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閑話 雲雀瑠璃の決意

「姉御お疲れ様です!」


真由美を再起不能にしてから雲雀瑠璃は鈴木家の護衛ーーーいや、達也の護衛をしている部下の元に戻ってきた。

再起不能にした真由美は部下に任せたのでうまく処理をするだろうが・・・


「それで・・・私の留守の間に変わったことあった?」


そんなことよりも瑠璃が大切なのはもちろん達也のこと。そんなリーダーの真剣な様子にこくりと頷く護衛の部下。


「もちろん大丈夫です!達也様はまだ自室で寝ているようです」


「そう・・・わかったわ。あとは任せてあなたは他の者と合流して真由美の後始末を任せてもいい?」


「はい!」


その言葉に部下は一礼してから去っていくーーーと、瑠璃はため息をついた。


右手をみれば先ほど真由美を殴った時についた血がまだ付着していた。

それをハンカチで拭いてから瑠璃は手持ちの手鏡で顔を見てーーーため息をつく。


「ダメね・・・こんな顔でタツに会ったら心配される」


鏡に写る表情は先ほどまで真由美に浮かべていたような冷徹な表情・・・これで達也に会うわけにはいかないと瑠璃は気持ちを落ち着けるために深呼吸をする。


あの男達をけしかけたのはまさしく真由美だろうとは思っていたが・・・その協力者と思われる人間は再度現れなかった。

おそらく真由美がそいつにとってさほど大事な駒ではなかったからだろうけど・・・少なくともこれで裏切り者はだいたい把握と粛清ができた。


組織の情報がこれ以上流れることはないだろうが・・・


(・・・この調子だと他のチームにも情報が流れてる恐れがあるわね)


そこが頭の痛いところだ・・・もし、瑠璃の情報が流れていたら達也は今以上に狙われることになるだろう。

せっかく情報源をカットしてもすでに流れてる情報まではカットしきれないので、どうしたものかとため息をつく。


瑠璃にとって大事なのは達也の安全ーーーそれが最優先だ。達也を失いでもしたら瑠璃はおそらく奪ったやつらを皆殺しにして自分も達也のあとを追うだろうけど・・・そうならないようにしっかり達也を守らないといけない。


「もう・・・絶対にタツを傷つけさせない」


ボロボロになっても隣にいてくれると言ってくれた達也に瑠璃は心底嬉しくなったが・・・同時に心が痛くなった。嬉しい気持ちと達也を傷つけた連中への怒り・・・さまざまな感情が渦巻いていたが達也の前では瑠璃は笑顔を浮かべた。心底好きなんだと思った。達也のことを何よりも誰よりも。


(あの時からタツは変わらず側にいてくれてる・・・)


達也を思うと瑠璃の表情は先ほどまでの冷たいものから徐々に溶けていきーーー不思議と笑顔になれた。


達也はこんな自分のことを好きだと言ってくれた。全部を知っても、何が起ころうと変わらずそういってくれる・・・それが瑠璃には嬉かった。永遠の愛情など信じていなかった瑠璃だが・・・両親の気持ちが少しわかったよな気がする。


好きな人を守ることーーー隣にずっと一緒にいたいという気持ちは自分でも信じられないくらいに大きくなっている。


達也と過ごす毎日が瑠璃にとってはかけがえのない宝物でーーーきっとこれから先も達也以外の誰も好きになれないだろうという確信にもにた気持ち・・・


「すぅ・・・はぁ・・・よし!」


しばらくして表情が柔らかくなったのを確認してから瑠璃は鈴木家の合い鍵を使って中にはいる。

この鍵も瑠璃にとっては大切なものの一つ・・・彼の家族から彼を任された自分のためのもの。


部屋に戻ると達也はゆっくりと寝ており・・・瑠璃はその安らかな表情をみて心底ホッとした。


「ただいまタツ・・・」


ゆっくりと布団をあげてもう一度先ほどまでのポジション・・・達也の隣に寝転がる。疲れと、達也の体温の心地よさから瑠璃は徐々に瞼が重くなっていき・・・心からこの幸せを守ろうと思いながら意識を落とした。


守れた大切な人の体温を直に感じながら心地よく寝れた瑠璃は・・・幸せな夢をみれたのは言うまでもないだろう。






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