とうとう先生は動いた
3月中旬、夜中12時ごろ高橋先生から1つのメールが来ました。
「陳様
いろいろ片付けなければならない業務がありましたもので、大変夜遅くにすみません。お母様として、この3月の終わりは亮君の今後のことがあるのでご心配であろうと思いましたので、早めに連絡をいたします。
まず、昨日(金曜日)のゼミで、初めて亮君と今後のことについて話をしました。そして私からは、もし亮君がその気になるなら、大学院のことも考えてみてほしいと提案しています。ただし、すぐには返事ができないであろうし、ご両親と話合う必要もあるだろうから、今日は返事をしなくてもいいと伝えてあります。また、来週以後に私からこの事を再び訪ねてもいいと了解を取っています。
一点心配なのは、この事をきっかけに亮君の調子がまた悪くならないだろうかと言うことで、もし調子がわるそうでしたら、何も言わずに見守ってあげていただけますか。
さて、大学院の進学のことですが、3点を伝えすることがあります。一つ目は、手続きのことで、もし亮君が大学院に進みたいとするなら、現在の3年生と同じタイミングで4月20日ごろ〆切の手続きを行うことになります。推薦の権利は卒業後2年間あるので、私が推薦すれば亮君は来年4月から大学院修士課程に進めます。そうなると、この4月からの1年間は所属がないまま過ごすことになります(この4月からの推薦入学の申し込みは約1年前に既に終わっているので)。
亮君が大学の普通の就職の流れに乗りたいなら、私の感触では、この1年間万全を期して休むのがいいと思います。もちろん研究室所属のメンバーとして週に一度は亮君とゼミを1年間続けます。そして、来年4月に修士1年生になり、その時の冬(つまり来年の冬)に就職活動を始めるのがいいではないかと思っています。コロナも少しは落ち着いていて、いつもの就職活動が再開するのではと思います。なお、履歴書上で1年間のブランクがあることは就職活動にはあまり影響しません。
二つ目は、では亮君は大学院に進める実力があるかどうかです。これについては、大丈夫です。十分な実力があるというわけではありませんが、私も過去に100人程度の修士生を出しており、いろいろな学生さんとお付き合いもありますので、今回の卒論と同様にじっくり指導を行えば、修士卒は可能であると思います、亮君の頑張り次第ですが、精神的に追い詰めることの無いよう気を付けて指導します。
三つ目は、大学院進学は亮君にとっていいことかどうかです。お母様から提案いただきまして、私もよく考えてみましたが、大学院でゆっくり過ごせるのは、精神的なケアと言う意味で大変よく、履歴書の点でも悪いことではないので、いいと思います。また、もしこの3月で卒業して大学を離れると、世間一般の就職の流れに乗れないので、ただでさえ難しい自立をしなくてはならず、亮君にはハードルが上がってしまうのではないかと思います。私もお母様の大学院進学の考えには賛成いたします。
以上ですが、本件については、どうか亮君の意思を尊重してあげてくださいますか。私からは、このことは君の考え次第であって、私はこうしなさいとは決して言うつもりはないと伝えてあります。ゆっくり考えて結論を出してくださいとも伝えてありますので、お母様には歯がゆいことかもしれませんが、もうしばらく何も言わず見守っていただけたらと勝手ながら思います。
よろしくお願いします。」
静香はこのメールを繰り返し読みました。高橋先生の考えは正しいと静香自身も思いました。亮は卒業してもすぐ就職ができなくて、むしろ1年休んで、来年大学院に進めて、就職活動の流れに乗った方がいいと正直それ以上適切のプランがないと思います。それに高橋先生も院生の勉強をじっくり指導していくと保証もかけていて、100%の安心ができます。ただ、亮自身はどういう考えているでしょうか、亮は本当に修士課程に進むかどうか静香は予測ができません。また高橋先生の言った通り、今回はもう完全に亮の意志によって決まって、静香は一言も出したくはありません。




