「春の小川計画」はいかがでしょうか 1986年4月11日号掲載
新浜だより(行徳新聞再録) 1986年4月11日号掲載
「春の小川計画」はいかがでしょうか
観察舎ができてから、ことしで満十周年。友の会の手でいくつかの記念事業を行なっている。一つは「よみがえれ 新浜」という記念出版。これ一冊で観察舎や保護区のことは何でも‥‥‥とまでは行かないが、とてもよくご理解いただけると思う。販価千二百円。
もう一つは、ウナギ養殖用の水車を利用した水路の浄化実験。3月16日、工場から送られてきた水車を大さわぎして組み立て、進水させた。あとは役所の認可と電気工事を待つばかり。「春の小川計画」はどうか、と言ったら、夏になったらどうするんだ、と総すかんを食ってしまった。
四月中には、たぶん水車が動きはじめると思う。観察舎にお出かけの時には、ぜひご覧いただきたい。私たち自身の手で汚してしまった水を、自分の手で少しでも浄化できるとすれば、すばらしいことではないだろうか。
宣伝ばかりで、ごめんなさい。以下は水車設置のごあいさつ。
行徳野鳥観察舎友の会では、観察舎前の水路(愛称:丸浜川バードリバー)の水質浄化を目的として、このほど養魚用の水車を一基設置いたしました。これは水をかくはんして酸素をふきこみ、微生物の働きを活発にして、汚れの分解をはかるというもので、下水処理場で行なわれている活性汚泥法という浄化方法と原理は同じです。
豊橋市、栃木市などでは食品工場や養鶏・養豚場の汚水処理にこの水車が利用されているそうですが、こうしたどぶ川そのものでの実験は全国でも初めてのことではないかと思います。
幸いに担当の役所でも理解を示され、またトヨタ財団から助成金をいただくこととなりました。水車一基で効果があるかどうかはわかりませんが、私達のささやかな実験から「春の小川」が戻ってくる方法がつかめるようになれば、とてもうれしいことです。将来はメダカやザリガニ、オタマジャクシが帰ってくることを期待したいと思います。
丸浜川バードリバーは、かつては海に続き、べか舟が通る舟道でした。福栄公園とそれに続く広いところが昔の舟だまり(漁港)です。一〇年前には、ウナギの稚魚をカンテラで集めてとる人がいましたし、五、六年前にはクサガメやマスクラット(よくカワウソと間違われる大きなネズミ)が住んでいました。川がここまで汚れたのは、家庭排水の流入のためですが、広い面積と浅いことをうまく利用して、川そのものに汚水処理場の機能をもたせることができるかも知れません。
福栄四―二十五番地の地先でまず一年間やってみて、来年はできればもっと上流に移したいと思っております。水音やにおい、その他お気付きのことがありましたら、ごえんりょなくお聞かせいただければ幸いです。




