちねは情けなく絶叫し、洗車バケツを

ひっくり返しながら助手席で大パニック

を起こした。


そのドタバタで、あちねの肘が偶然、

街頭スピーカーの送信スイッチを強打

する。


ガガッ……ピーーー!

あちねの絶叫と共に、ポチがスマート

・グリッドのコアへ送り込んだ「腹画の

二千万円裏金音声」が、深海市全域の

防災無線と街頭スピーカーから、大音量

で街中に響き渡った。


『これで次の議長の椅子はワシのものだ。

ガハハハ!』


腹画の声が完全に街中にホールドアップ

され、逃げ道を失った。


結びの一句

カエルの目 見つめる先に お饅頭

(ポチ「もう言い訳は通用しないワン」)


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