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30 僕と親友と嵐の前の静けさ

「いやー久しぶりに遊んだな!」


「だねー」


あのあとゲーセンに寄って僕と順一は久しぶりに音ゲーやらバスケやらで勝負して遊んだ。


割りと順一と一緒にいると協力プレイよりも対戦の方が多くなる気がするのは・・・気のせいではないだろう。


別に勝負が好きとかいうわけではないが・・・なんとなく二人ともそこそこ白熱して結果的に勝負的な感じになるのだ。


とはいえ、もちろん基本的にスペックの高い人種の順一に比べて、基本的に僕は能力的には平均なわけで・・・要するに大差がつくことも、ままある訳なのですよ。


バスケとかエアホッケーとかは特に大差がつくが・・・まあ、それでもついつい順一相手だと割りと熱くなる僕もまだまだ精神的には子供なんだなーと少し内心で苦笑する。


いや、負けて悔しくないわけではないが・・・まあ、僕としては楽しければいいわけで・・・結果がどうであれ過程を頑張れたならそれなりに誇ってもいいとは思う。


初めから敗けだと分かっている勝負でも、気持ちしだいでは楽しめる。


「中学の頃はこうしてたまにゲーセン寄ったりしていたよなー」


「そういえばそうだねー」


何だかんだで長い付き合いの親友に言われて確かにと納得する。


モテる親友は女の子と遊ぶことも出来るのに何故か僕との付き合いの方を大事にしてくれていたフシがあって・・・まあ、僕も彼女である瑠璃さんが出来てからはあんまり遊ぶことはなくなったが、なんだかんだで一番長い時間一緒に遊んだのは順一くらいかもしれない。


「久しぶりに見たよ、お前の無駄に上手いシュート」


「バスケの話?無駄に上手いって・・・」


「変だよな・・・他の運動はどれも平均的なのにある一点からのシュート率だけ異様に高い・・・」


「そう?それ言ったら順一なんか本日のハイスコア余裕で飛び越していたじゃん」


まあ、こいつに関してはもはや神様が色々恩恵を与えている『神の子』的な異名がありそうなほどのスペックなので今さらなのだが・・・


「あれはスコアが低かっただけだろ?」


「いや、十分に高かったよ・・・」


バスケゲームをやる人ならわかるかもだけど、ラウンド3以降の・・・トリプルスコアあたりの記録を余裕で飛び越してカウントが500代とか行ったの初めて見たよ。


「まあ、それはいいとして・・・たまには男同士で遊ぶのもいいだろ?」


「まあね・・・」


瑠璃さんと一緒にいて楽しくはあるし、僕としても瑠璃さんとずっと一緒にいたくはあるが・・・なんとなく親友との懐しの時間というのは彼女とはまた違った良さがある。


わりと友達の少ない僕にとってみれば順一は貴重な親友であり、順一にしても交遊関係はかなり広いが長い付き合いなのは僕くらいのものだろう。


「中学の頃はこうして遊んでからアニメショップ冷やかしたりカードゲームしたりしたよな」


「そういえばそうだね」


最近はしてないが・・・僕も順一も一時期オタク趣味に走っていたことがあったのでよく近所のアニメイトやらゲーマーズやら中古ショップやらを覗いて楽しんだり、決闘者と書いてデュエリストと呼んだりするカードゲームやら、アニメのデッキのバイスやら、バトルなスピリッツやらを楽しんだものだ。


・・・・まあ、バイス以外はほとんど全敗だったが・・・


「久しぶりにカードゲームでもするか?」


「デッキないよ」


「最近は貸し出してくれるとこもあるらしいぞ?」


「そうなの?まあ、今度でいいでしょ?それより結局大事な話ってなんなの?」


時間も少し遅くなってきたので僕はそう聞いてみるが・・・


「まあまあ、とりあえず最後のメイド喫茶まで待ってくれや」


・・・・これだよ。

結局そのまま僕は順一につれ回されて最後にメイド喫茶に行ったのだった。









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