35 僕と彼女と重要イベント
「あ、そうそう・・・タツ。明日の放課後は開けておいてくれる?」
夕飯が終わった後・・・メイド服をいまだに着ている瑠璃さんにそう言われて僕は首を傾げた。
「いいけど・・・デートではないよね?」
デートならこんな言い方はしないだろうし、今さら放課後開けておいてなんて言わないだろうと思いそう聞くと瑠璃さんはくすりと笑って言った。
「まあね。簡単に言うと・・・私の両親に会って欲しいのよ」
・・・はい?
「両親?瑠璃さんの?」
「ええ。お父さんとお母さんが是非とも私の彼氏のタツに会って話したいってしつこくてね・・・という訳で明日よろしくね」
ニッコリとそう言われてしまったが・・・・え?いきなり彼女の両親にエンカウントイベント発生ですか!?
た、確かにいつかは挨拶を・・・とは思っていたけどこんなに早いとは・・・まあ、瑠璃さんは僕の知らないうちに家の両親にはあってたらしいけど、まさか明日僕が瑠璃さんのご両親に挨拶になるとは・・・だ、大丈夫かな?
「あの・・・何か手見上げ必要かな?」
ど、どうしよう・・・ご両親に挨拶なら正装して何かしら手見上げ持っていかないとダメだよね?あ、挨拶はなんてすればいいの?「娘さんを僕にください!」とか・・・いや、これは結婚の時の台詞だよね。
「娘さんとお付き合いをさせてもらってます」とかかな・・・・し、しかし何の用事なんだろ?まさか娘につく悪い虫を見定めるとかなら・・・や、ヤバイかも・・・
内心でキョドりまくる僕に瑠璃さんは苦笑気味に答えた。
「大丈夫よ。うちの両親はタツのことむしろ好意的に見てるから。あと、学校終わってからそのまま行くから別に変に気を使わなくて大丈夫よ」
「そ、そう?でも、大切な彼女のご両親だし・・・」
「ふふ・・・そこまで考えてくれるなんて・・・やっぱりタツは優しいね」
何やら微笑んでる瑠璃さんだけど、僕は内心でそれどころではなかった。
この挨拶しだいで今後の瑠璃さんとの関係が変わったらと思うと・・・失敗は出来ない!
瑠璃さんのご両親とか想像が出来ないけど・・・瑠璃さんみたいな美形なのかな?それとも強面のヤクザ風とか?娘を溺愛している父親とからなら最悪命の保障がないかも・・・うん。まあ、そこまでは行かずとも真面目な話、しっかりと後で調べておこう。
そんな内心でパニック状態の僕と、そんな僕を優しく見守っている瑠璃さんと共に夜は更けていく。
結局、この後で瑠璃さんが帰ってから「彼女 ご両親に 挨拶」というワードで検索しまくってほとんど徹夜になったのは・・・仕方ないだろう。うん。




