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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第6章 番外編

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第269話 3人の彼女との幸せな生活

 



 俺の部屋のベッドに、俺とランは二人きり。


 2人は隣で座っていたが、絶妙な距離感が開いていた。少し横にずれれば、肌が触れ合うような、それくらいの。


 まだ二人は無言だ。無言だが、たまたま、俺とランの目が合う。そしてランはとろんとした視線を俺に送り、顔を近づけてくる。キスが欲しい?心の中でそう思ったものの、もし違ったらどうしよう。


 こういう察して何かをするってのはほんとに怖いものだ。違ったら絶対叩かれる……。いや、ここは様子見を……


「あんた!どうせ分かってて何もしないんでしょ!キスよ!」


「え?あ、はい」


 どうやらさっきの予測はあっていたっぽい。普通に直接言えやとは思うものの、それがランの魅力でもあるんよな。俺はランの顎を引き寄せキスをする。ランは抵抗せず、むしろ息ができなくなるほどぐいぐい来る。やばい、ユイとシオリーの何倍も性欲強いかもしれん、この子。それとも不器用すぎるだけか?


 そしてお互い唇を離し、見つめ合う。ランは少しにやけていた。


「えへ、今、すっごく幸せかも」


 その一言と笑顔に、一瞬で心をぐさりと刺され、俺はついランを押し倒す。


「ひゃ!ちょ、ちょっとあんた、ムードとかそう言うの考えなさいよ……」


「え、いや、今の、可愛すぎて…」


「ふ、ふ~ん、それなら、許す……あたしも早くあなたと繋がりたくて、ずっとそわそわしてたんだから。どうせあなたもそうだったんだろうけど」


 あなた?いつもは名前呼びかあんたなのに。ランはこんなにもかわいい生き物だったのか?今までのランを見てきたからこそ、俺だけに見せる甘えてくるランのそのギャップが可愛すぎて、どうしようもならん。でも、ランは、本当に俺でいいのだろうか。


 急に俺が弱気になったのを見て、ランは少しむすっとしながら言う。


「なによ、あたしの身体、やっぱり魅力感じなくなったってこと?」


「それは無いですまじで。ただ、ランの性格的に、俺みたいな陰キャって普通嫌いそうだが……ランは、本当に俺でいいんすか?せっかくチハルの束縛から自由になったんすよ?俺よりもいい男はいっぱいいます。その、これ以上はもう後戻りができなくなるから…。責任とか取りたくないんで」


「あんた最低よ」


「え?」


「あたしがあんたがいいからそうしてるのに。まるであんたを選んだあたしが見る目無いみたいな」


「そうは言ってないけど」


 これ、ユイにも言われた。俺にとってはただの確認でしかないんだけど、やっぱ気にするんだろうか。


「あたしはあんたが良いの。他の男はみんな貧弱で弱くて、そりゃ、チハルは強かったしあたしが頑張っても越せる気がしないくらいだった。でも、あれは違う、あたしたちを恐怖で縛り付けて、ていうか性格自体狂ってた。初めてよ、あんなに自分でも強くなって、初めてあんたに守られて、ドキッてしたんだから」


 強い男に惚れるのはどこの世界でも一緒、なんかな。ランは起き上がり、逆に俺を押し倒してきて俺に顔を近づける。


「それに決めてたの。あたしをチハルの呪縛から解放してくれる人、王子様みたいな、その人に一生ついていくって。そんな人、一生来ないと思ってたのにね……。あんたそれに、こんな素直になれないあたしでもいいって言ってくれたし。顔もかっこいいし……。あたしは全部含めてあんたが良いの。恥ずかしいんだからね!?こういこと言うの!ねえ、これで十分!?あんたがいい理由!」


 まあ、理由としては普通の女の子って感じなのかな。嘘は、言っていなさそう。今回も俺の思い違いか。ほんと俺も人を疑いすぎだよな。こんなかわいい子、俺も逃がしたくないし。俺はランをどかしてそのまま起き上がる。


「そっすか。すいません、あんなこと言って。俺もランがいい」


「……そ。両想いね。好きよ」


 しかし、俺が再びキスしようとすると、ランは震えながら、ちょっとだけ後ずさりする。怖がってる?もしかして、また俺変なことしようとした?俺が困惑していると、ランがいつものきりっとした瞳でこちらを凝視している。


「ねえ、あんた」


「え?あ、はい」


「あんたのその顔は、あなたの顔なのよね?チハルみたいに、本当の顔を隠してないよね?」


 なんだそんなことか。チハルは転移前のチー牛顔を、闇魔法で隠していたから、疑ってるんだ。でも、本当の俺の顔はもうどこにも存在しない。地球ではもう火葬もされてるだろうし、今の俺の身体は他人の身体。チハルと違って俺は転生だからな。


「これが俺の顔です。というか、俺は転生者なので、もう元の顔など存在しません。ちなみにどうです?イケメンでしょ」


「な、なんかうざいわね。でも、本当なら、安心できるわ。信じてる」


 そして俺はランと再びキスをして、そのまま、ランとの初めてをして、夜を過ごした。


 ------


 翌朝。


 俺のベッドに一緒になって、すやすやと寝息を立てているラン。そして朝チュン。ああ、俺本当にハーレム作ってしまったんだな。こんな可愛い美少女3人と。


 やっぱり、どの世界も容姿と才能と環境の複合なんだなと、改めて実感するよ。どれか一つでも欠けてば難しいし、チー牛のようにほとんど欠けてしまえば人生始まった時点でほぼ負けみたいなもんだからな。


 俺は目が覚めてしまったので、ゆっくりと体を起こして、リビングへと足を運ぶ。いやまあ、前世なら2度寝を何度も繰り返しているわけだが、幸せになるとなんか、すっきり起きられるんだよな。


 ユイはすでに朝ごはんの準備をしていた。


「おはよ~、チー君。今日ははやいね」


「ユイはいつも早すぎるんだよなあ」


「健康に過ごして、少しでも長くチー君といたいからね」


「可愛すぎるって」


 俺は料理をしているユイに後ろから抱き着いた。なんかもう、幸せ過ぎて脳がバグってるかもしれん。俺はいままで人間不信すぎて、初めて心から信頼できる人ができたから、もう、ユイに依存してしまってる。


 ユイは普通に受け入れつつ、料理も続ける。


「もう、チー君ったら。料理の邪魔になるから後にして?」


「いや、まあ手伝うつもりで来たんで、暇だし」


「さっすがチー君!本当に、出会った頃のあのおどおどしてたチー君はどこに行ったんだろうね」


「むしろ、今の俺が素ですよ。それをこじ開けてくれたのはユイたちです。俺がユイに完全に心を開いてしまった責任は取ってもらいます。イチャイチャで」


「もちろん、私を惚れさせた責任もチー君に取ってもらうから」


 そのまま軽くキスをして、俺も料理を手伝う。まあ、料理は意外と慣れてるからけっこう順調に進める。


「チー君、昨夜は楽しそうだったね」


「え?まあ、ランの体力には驚かされましたけど」


「元SSランクパーティだもんねえ」


 そんなことを話しながら料理していると、ちょうど、シオリーとランも目を擦りながら起きてくる。


「おはようございます」「おはよ……」


「おはよう、シオリーちゃん、ランちゃん」


「ていうかユイ先輩ずるいです、チー先輩と楽しそうなことして」


「ただの料理だよ!?あ、ちょうどできたからチー君運んで?」


「おけ」


 今日はサラダと、ハムエッグサンドって感じだな。寝起きの身体にはちょうどいい。今日も食卓に朝ごはんが並んでいく。ああ、これが俺の望んでいた普通?普通にしては、幸せ過ぎるけど。


 俺はこの日のために、トラウマを乗り越えて、修行も頑張ってきたのかもしれない。もちろん、俺は才能や環境に恵まれたズルというチートを使っているから、誰にでも実現するわけじゃない。


 でももう、今はそんなことはどうでもいいんだよ。俺は奇跡でもいい、必然でもいい、今のこの普通の幸せを、誰にも邪魔をさせずに、生きていく。






 ……あ、別に最終回じゃねえからな。





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