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海のように深く  作者: 心雨
第4章
23/75

失言してすみません

翌日、高橋先生からメールが返されました。

「陳様

クリニックでのコロナ対応は大変ですね、ご苦労を察し申しあげます。

亮君は11日お休みとなりましたが、18日に元気にゼミを行いました。卒業論文は8割ぐらい完成しております、今は文章の校正段階を進めており、ちゃんとした形でまとまりそうです。数学科の学生として問題のないレベルです。

お母様のご心配、親としてお気持ちは十分察し致します。理屈では、少し離れて見守るのがいいとはお分かりでしょうが、お気持ちの上ではなかなかそう行かないと思います。

18日ゼミが終わった後に、卒業後はどうされるつもりか、ほんのちょっと伺いました、かなり慎重に考えながら返事を迷われていましたが、まだ結論が出ないということです。どうしなさいと特に言わず、時間がかかるかもしれないけど、元気になるといいね、とにかく身心を休めるのが今は肝心ですねと伝えました。また、趣味で作成されている3Dモデルのマーケット?フェア?が19日あたりからオープンされるようで、そこは楽しみにしているご様子でした。

御両親のご心配はもっともなのですが、亮君は時間をかけて気持ちを立て直し、自ら人生の選択をしていかなければなりません。ご両親のご心配は亮君にとってもちろんありがたいものですが、それを受け止める余裕はまだないようにも見えます。このことは彼自身の問題であってご両親でもそこに踏み込むことがなかなか難しく、見守ってあげることが大切かと思います。

また、お母様は後悔なさらないであげてくださいますか、若い亮君にとっては、再出発時にそこがスタート地点です。そこが後悔から始まらない様に、どうか前向きな気持ちで迎えてあげてくださいますよう願っております。」

高橋先生のメールを見て、静香はハッとしました。彼女は心底数学科を選んだのは大間違いとずっと思いました。でも、推薦の時、健は亮の意志も確認しましたし、亮は特に異議がありませんでした。それに今、高橋先生は一生懸命亮が卒業できるため指導しているところ、自分は後悔とかなんとかいろいろ文句を言うのは極めて失礼なことでした、静香は自身にとても恥ずかしく感じました。彼女はすぐ謝罪のメールを送りました。

「高橋先生

大変失礼しました。先生は一生懸命亮と私をサポートしていたのに、私はとんでもない話をしてしまいました。深く反省しています。私は数学が分からないですが、数学はいろいろ学問の基礎とは知っています、特に物理や哲学、亮が好きなコンピューターなど、また医学にも関わっています。この4年間勉強した知識、絶対亮の将来に影響すると信じています。再度申し訳ございません。

15年間、医者の世界に生きていました、医者以外は瀕死の患者さんでした、だから先生と会うのは意外でした、外の世界でも先生みたいな暖かい人がいました。私は先生に対して好奇心があり、もっと先生を知りたいと思いました。今はコロナで自粛していますが、コロナが落ち着きましたら、先生と会ってゆっくり話をしてもいいですか?先生はもしだめなら、それでいいです。亮に対して暖かく見守りたいです。彼は自分の道を見つかればいいですね」

その後静香は何日間高橋先生の返事を待っていましたが、返事が来ませんでした。静香は自分の言った通り、高橋先生の研究室に寄付を着手ました。彼女は大学のホームページを開けて、寄付のアイコンをクリックし、高橋先生の研究室を見つけました。そして10万円の寄付を申し込みました。寄付の理由を尋ねられたところ、先生の研究、先生の研究室の発展に対して微力を尽くしたいと書きました。それが終わった後、彼女はようやく心が軽くなりました。高橋先生の厚意に対してこれは彼女が唯一できる恩返しの方法でした。

寄付と言うことは静香として初めての経験でした。彼女は本当に寄付したお金は高橋先生の所に届くかどうかさえ不確定でした。でも、少し時間が立った後、高橋先生のメールが来ました。

「陳様

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

ご寄付を頂戴したとの知らせが大学から来ました。あまりお気遣いなさらないことを思いますが、せっかくのご厚意に心より感謝申し上げるとともに、学生たちのために大事に使わせていただきます。誠にありがとございます。

新年も亮君と卒論の完成に向けて頑張ります。」


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