表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新浜だより 行徳新聞掲載再録  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
PR
55/200

珍しいお客たち  1988年3月4日号掲載

新浜だより(行徳新聞再録) 1988年3月4日号掲載


   珍しいお客たち


 前号で「今年はスズガモがさっぱり入らない」と書いたら、記事が掲載されて間もない1月31日から、5千羽から最大4、5万羽のスズガモが入るようになった。ただし群の安定度はいまひとつで、いついなくなるかという落ちつかない状態。今日(2月11日)など、観察舎からはほとんどカモが見られないという情けないありさまだったのだが、夕方になるとちょうど死角にあたるUFO島の裏あたりから、次々にカモの群が飛び立って行った。もっとも明日は雪だというし、今冬の群れはもう見おさめになるのかしらん。

 さて、スズガモの大群を端から丹念に見て行くと、運がよければ(だいたい大群が見られればそれだけで運がよいことになるけど)純白とこげ茶、ベージュなどの配色も上品なコオリガモの雄が見つかることがある。10月末から時々見られているのだが、東北北部から北海道にしか見られない種類で、流氷のすきまでア、アオナ、アオナと鳴く声が、北の人々に春を告げると聞いたことがある。

保護区では8年前に記録されて以来ひさびさの渡来だ。もちろん1羽だけ。保護区にもっとも執着しているスズガモの群れと行動をともにしているらしく、大群が入ったとたんにまた姿を見せてくれた。

 これまたひさびさの登場はクロツラヘラサギ。長いおしゃもじのようなくちばしで、水をかきまわしては小魚をとる姿がなんともユーモラス。定期的な渡来地はなく、世界でもきわめて生息地が限られている珍鳥だ。旧館で野鳥観察舎がオープンした年には若鳥が一羽、一年半あまりも滞在したことがあったが、ここ数年来姿が見られていない。2月4、5日のみの記録。

 この何年か毎冬見られているオオハシシギが今年も一羽冬を越した。これもごく珍しい種類だが、マニアにしかあまり知られていない。

 きわめつけは、千葉県下では2回目の記録というシラガホオジロ。シベリアではごく普通の種類だが、日本への渡来は稀。古くなったお米やしいななどをいただいたので、保護区の中にまいておいたら、ホオジロやツグミなどが餌付いた。その中で、ひときわがつがつして、人をこわがらないのがこの鳥。2月7日から11日現在まで毎日見られている。まあ、それほどぱっとした鳥ではないのだが(注 このシラガホオジロは後に捕獲され、かご抜け―飼育されていたものが逃げた―であることがわかった)。

 こうして並べてみると、カモの少なさに泣いたこの冬も、保護区の面目丸つぶれにはならなかったのだろうか。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ