38 僕と覚悟と彼女のお父さん
本日2話目です。
沢山コメントいただきありがとうございます。
返信はしてないのですが・・・かなり励みになっております。
皆さんからご要望のあった二人の馴初めなんですが・・・現在執筆中なのでもう少しお待ちを( ̄▽ ̄;)
あと、他にも要望があれば是非頂きたいです。
最近、更新が遅れぎみで皆さんにご迷惑をかけますが・・・これからも是非本作をよろしくお願いしますm(__)m
「さて・・・達也くん。まずはいつも瑠璃が世話になってるね。それについて感謝を」
別室に連れてかれてから啓介さんが最初に言ったのはそれだった。
ん?というか・・・
「いえ・・・僕こそ、いつも瑠璃さんに迷惑ばかりかけてて・・・お世話になってるのは僕の方ですよ」
「そうか・・・いや、娘はあの通りの・・・なんというか、一つに固執すると、とことんまで依存するタイプだからね。君にかなり迷惑をかけてないか心配だったんだが・・・」
「それは・・・そうかもしれませんが・・・」
流石父親というか・・・瑠璃さんについて熟知してる。
「でも、僕も瑠璃さんに依存してる面が大きいので、調度いいですよ」
「はは、君はあまりそうは見えないが・・・なるほど・・・瑠璃が選んだ相手だけあって、懐は深そうだな」
「そんなことは・・・現に僕にだって、嫉妬とかそういう感情もあるので、あまり懐が深いとは言えないかと」
「いや・・・あのこの愛情に耐えられるだけでもかなりの大物だよ。本来なら押し潰されるほどにあのこの想いは重いからね」
重い・・・のかな?そうは思えないけど・・・
「それに・・・君は知ってて瑠璃と一緒にいてくれているんだろ?」
「・・・全てではありませんが、多少は」
何を・・・かは聞かなくても分かる。
啓介さんの言いたいのは『烈兎隊』のことについてだろう。
「私も昔はヤンチャをしていた時期があったからね・・・瑠璃が何をしていても、大丈夫なら気にしないでいたが、まさかリーダーになるとはね・・・」
「啓介さんがですか?」
「意外かい?」
内心で少し頷いてしまう。
今のナイスミドルな容姿から想像できなくはないが・・・むしろ昔からこういう人は落ち着いてる印象が強いので意外と言えば意外に思った。
啓介さんはそんな僕に懐かしむように言った。
「昔はね・・・それなりにこの辺のシマも仕切ったりしていたが・・・まあ、若気の至りだね。よく、不良と喧嘩したり、他のチームと抗争に明け暮れたりしたものさ」
・・・うん。瑠璃さんは間違いなくこの人に似てるかもしれない。容姿は母親に似て、内面は父親に近いのかな?いや、弥生さんの性格がまだ判然としないからわからないけど、この話していて落ち着く感じは瑠璃さんに似てるかもしれない。
「妻とはそんな時に知り合ってね・・・一般人だった妻に一目惚れした私が周りの力を使うだけ使って、並みいるライバルを蹴散らして妻のハートを射止めたものさ」
「・・・・・・」
おや?なんか聞き覚えのあるような・・・気のせいかな?うん。気のせいだよね。決して僕の身にあった出来事なんてことはないはずだ。うん。
「まあ、そんな訳で・・・瑠璃がレディースの頭になったと聞いた時には思わず苦笑してしまったよ。しかも好きな相手が出来たと言ってきた上に相手が一般人の普通の男の子だと聞いてさらに笑ってしまったよ」
「・・・瑠璃さんは啓介さんに似たんですね」
「個人的には妻の朗らかさを似て欲しかったが・・・まあ、いかせん、妻が年中あんな感じだから、瑠璃も自然と私に似てしまったのだろうな」
確かに・・・結構元気なお母さんだから、瑠璃も大人びてしまうのは自然なのかな?
「まあ、話が逸れたが・・・本題に入ろうか。君は瑠璃のことを知っていていてくれているみたいだが・・・率直に聞こうか。瑠璃のことを本当に好きかどうか」
「好きです」
僕のその速答に啓介さんは興味深そうな視線になった。
「君が近くにいると瑠璃に巻き込まれて痛い目にあうかもしれない・・・それでも好きか?」
「啓介さん・・・僕は瑠璃さんのことが好きです。何を置いても、何があってもそれは覆りません。瑠璃さんが僕を不要と言わない限りは絶対に側にいます」
「それで君が死ぬような目にあっても?」
「それでも・・・好きな人のためなら平気です」
「なるほど・・・」
しばらくなにかを考えてから啓介さんは・・・笑顔を浮かべて言った。
「安心したよ。君になら瑠璃を任せられる。男親なら壁になってやるくらいはしたいが・・・私も君を気に入ってしまったよ。多分、妻に似てるからかもしれないが」
「弥生さんに?そんなに似てないような・・・」
「性格的にはね。君のその芯の部分・・・そこに妻と同じような温かさがあるんだよ。まあ、私が言うのもあれだが・・・娘をよろしく頼む」
そう言って差し出してきた手に・・・僕も握手で応じる。
体格のよい啓介さんから見ればひ弱な僕の手だが・・・それでも瑠璃さんを任せてもらえたのは素直にうれしい。
そうして、しばらく啓介さんと話してから瑠璃さんと弥生さんの元へ戻るのだった。




