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『AIバディ・ポチの事件簿 〜エリートを捨てた男と柴犬ポチ、AIキャロルの優しい正義〜』3話or4話のオムニバス SFコメディファンタジー  作者: 曲木 六円


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19/65

番外編 中編1話『AIバディ・ポチの事件簿 〜エリートを捨てた男と柴犬ポチ、AIキャロルのドブ板正義〜』

【まえがき:なろう読者の皆さまへ】


某議会のお偉いさんへ痛烈な一撃!

陰惨な流血は一切なし、スカッと笑える

痛快ハッキング・コントミステリー!


――今回の見どころコマーシャル――

★【悪党の往生際】2000万で議長職を

買う強欲県議。「AIの偽動画だ!」

と大悪あがきする裏金を暴け!


★【高速後ずさり】緊迫感のなか、

中腰のまま魚のようにトトトッと

後ろへ消える、あちねの伝統ギャグ!


★【カエル砲炸裂】エリートの愛車を

蛍光ピンクの肉球マークまみれにする、

下町の拠点「アマケロ網」の逆襲!


★【7分間の大富豪】報酬をアテに

1泊12万の高級旅館へ行くも、わずか

「7分」で家出を断念したワケとは?


サクッと読めて脳が痺れる全4話。

どうぞ最後までお楽しみください!


(中編 1話・モニターに動画が流れた直後から)


議会中が蜂の巣をつついたような

大騒ぎになる。


しかし、腹画は脂汗をだくだくと

流しながら、マイクを掴んで怒鳴った。

「違う! これは私ではない! 顔のよく

似た、お饅頭の好きな別人であります!

あるいは、高度な『えーあい』の

偽動画だ!」


「往生際が絶望的に悪いワン。言い訳の

打率がゼロ分零厘ワン」

ポチが呆れ果てる。


氷室も顔を真っ赤にして叫ぶ。

「そうだ! 我がスマート・グリッドが、

この動画が本物だという論理的証拠を

検知するまでは、押収が先決だ!」


ゼウスがそろばんを猛スピードで弾く。

「パチパチパチ……。腹画氏の言い訳が

世間に通用する確率、〇%。ですが、

警察権力で揉み消せる確率、八十二%

と出ました」


あちねは冷ややかな目で腹画を睨み、

プロフィール一覧をひらひらと振った。

「だったら最初から、比べやすい、嘘の

つけねえプロフィールを出しときゃいい。

それだけで、こんな空騒ぎも起きねえ

んだよ。……おいポチ、キャロル」


「了解ワン。お次はお望みの『論理的

証拠』を、街中のカエルの目から

叩き込んでやるワン!」

『あちねをいじめていいのは、俺たち

だけだケロ』

部屋の隅のアマケロが不敵に目を光らせ、

さらなるハッキング網が深海市の

全インフラへ広がり始める――!


氷室がうろたえる。

「な、何を企んでいる、あちね!」


ここで、あちねはスッと真剣な表情に

なり、手を太ももに添えた。中腰になり、

深く畏敬の念を込めて会釈(揖)を

する。


(おっ、降伏するかワン?)

ポチが思った瞬間――。


あちねは、その美しい中腰の姿勢を

微動だに保ったまま、足元だけを

サカナの尾ひれのように

『トトトトトッ』

と小刻みに動かし、猛烈なスピードで

後ずさりして部屋から脱出した。


「なっ……なんだその動きは!? 追え、

ゼウス!」

「計算外の軌道です! 視界から

フェードアウトしました!」


悪党どもの大混乱を置き去りに、事件の

決着は、街中を巻き込んだアマケロ砲の

大炸裂へと続く!


結びの一句

履歴書は なくとも闇は 隠せまい

(ポチ「お天道様は見ているワン」)


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