卒業式には・・・それでも大丈夫と装いた
次の何日間、静香はじっと亮の様子を見ていました。亮は表面上何も変わらない様子で、相談もありませんでした。静香はだんだん焦りが出てきました、でも彼女はぐっと我慢して、何も言いませんでした。
卒業式の3日前、静香は高橋先生あてにメールを送りました。
「高橋先生
先生は今日も仕事が忙しいですか?夜遅くまで仕事をしますか?卒業が近づいているので、多分仕事も忙しいでしょう。
亮はまだ先生に返答をしていないですか?私の所もまだ相談してきていません。静かに亮の意志を尊重して、待っています。
2日前に私の患者は亡くなりました、発見時はすでに膵臓がんステージⅣでした。でも早かった、入院して亡くなるまで2か月でした。時々先生の仕事がうらやましいです。なぜなら、いつも若くて、生き生きの学生と接触して、希望に満ち溢れています。反対に私はいつも病気で瀕死になっている年配の方と接触して、無謀な戦いをしています。医者の仕事は感情が入ると大変です、大部分の場合、感情を抑えています、それで人の生死について冷静になれます。
亮のことについても冷静に対応していきたいです」
亮の大学院進学の件について、静香は健にも話をしました。健も賛成していました。彼は彼のできる限り亮を支えていました。毎日亮のためにおいしいごはんを作っていました。毎回メニューを変えて、亮が普段大好きな料理を毎日準備していました。時々亮は食べなくても、めげず作り続けていました。静香は大学院生の話をすると、健も喜んでくれました。でも健も言いました、すべては亮に決めてもらってください。また、この1年、静香も大変疲れたので、「一度温泉旅行に行ってきませんか?」「あなたの友達と一緒に行ってくれば」と健は勧めてくれました。「そうですね、友達と相談します」静香は答えました。
いよいよ卒業式の朝が来ました。静香は大きな期待を抱いて、亮の行動を見ていました。でも亮は何も行動が起こさなかったです。そろそろ正午になり、卒業式の開始時間が迫っていたのに、亮はずっと自室にこもりました、我慢できなくて静香は慎重に亮に声を掛けました
「亮、今日卒業式ですね、行かないですか?」
「・・・」亮は何も言わず、ただ表情はとても悲しかったです。
静香は心がとても痛いです。何も言わず、彼女はそーとドアを閉めて、階段を下りました。階下に健と会いました、二人とも悲しい表情で無言のままでした。
二日後静香はようやく自分の心情が整理できて、高橋先生にメールを送りました。
「高橋先生
とても残念ですが、亮は卒業式に出席できませんでした。どうして行かないのと聞きましたが、悲しい表情でした。それ以上亮を責めませんでした。やはり亮はまだ回復になるのがほど遠いですね。それに院生のことそんなに迷うなら、実際は院生になりたくなく、ただ先生に言いづらいかもしれません。
時々怖いです、ふっとした時にもしかして亮はずっと家に引きこもりするかもしれないと考えます。できる限りこの考えを抑えていましたが、時々頭に浮かんできます。
亮をずっと見捨てないと決まっていますが、時々私自身は誰かに守ってほしいです。仕事が順調ですし、透析グループ中の立場も安泰ですけど、なんといても、厳しい医者の世界です。ただ、表面上はいつも大丈夫ですよ、私に任せてくださいと振舞いしています。
院生のこと、我慢して、亮に聞かないようにします。」




