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海のように深く  作者: 心雨
第8章
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クラスターになった

亮はまあまあ元気でした。毎週決まった時間に高橋先生とゼミをしていました。また時々食事後皿洗いを手伝ってくれました。その時に静香はいつも昔の亮を思い出す、あの時の亮はとても優しく、親思いの子でした。いつか亮は昔の亮に戻るでしょう、彼女はずっとこの日を待ち続いていました。

 そんな時、クリニックにコロナ患者が出ました。最初は一人、次の日はいきなり三人、その次の日はさらに一人の陽性者が出ました。3日間一気に5人の感染者が出て、クラスターになりました。最初の三人は隣ベッドで透析していましたので、感染するのは想像できますが、最後の一人は全然違う時間帯、違う場所で透析していて、どこで感染したか全く分かりません。立て続く感染者出ると、静香は潜在的感染者を探すため、全員PCR検査すると決定しました。

140人がいる透析クリニックですので、PCRの検査は結構大掛かりでした。本部から看護婦を派遣されて、静香も加わって透析前に全員検査しました。PCR検査する時、患者は反射的咳をするので、静香たちは防護服を着て、手袋をはめて、フェースシールドをして、さらにN95のマスクを着けて、一人ひとり患者の鼻の奥の検体を採取していました。7月ですので、天気が結構熱くなり、防護服を着ると汗はじわり出て、とても蒸し暑いです。またN95マスクは密閉度がとても高く、息をするときはとても大変で窒息になりそうでした、フェースシールドは鼻からの熱気に蒸れて、あまりはっきり前方が見えません。そんな条件の下で、静香は必死に格闘して、ようやく140人の患者のPCR検査を完成しました。

 ニュースの中に東京都内コロナの第五波が流行して、横浜もすでに感染の流行に入り、140人の患者さんのPCRの中にさらに4人の陽性患者が出ました。また職員の中にも一人陽性者が出て、総数10名の患者がコロナ陽性になりました。

あまりの勢いで、静香は茫然としていました。感染は続いている中、全員の透析をしなければなりません。毎日透析患者が帰宅後、夜11時ごろ、事務長たちは残って、透析室全体に煙幕消毒を行いました。また、本来大学病院から派遣されたバイトの医者でも、感染は爆発的蔓延するとき来院できず、静香は自分で代わりに出勤しなければなれません。

透析室の中にすでに戦場と化しました。あまりにも集中的に感染者が爆発的に増えましたので、一時的に入院することができない患者が出て、狭い透析室には感染者と未感染の患者は一緒に透析することがあり、隔離するため、一部の透析ベッドの周囲にプラスチックの囲いを作って、完全ではないが、隔離部屋を作りました。

 ただ、コロナ感染した患者さんは発熱などの症状が出る前から、コロナウイルスがすでに咳やくしゃみの中に出現していましたので、PCRしても翌日結果はようやく出るので、これで時間差ができて、まだ診断が確定する前にすでにほかの患者に感染するので、静香のクリニックはその後もしばらくの間感染が続いていました。


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