閑話 『烈兎隊』集会での一幕
本日2話目です。
る、瑠璃さん・・・
とあるビルの一室・・・雲雀瑠璃はそこで普段達也には見せないような「総長」としての顔でメンバーに話を聞いてきた。
「それで・・・その話は本当なの?」
瑠璃のその問いかけに幹部の一人であるお下げ髪の山崎琴音は神妙に頷く。
「はい。確かな情報です。ここ最近うちのしまで例のグループが目撃されています」
「そう・・・」
その報告に瑠璃は少し考えるような表情を浮かべていると、同じく幹部の一人である桜井真由美が「はん!」と鼻を鳴らして言った。
「あんな奴等にうちらが負けるかよ」
「真由美。油断はダメ」
そんな真由美に注意をしたのは同じく幹部の一人であるポニーテルの安部マリア。
しかし、そんなマリアの注目を受けても真由美は態度を変える様子はない。
「あんな奴等がうちのしまで何をしようが対して大事じゃないよ。それよりも・・・リーダーが最近府抜けてる方が問題だろ?」
「あら?私が府抜けてる?」
真由美の言葉に瑠璃は眉をひそめるが、対して真由美は不適に笑った。
「男にうつつを抜かして腑抜けきったリーダーが『烈兎隊』のボスでいいのか疑問だけどね」
真由美のその言葉に・・・幹部のメンバー全員から避難の視線が集まる。
中でも我慢が出来なかったのか、琴音がそれに対して注意をする。
「真由美・・・貴女は、総長である瑠璃様にそんな口を聞いていいと思ってるの?」
「はん!事実だろ?ここ最近うちらのボスは下らない男にうつつを抜かして腑抜けてーーー」
《ガン!》と真由美が言葉を言い終わるより前に、辺りに鈍い音が響いた。
見ればどこからか取り出した金属バットを床に降り下ろした瑠璃の姿が。
「真由美・・・」
「な、なんだよ?」
鋭い視線の瑠璃に睨まれてる真由美はもちろんのこと、他の幹部のメンバーも息を飲む。
「あんたが私に何を言おうが構わない。でもね・・・タツのことを馬鹿にするようなら・・・容赦はしないからね」
鋭い視線にたじろいでいた真由美だが、それに対して負けじと睨みかした。
「な、なんだよ!あんたが最近男にかまけて腑抜けてるのは事実だろ!」
「例えば?」
「は?」
「例えばどこが腑抜けているのか聞かせてもらえる?『烈兎隊』のリーダーとしての仕事はこなしてるし、あなたは何をもって腑抜けていると言うのかしら?」
「そ、それは・・・」
瑠璃のその問いかけに真由美は言葉に詰まる。
真由美としては、リーダーである瑠璃に対する反発心からの言葉だったが・・・深くは考えてなかったのだ。
そんな真由美に瑠璃はゆっくりと近づいていく。
「あなたが男が嫌いなのは知ってるわ。だから男に対してどうこう言うのは別に止めやしないわ。でもね・・・」
そう言って真由美に近づいた瑠璃は真由美の胸倉を掴むと激しく睨みつけて言った。
「私のタツに今度そんなことを言ってみろ・・・殺すから」
「ひぃ!」
瑠璃のその殺気に気圧された真由美はブルブルと震えてその場に力なく座りこんだが・・・そんな真由美をスルーして瑠璃は他のメンバーを見渡して言った。
「あなた達も何か文句があるならこの際聞くわよ?ただ・・・命の保証はしないけどね」
そう凄んだ瑠璃に対してメンバーは全員首を横に降った。
元々、真由美以外のメンバーは瑠璃に対してリーダーとしての敬意を抱いている上に、瑠璃の沸点が達也に対することだとわかってるので無謀なことはしない。
そんな賢いメンバーを一瞥してから瑠璃は話を続ける。
「いずれにしても、警戒は怠らないように。万が一の事態に備えておくのと・・・一部には教育が必要なようだしね」
そうして、瑠璃が一瞬視線を真由美に向けてから集会は続行された。
内心では、早く終らせて達也の元へ向かいたいと思っている瑠璃のあまりの迫力にたじろいでいたメンバーだが・・・瑠璃はそれは気にせずに一刻も早く達也の元へと向かう決意を固めていた。




