中間報告 1987年11月27日号掲載
新浜だより(行徳新聞再録) 1987年11月27日号掲載
中間報告
あーあ、やれやれ。やーっと中間報告を出し終えました。500万円の研究助成を受けて1年、トヨタ財団に提出する中間報告のこと。何しろ面白い結果がありすぎて、どれをとってどれを捨てるかが一番たいへん。それに、どうやったら誰が見てもわかりやすい結果報告になるかという点で、悩みぬいてしまった。ともかく提出してしまったのだから、あとは来年の本報告までひと安心。さて、そのうちのさわりを少しご紹介したい。
新しい池の方はいたって順調で、目下の問題は水がたまりすぎることだけ。浄化が進んだ水を何とかうまく池の外に導いて、湿地の改良や丸浜川の浄化に使えないかという計画を立てている最中。
何しろ、実験や調査をやっている本人たちが驚いてしまった。丸浜川は、これだけ汚れきったどぶ川だというのに、息を吹きかえしはじめている。たかだか1馬力の水車が3台まわっているだけなのに、まっ黒などぶくさい泥の中に、生物がじわじわとふえはじめた。もちろん、ユスリカやイトミミズといったきわめて汚れた水域の指標種に違いないが、ほとんど無生物状態だった去年とはうってかわって、今年は塩浜橋から上手の水底全部から生物が見つかるようになった。ただし、観察舎前の約一五〇メートルは別。わずか五〇センチほど他より深いだけで、完全な無生物状態になっている。
丸浜川のようにひどく汚れたどぶ川では、水深が深くなるとてきめんに汚れがひどくなる。たぶん、日光や酸素が届く限度と関連しているのだろうが、水位が最も低くなった時の水深が三〇センチのところを境として、水の汚れの指標となる硫化水素、COD(化学的酸素要求量)、アンモニアなどは一挙に数倍になる。つまり、三〇センチ以上の深さでは、川の汚れはひどくなる一方ということが言える。せっかくヘドロをしゅんせつしても、深くしてしまっては逆効果。おそらく手賀沼などでも同じことが言えるのではなかろうか。
水車をまわして八ヶ月、汚れきった深みのヘドロの中でもようやく好転のきざしが見えてきた。うるさいユスリカの蚊柱がたつのを喜んではいけないのかも知れないけれど、新しい池の成功以上に丸浜川の復活のきざしがうれしい。
今年もスズガモの大群が入るようになった。こちらの方も順調だとよいが。




