18 僕と屋上と生徒会長様
少し短めです。
悩ましい・・・
さて、いよいよ放課後・・・僕は瑠璃さんが帰るのを見届けてから現在屋上の扉の前にいます。
今どき屋上に入れる学校というのも珍しい気がするけど・・・この古風な感じがこの学校のいいところだろうと、少し現実逃避しつつ諦めて扉を開ける。
本日は快晴なり・・・風が心地いいなぁ・・・
「あら?」
そんなことを考えていたら聞こえてきた女性の声。
聞き覚えのある・・・そう、例えば全校集会とかで聞いたことがあるその声に、悪戯の可能性はゼロになり、ゆりゆりしい展開が脳裏をよぎってしまうが・・・大人しくそちらに顔を向ける。
そこにいたのは、ショートの髪にスレンダーな体型の美少女・・・どちらかと言えば女子にモテそうな容姿の美少女である、我が校の生徒会長様である藤堂遥様がおられた。
「来てくれたのね」
「えっと・・・ご用件は?」
嫌な予感は当たるものだが・・・予想に反して生徒会長様は穏やかな表情を浮かべたままでいた。
「そうね・・・とりあえず貴方に聞きたいのだけど、1年の雲雀瑠璃さんと付き合ってるって本当なの?」
・・・やはり、百合な展開なのかな?
でも、聞き方はなんだか興味本位みたいな感じなんだよね・・・
「ええ、まあ・・・」
特に隠すのもあれなので正直に答えると生徒会長様は「そう・・・」としばらく僕を眺めた後に面白そうに笑った。
「ごめんなさいね。自己紹介の前にこんなことを聞いて・・・知ってるとは思うけど、3年の藤堂遥よ。一応生徒会長なんだけど」
もちろん存じておりますよ。むしろ知らない人がいない程のカリスマですよね?
「あ、はい。1年の鈴木達也です」
「よろしくね鈴木くん。さて・・・肝心の用件はさっきの雲雀瑠璃さんのことなんだけど・・・あなたは雲雀瑠璃さんについてどこまで知ってる?」
何やら意味深な聞き方だが・・・
「どこまで・・・と聞かれても、瑠璃さんが教えてくれることが僕にとって全てですから、答えかねますよ。僕にとっては瑠璃さんが僕の彼女であるということが一番大切ですから」
『烈兎隊』のことは口にはせずに素直にそう答えた。
この人がどんな立場なのかわからないけど・・・瑠璃さんの不利になりそうなことは口にはしない。
すると、そんな僕の答えにくすりと生徒会長様は笑った。
「なるほど・・・瑠璃が惚れた男がどんなのかと思っていたけど・・・ふふ・・・」
な、なんだろ・・・褒められてる気はしないけど・・・
戸惑っていると生徒会長様は「ごめんなさいね」と言ってから穏やかな表情を浮かべた。
「あなたへの用件は2つあるの。ひとつ目はさっきの雲雀瑠璃さんとの関係について・・・これに関しては答えを貰ったから私としては満足よ」
とりあえずゆりゆりな展開のフラグがまだ残ってはいるが、思いの外物騒な話にはならなそうで少しだけほっとしている。
次の言葉を聞くまでは。
「二つ目は貴方へのお誘いよ。生徒会に入らない?」




