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海のように深く  作者: 心雨
第7章
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ワクチンバイトは大変だ

静香のクリニックがコロナの予防注射が開始してまもなく、市中の大規模予防接種が開始しました。都内と神奈川県、千葉県、埼玉県などは次から次に大きな予防接種のセンターができて、菅首相は一日100万回の予防接種を目標に掲げました。従い、大量の医師、看護師が必要で、インターネットで大規模な募集が出ていました。ただ、人が集まるところ、感染のリスクも上がるので、最初の頃はみんなに敬遠されました。その中、静香は土日休みの時間を利用して、予防接種の仕事に応募しました。

 仕事場所は相模原市でした、静香の自宅よりとても遠い所でした、行くには最初バスで横浜駅に行き、その後横浜線に乗り換え、下車するとさらに15分歩くとようやく到着します。大規模の接種センターは大体公民館や体育館など公共施設を利用されていました、職員は大量の看護婦、案内係、受付人、事務管理人、後は何人かの医師により編成され、それと大量の接種希望者を加えて大変混雑していました。

 静香は30分前に現場に到着しました。初めてですので、事務管理者からネームカードを受け取り、持参の白衣を羽織り、簡単な説明を受けた後、すぐ自分のブースに入り、仕事を開始しました。予防接種の適応は高齢者に拡大したばかりですので、予防接種の希望者は大勢に殺到して、診察室の外で長い列になっていました。この日8時間の診察の中に、静香は200人ほどの人を問診しました。終わる頃に天気も暗くなり、自身もとても疲れました。仕事が終わり、家に帰るのもまだ1時間半ぐらいの電車とバスを乗らなければなりません。家に着いた時、既にクタクタになりました。それに翌日も同じで、二日目の仕事が終わるとさすかに疲弊しました。

 その何日後の夜、静香は高橋先生にメールを送りました。

「高橋先生

 先生は最近どうですか?仕事は?コロナのワクチンは大学でも開始されていましたか?

 実はこの土日曜日に連続2日間接種センターでコロナワクチン予防接種のアルバイトをしました。1日約200名の年配の方を問診して、予防接種の可否を判断して、副作用の有無について注意して観察しました。1日目はまだ大丈夫でしたが、2日目はかなりしんどくて、必死に頑張って、何とか終わりました。本当に疲れて、めまいが起こしてふらふらになりました。それでもそうですが、8時間ずっとしゃべりぱっなし、同じ質問を繰り返し、水飲むもトイレ行く暇すらありませんでした。日本の一日100万回の予防接種はこんな医者の努力の上に成り立っていました。看護婦さんに先生またいつか来ますかと聞かれて、悪いですけどもうクタクタで当分の間来ないだろうと答えました。そんなのを長期化すれば、多分医者が疲れて、長く続けないと考えました。今日は木曜なのにまだ体力は回復していません。

 自分のクリニックの仕事なら、自分裁量で仕事したり、休んだり、自分はコントロールができるけど、予防接種なら、たくさんの人が待っているので、休みもできません。ただ、年配の先生がいて、終わる頃は元気そうでしたから、私だけ疲れているじゃないですかと思います。

 今は緊急事態ですから、わがままは言えないと思います。来月体調が回復すれば、またアルバイトに行くと考えます。先生も体に気を付けてください、早くワクチンを打てばいいですね。」

 高橋先生のメールがすぐ返されました。

 「陳様

 お医者様としてのご様子を伺い、頭が下がります。どうかお身体を大事になさってください。

 実は、明日の亮君とのゼミは私の都合でお休み、この前の月曜に済ませております。第2章がちょうど終わり、来週の金曜から第3章に入ります。

 簡単ですがご連絡まで」

 静香もすぐ返事をしました。

「高橋先生

 先生も亮のために、時間を取ってくれて、無償でゼミをしていました、こちらこそ頭が下がります。亮は最近調子が良いみたいです、皿洗いも手伝いしています。元の亮に戻ってくるかなと淡い希望を抱いています。もちろん焦りはしないつもりです。

 最近私の気持ちも落ち着き、平和な日々を淡々と過ごしています、これは一番です。」


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