31 僕と親友とメイド服
本日2話目です。
女装ネタばかりだと飽きるかな?
「で・・・なんで僕はメイド服を渡されたのかな?」
メイド喫茶につくとそのまま店内の席に座る・・・ことはなく、何故かスタッフ用の入り口に連れてから店長らしき女性と順一にメイド服を差し出された僕はそう聞いた。
「え?もちろんこれが衣装だからだけど?」
「衣装って・・・」
どこからどうみてもメイド服。うん、男が本来は装備してはいけない代物だ。どちらかと言えば男の娘or漢の娘あたりはギリギリセーフだろうけど、どうみても僕が渡される理由がない代物だよね。
「順一くん・・・確かに逸材かもね!似合いそう!」
「でしょ!あ、達也。こちらは店長の白石さんだ」
「白石よ。鈴木くん・・・よね?」
店長の白石さんさそう僕に問いかけてきた。え、えっと・・・
「え、ええ・・・ところで僕はなんでここに連れてこられたのでしょう?」
「あら?順一くんに聞いてないの?」
「いえ何も・・・」
ちらりと親友に視線を向けるとニヤニヤした表情をしている親友・・・かつてこれほど親友に殺意を抱いたことがあったであろうか?いや、ない・・・わけではないがとにかくイラッとするほどの笑みだよ。
「そう・・・いえね、実はうちもそろそろ新しいサービスが欲しいと思って、順一くんに相談したのよ。そしたら・・・」
「達也のメイド服とかどうかと提案したのさ」
ぱちりとウインクつきでそう答えた親友・・・はい?
「女装メイド?」
「そうそれよ!」
僕の疑問に店長の白石さんは何やら興奮したように答えた。
「ここ最近のメイド喫茶に必要なのは新しいサービス・・・私は常々ただのメイド喫茶じゃなくてもっと核心的な・・・そう萌えをさらに特化させたスタイルを確立したいと思っていたの!そこで新しいジャンルとしてメイドの中に一人だけ男の娘・・・もとい女装っ子を混ぜて他のメイドとのアクセントにさせたいと考えているのよ!幸いにもニーズはあるし、新しい客層も増えるしメイドの子たちより美少女ならメイドの子達が負けじとさらに美しさに磨きをかけるという相乗効果がーーー」
「ちょっ、待ってください!」
何やら興奮し気味な白石さんに僕はストップをかける。
「そこでなんで僕なんですか?理由はわかる・・・とは言い難いですが納得しても、僕である理由は・・・」
「あら?それはね・・・これよ!」
そこで白石さんがスマホを操作して表示したのは・・・な!
「な、なんでその写真を・・・」
「順一くんがくれたのよ。いやー可愛いわねあなたの女装姿。思わず見とれてしまったわよ!」
そう・・・白石さんのスマホの写真は僕が前に順一の彼女役になった時の写真・・・つまり女装姿の僕の写メだった。
思わず親友を睨み付けると親友は肩を竦めて言った。
「いやー知り合いの白石さんがお困りのようだからつい・・・」
「ついって・・・」
「大丈夫大丈夫。ちゃんとバイト代は出るから。それに週一で時給は2000円・・・破格のバイト代だと思うけど?」
「に、2000円・・・で、でも!」
「頼むよ達也、この通り!」
頭を下げる順一と金欠な高校生にとって週一のバイトで時給2000円という破格のバイト代に思わずくらりときてしまうが・・・
「で、でも瑠璃さんにはなんて言えば・・・」
「だから、彼女さんの許可は得てるっての。あとはお前が首肯くだけでいいんだよ」
「く・・・で、でも女装で僕の正体がバレるのは・・・」
「あら?それなら大丈夫よ。あなたのことは私と順一くん・・・あとは数名のスタッフのみの秘密で『謎の女装メイド竜子』という名前で売り出すから!」
な、謎の女装メイドって・・・しかも竜子って僕の名前を文字っただけなの?てか、瑠璃さんに許可貰ったってこういうことか・・・・!
何やら八方塞がりな状況に最後の抵抗であった瑠璃さんの許可という難関が取り払われてしまい結果的に・・・
「・・・わかったよ」
首肯くしかない僕。
流されやすい性格をどうにかしたい。来年の目標には是非「NOと言える日本人になる」を目標にしよう。うん。このまま流されて二丁目付近で働くことになるのだけはゴメンだからね。




