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【完結】拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第6章 番外編

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第274話 今度こそ久しぶりの帰省

 


 俺たちは小屋から出て、久しぶり(数時間)の外の空気を吸う。というか、あまりに小屋が真っ暗だったから夜だと思ってたんだけど、外は朝が空けて少し明るい位だった。少し肌寒くてちょうどいい。俺たちは実家に向けて歩き始める。


「チー君もランちゃんもありがとね。メイドはやっぱり悪い人じゃなかったんだよ」


 ユイはさっきの家族絡みの茶番だったということに安心していた。


「ていうか、メイドがあんなに強いんだったら、俺が騎士なんてやる必要絶対ありませんでしたよね?SSランクのランとめちゃくちゃいい勝負してましたよ?」


「でも、チー君が私の騎士になってくれたおかげで、今すっごい幸せなんだけどなあ」


「同意。ユイが俺のトラウマを救ってくれたから」


「お前らイチャイチャすんな!」


 レッドが俺たちの間に割り込んで邪魔してきた。そう言えばいまだにこいつだけ、無名パーティで彼女いねえんだよな。まあネクラは仕方ないにしても。


「あれ?ネクラって彼女とかいるんですか?」


「ああ、彼女ではないっすけど、まあ、婚約者は」


「はああ!?ネクラてめええええ!!!」


「ななななんすか!?ちょ、やめ、やめろっす!」


 レッドが自分だけ恋人がいないことに完全にブチギレてネクラにつかみかかる。いやとばっちり~。とはいえ、ネクラに婚約者がいることも驚きだが……まあ、そういう家業だと家業やらお見合いやらって多そうだもんな。


 ネクラとじゃれついているレッドだが、どこか、元気がないようにも見える。気のせいかは分からんが。


「あの、先輩方……もうそろそろチー先輩の実家なので、静かにしてくれませんか」


「え、あ、すまねえ」


「俺は悪くないっすよね?」


 シオリーがレッドとネクラに注意をしている。シオリーは俺の前以外ではしっかり者なんだよなあ。まあシオリーの言う通り、俺の実家が見えて来た。小さいころから家の何も外見は変わっていない。安心感があるな。俺の転生はここから始まったんだ。ほんと、恵まれたよ、今世の人生は。


 俺は緊張しつつも、実家の扉をノックする。家の中から聞こえる足音。そして扉が開かれる。そこにいたのは……懐かしさもありつつ、少しずつおじさんっぽくなってきた父さんだ。それでもまだ2,30代くらいに若く見えるのはさすがイケメンだ。


「おお、チーか!手紙見てくれたんだな!けっこう早いじゃねえか!……ていうか」


 最初は嬉しそうに俺たちを見ていたが、少しだけ顔を引きつらせていた。


「お前、仲間増えすぎじゃね?」


 ------


 というわけで、父さんと母さんの前で、自己紹介をしていくことになる。


「お久しぶりです、ユイです」


「おう、久しぶりだな。また更に可愛くなりやがって」


「あら?ギー?目移りしちゃだめよ?」


「しねえよ!俺はユウだけだもんなあ」


「んもう、ギーったらあ」


 急に目の前でイチャつき始めた。俺が恥ずかしくなるからやめろや。


「お、お久しぶりです……シオリーです、え、えっと、しゅみません……」


『何が!?』


 相変わらずのシオリーの人見知り。


「ギー師匠、お久しぶりです!短い期間ですが、修行付けさせていただけないでしょうか!」


「おう、いいぞ、ちょうど暇だしな」


 いつも暇の間違いでは?


 で、残りは新しい顔たち。


「えっと、ランよ。よろしく」


「おう、よろしくな、ラン」


「よろしくね?ランちゃん」


「……」


 ランのいつもみたいな強気な態度ではなく、どこか緊張しているようだった。意外だなあ。別にどこにでもいるバカ親なのに。続いてネクラ。


「……ネクラっす」


「おう、チーと雰囲気似てるな」


「ちょっと可愛いかも」


 ネクラは目を合わせようとしない。なんか俺を見てるみたいでおもろいな。


 そんなわけで軽い自己紹介タイムは終わった。実家にこんな大勢で来る想定じゃなかったしなあ。母さんは立ち上がってキッチンに向かって気合入ってるし、父さんもなんだかうれしそうだし、にぎやかになりそうだな。


 ---


 にしても、レッドはさっきヒキコーモリ家に捕まってから、ずっと何かに悩んでいるように下を向くことが多かった。なぜなんだろうか。もしかして、自分だけ彼女いないから?


 まあそんな素振り今まで一度も見せなかったし、こいつの悩みって言ったら、剣聖関連だろうな。ていうか、剣聖や大魔法師という称号って、どいう仕組み何だろうか。何か試験があるのか?そう言えば知らなかったな。


 俺は何となくレッドに話しかける。


「レッドさん」


「……え?あ、ああ、なんだ?」


「何悩んでるんですか?その、自分だけ彼女いないこととか?」


「ぶっ飛ばすぞてめえ」


「ひい!?」


 やべえひっさしぶりに思いっきりビビったわ。禁句だったか。でも、それが原因ではないように見える。まあ、でも友達が悩んでいるのを見るのは……最高に面白い。クズだけど。何に悩んでるのかすげえ気になるし、良い友達のように見せつつ、まだまだ俺は攻めるぜ。


「冗談ですけど、その、理由教えてくれませんか」


「……はあ、お前には隠し事できねえな。まあ、俺、最近ずっとなんもできてねえじゃん」


「え?というと」


「チハルとの戦いの時も、ランとの喧嘩の時も、今回のヒキコーモリ家の戦いの時も……俺何もできずにやられてる。俺も強くなってるとは思ってんだぜ?でも、やっぱ上には上がいる。俺がちっぽけに感じる。お前の言う通り、ブルーと比べるのはやめた。でも、ブルーと同等の奴らも多すぎる。お前も含めて。なんなんだよ、マジで。剣聖なんて無理なんじゃねえのか」


 またまたネガティブモードだな。さっきは元気よく俺の父さんに稽古頼んでたくせに。まあでも、気持ちはわかるさ。しかし現実は残酷よ、自分より強い人間など山ほどいる。異世界と言えど、世界は広い。


 それでもレッドはこの世界の強者の内、上位10%には確実に入ってそうだとは思うけど。俺は3%?ランは1%?まあ平和にくらせりゃ何でもいいわ。


 現代のSNSでもそうだが、人の目に多く触れるのが上位の成功者ばかりで、自分が雑魚と勝手に思い込んでしまう。見えてるものばかりを見て、見えてないところを無視してしまう。それが人間ってもんだしな。


 ついでだから聞いてみるか。


「あの、気になってたんですけど、剣聖とか大魔法師って、具体的に何をすればなるんですか?」


 レッドは顔を上げて、お前知らないの?みたいな顔で俺を見てくる。


「……俺も知らねえ」


 知らないんかい。レッドは続ける。


「俺、田舎に住んでたのもあって知識はあんまりないし、学園に来ても、どの本にも具体的なことは書いてなかったんだよ」


「あ、じゃあ、ちょうどいいし父さんに聞けばいいっすね」


「お前の言う通りだな、なんで俺聞いてなかったんだろう」


 バカだからじゃね?





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