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新浜だより 行徳新聞掲載再録  作者: 蓮尾純子(はすおすみこ)
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池ができました  1987年10月2日号掲載

新浜だより(行徳新聞再録) 1987年10月2日号掲載


   池ができました


 待ちに待った「近郊緑地内行為許可」が出たのは、八月も半ばだった。二月十二日に最初の「近郊緑地内土地使用許可申請」を提出してからまる半年。繁殖期が終わり、カモの渡来に先立つちょうど都合のよい時期に、ぎりぎりで間に合ったというわけだ。

 さあ、それからのテンポの早さといったら、順を追って書くだけでも大変。それまで週末ごとに友の会のメンバーが池のりんかくを測量して草刈りをしたり、植生を調べたり、池までのパイプラインの位置をはかるなど準備を進めていたのだが、12日に工事業者の板橋建設が下見をされ、15日には見積もりが出て19日には重機の搬入が行なわれた。大型のブルドーザーとバックホウの二台で、その日と次の日いっぱいで表面の草や根のはぎとりが終了。約百m四方の造成予定地が白茶けた地肌をさらした。

 オペレーターの黒沢さんは春日部から泊りがけとのことで、朝は七時から、夕方は暗くなるまで、お昼の休みをとるだけでていねいに仕事をしておられた。炎天下、ブルドーザーで表土をけずって端まで土を押して行き、少しずつ堤を積み上げてはならす。大型ブルの威力は大したもので、スコップで一日かかっても掘れないような量をひとかきで楽々と押しやってしまう。

 池や堤のだいたいの整形は工事を始めて五日目の八月二十三日に終わってしまった。これで完成かと思っていると、今度は堤の仕上げ。小型のブルドーザーできちんと形を整えたあと、重いバックホウのこぶしでガンとたたき、押さえつけながら爪でけずる。黒沢さんの中学一年の息子さんが、二十三日からずっと工事現場についてきて、こまかい仕上げの時、目印をつけたりして手伝っていた。

 渇水時に魚が逃げるための深みをつけ、パイプを埋めこんで、工事が終了したのは二十八日の午後四時。「おれよりタフだよ。」とおとうさんにほめられたさすがのお兄ちゃんも、やっと家に帰れるのがうれしそうだった。

 友の会のメンバーは、その間に三四〇mに及ぶパイプラインの塩ビ管つなぎとポンプの設置を何とか終わらせた。思いがけない伏兵のため、パイプの継ぎ目が次々に外れるのに悩まされっぱなし。実は八月三〇日の通水祝いの当日も、直前までパイプつなぎに必死だったのだ。理由は簡単で、温度が変わるとパイプが伸び縮みするということ。地表を走るパイプは直射日光で五〇~六〇℃に熱せられ、夜は二五℃程度に冷える。これでは伸び縮みしないほうがおかしい。さいわい、水を通しはじめてからは温度差が少なくなるので、まだ2カ所しか!外れていないけれど。

 ともかく、工事は無事に終わった。揚水量は日に五〇〇トンと予想以上で、池らしくなるには最低二週間という計算をうらぎって、一週間とたたないうちにほぼ全体に水がまわった。

 トンボが来た。ギンヤンマの連結産卵を始めて見た。コチドリとイソシギがいつもいる。シギが来た。サギが入った。アシの若芽が風にゆれている。


 池ができました。水はまだ十分にきれいになったとは言えないし、大型の水生生物もいないけれど、見にいらしてください。次の観察会は九月の二〇日です。



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