37 僕と彼女とご両親
「着いたよ。ここが家」
瑠璃さんに連れてこられたのはごく普通の一軒家・・・だったら良かったのに、そこから外れた高級住宅街の少し大きめな・・・はい、お金持ちが住んでそうな敷居の高いところでした。
「えっと・・・瑠璃さんのお父さんて仕事何してるの?」
「ん?サラリーマンかな?」
サラリーマンが果たしてこんなに大きな家に住めるのだろうか?いや・・・深くは考えまい。
何やらこれ以上の詮索は僕の日常生活が消える可能性がありそうな気がしたので素直に納得して、瑠璃さんに続いて家に入る。
しかし・・・瑠璃さんのスペックは果たしてどこまて高いのだろうか?容姿端麗、才色兼備で、『烈兎隊』のリーダーな上に、家もお金持ちっぽい・・・うん、完全に僕とは住んでる次元が違うが・・・瑠璃さんを好きなのには変わりないので、そこはスルーで。
とはいえ、親御さんがどんな人物なのかますます謎になってきたな・・・と、そんな疑問は瑠璃さんに案内されたリビングで一気にふっ飛んだ。
「まあまあ!この子が瑠璃ちゃんの彼氏ね!」
「ほほう・・・彼がそうか」
出迎えてくれたのは瑠璃さんのご両親・・・なんだけど、その二人は本当に両親なのかわからないくらいに若く見えた。
お母さんの方が得に凄くて・・・見た目瑠璃さんにそっくりで、姉妹と言われてもおかしくないほどに若い。
お父様さんの方はダンディーというのが似合う感じのイケメンさんで・・・こちらは、童顔気味な僕としては羨ましいくらいの男前な感じの方だった。
「二人とも落ち着いてよ・・・私の彼氏のタツよ」
「あ、えっと・・・始めまして。瑠璃さんとお付き合いさせて貰ってます、鈴木達也です」
「あらあら、そんなに固くならないでいいのよ?そうだわ!なんなら私のことをお義母様って呼んでいいわよ!」
おや?お母様?それはもしや義理の母と書いてのお義母様のことかな?
「弥生・・・達也くんが困惑してるから自己紹介からしよう。あと、それは後々でいいだろう」
「あら?ごめんなさいね。達也くん。私は瑠璃の母親の雲雀弥生よ。で、こっちが主人の・・・」
「瑠璃の父親の雲雀啓介だ。よろしくな達也くん」
爽やかに挨拶をしてくれた瑠璃さんのお父さん・・・啓介さんに僕もなんとか返事をする。
「は、はい。よろしくお願いします」
「はは、そこまで緊張しなくてもいいよ・・・と、言ってもやっぱり緊張するよな。彼女の両親に挨拶するのは」
内心で激しく同意してしまうが・・・口には出すまい。
代わりに・・・
「それもありますが・・・お二人が若くて美形なので恐縮してるのもあります」
「あらあら!瑠璃ちゃん!若いって言われたわ~」
「お母さん・・・落ち着いてよ」
珍しく呆れ気味な表情の瑠璃さんと、ころころ表情の代わるお母さん・・・うん、見ていて癒されるね。
そんなことを考えていたら啓介さんが目の前に来て言った。
「達也くん。少し・・・二人で話さないか?」
「は、はい・・・」
「はは、そんなに怖がらなくても、たいした話ではないよ。瑠璃、弥生。少し達也くんを借りるよ」
「えー私もお話したいのにー」
「お父さん・・・タツに変なことしないでよね?」
不満そうな弥生さんと、笑顔だけど迫力のある瑠璃さんに余裕の笑みで啓介さんは答えた。
「はは、大丈夫だよ。心配しなくてもすぐ終わるからな」
こうして、何故か初回で彼女のお父さんと一対一で話すことになった僕・・・・だ、大丈夫だよね?多分。




