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海のように深く  作者: 心雨
第10章
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別れを言った

8月末に、静香は飛行機に乗って、バンクーバーへ飛びました。コロナから回復したばかりですので、体はまだ弱いでした。9時間の飛行時間も結構疲れました。でも、バンクーバー国際空港に降りた時、到着ロビーに着くと伯母夫婦と従弟がすでに迎えに来て、笑って手を振っていました。この一瞬、疲れがすべて吹き飛んで、静香もすぐ燦爛な笑顔になりました。やはり、家族って最高。

従弟はすでに旅行の計画を練って、休暇も取りました。翌日、家族4人は車でバンクーバー島に行きました。バンクーバー島は名前通り、バンクーバー地域の隣の島です。トフィーノはこの島の西海岸に位置しています。有名なのは長さ30キロの長い白浜です。サーフィンの天国とも言われていました。海岸の所にリゾートホテルが何軒も立ち並んで、夏の休暇聖地でした。

家族4人は4泊5日の宿泊を予定しました。日頃の仕事から解放され、青い空、青い海、それに白い砂浜、さらにお母さん同様な伯母が傍にいて、兄弟同様な従弟がいて、静香はようやく心が穏やかになり、のんびり過ごしました。そんな中、静香も亮を忘れなく、毎日健とメールでやり取りをしていました。健の話よれば、亮は元気にしていると聞くと、静香も安心して、このつかの間の幸せを噛みしめました。

休暇の中、静香は再び高橋先生との関係を振り返しました。この2年半、高橋先生にはとてもお世話になっていました。高橋先生も自分の人生の中に大事なひとになりました。でも、高橋先生はいつも適度な距離感を取っていました。時々静香は近づけようとすると高橋先生はすぐ離れて行き、二人の間には越えない広い溝があります。やはり自分の片思いですか、そうならば、潔い別れを言おう。そう考えると静香は半分怒りで一通のメールを送りました。

「高橋先生

カナダのバンクーバーに来ています。

きれいな空、きれいな海、きれいな都市。心が洗われました。

亮は元気そうです。

先生にも幸せになってほしいです。

仕事が大変ですけど、ご自愛ください。BYE」


カナダの休暇はすぐ過ぎました。日本に帰ると、すぐ忙しい仕事が始まりました。2週間も院長が不在でしたから、仕事がいっぱい溜まっていて、静香は毎日仕事に追われました。

日本に帰っても、静香はできるだけ高橋先生を忘れようと努力しました。でも、忘れようとすればするほど高橋先生が静香の頭中に占拠して、時々浮かび上がりました。自分はやはり先生が忘れられない、理性に考えれば、早くこの泥沼から出たいですけど、でも自分の心の底には高橋先生は依然として深く刻まれていて、なかなか消えません。

静香は自分の気持ちがよく分かっていません。森田先生は自分を大事にしているのに、なぜ心がそんなに高橋先生に傾くのか。彼女の心の中に、多分自分の手に入らない高橋先生に対して一種の執念があると考えます。だから、彼女は高橋先生にメールこそ送らないですが、でも高橋先生に対する感情は全く変わっていませんでした。


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