47 僕と彼女と食卓
瑠璃さんとともにゆっくりと寝ていると気がつけば日が完全に沈んでしまった。先ほどまで腕枕をしていた腕は若干痺れていたが・・・幸せな余韻だと思えば自然と心地よく思えた。
「ふんふんふーん♪」
現在瑠璃さんはキッチンで夕飯を作ってくれております。うん、すっかり我が家に瑠璃さん用のエプロンとか私物が増えてきた件については言うまでもないだろうが・・・にしても、何度みても瑠璃さんのエプロン姿には家庭的な温かみがあっていい!
どうやら瑠璃さんのスマホにも茜姉さんからメッセージが届いていたらしいので、僕が言い出す前にすでにキッチンでエプロンをつけて準備を始めていた瑠璃さん・・・なんだか本気で頭が上がらなくなってきた。
「もう少しでできるからねー」
「うん・・・ありがとう瑠璃さん」
僕も何かしら瑠璃さんの手伝いをしたいところだけど・・・下手に加わると瑠璃さんの負担が増えるので大人しく待ってるのが得策なのだ。
まあ・・・あくまでそれは半分の理由で、もう半分は僕が手伝いを申し出ると半分の確率で赤面イベントに発展するから料理どころじゃなくなるからだ。具体的に何があるかと言えば・・・多分想像通りだろうから僕の口からは何も言わない。
しばらく瑠璃さんが動く姿を眺めているといい香りが漂ってきた・・・・この匂いは・・・
「今日はカレー?」
「そうだよー」
ビンゴだったようだ。
本日は市販のルウを使ってのお手軽カレーらしいが・・・スパイスからカレーを作れる瑠璃さんのハイスペックさ加減はもはや語るまでもないだろ。しかも市販のルウでも瑠璃さんの場合、ちょっとしたアレンジで物凄く美味しいものが出てくるので、期待値はマックス&彼女の料理という愛情がプラスされてるのでこれが美味しくない訳がない。
「お待たせー。じゃあ、食べようか」
そうこうしているとあっという間に準備が進んで出てくるカレー・・・そして何故かスプーンは一つだけで、僕にはスプーンは渡されずそのまま瑠璃さんは隣に座るとこちらに近づいてから普通に「あーん」の体勢に入った。
「タツ。あーん」
「・・・あーん」
餌をもらう雛鳥のように大人しくそれを口にする・・・もぐもぐ・・・うん、美味しいけど・・・チラッと瑠璃さんに視線を向けると丁度僕にあーんしてから自分でも一口食べてるところだった。・・・僕に使ったスプーンそのままで・・・
「・・・?タツなんか顔赤くない?」
「な、なんでもないよ・・・」
「ふーん・・・そう?」
・・・100%わかってて言ってるでしょ瑠璃さん!?ていうかいい加減間接キスぐらいなれろよと思う方がいるかもしれないけど・・・思春期真っ只中の健全な男子高校生としてはこの特殊なイベントが恒例化していることに関して色々突っ込みどころがあるといいますか・・・まあ、本当に好きならその相手からの好意的な行動には反応しちゃうというか・・・・うん、ヘタレでチキンだから恥ずかしいだけでもありますけどねええ。
そんな感じでゆったりとした食事の時間を過ごす・・・まあ、スプーンの件については瑠璃さんが今日の僕の怪我に関して気を使った結果なのだろうから深くは言わない。
なんかどんどん瑠璃さんにベッタリになってる気がするのはーーー気のせいではないだろう。




