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拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第6章 番外編

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第268話 デレすぎ

 



 完全に油断していた。


 最近俺も調子に乗りかけていた。今までの俺なら絶対にこんな社会的に死ぬ可能性のあるようなことはしないはずだった。チー牛はすべてを慎重に考えなければやっていけなかったからな。


 だが今はユイやシオリーの影響で、だんだん女子という存在に慣れてきて(さすがに知らん女は怖いから近づきすらしないが)、自分もモテてる自覚もあって、自己肯定感も前世より確実に上がって、調子に乗ってしまったのだ。実はランなら許してくれそう、なんて考えもよぎったくらいだ。


 俺はランと見つめ合う。沈黙が流れる。よし。言い訳だ。


「ランのそこに虫が止まってて」


「いないじゃない」


「いたんです」


「この部屋に虫の気配なんて何も感じないわよ」


「窓から逃げたんです」


「窓はしまってるけど」


「じゃあ俺の見間違いだったんすね……」


 再び沈黙が流れる。ああ、終わった。完全に。助けて、ユイ……シオリー……。俺、いや、確かに俺が悪いけど……俺がこうなったら助けてくれるって言ったじゃん……。どうしようかな……。なら、ここは。


「マジですみませんでした」


 高速土下座だ。これならさすがにランも許してくれるだろう。てか、この世界って土下座って通じるんかな。土下座って日本の文化的なイメージがあるんだが……。が、ランは特に怒っていなさそうだった。


「別に、あんただって男の子なんだし、その、胸とか、そう言うの興味あることくらい、分かってるわよ」


 え?寛容すぎんか?これがイケメンパワー?やっぱり、チー牛だと一発で社会的に死ぬようなことも、イケメンなら許されるってことか?どんだけイージーモードなんだよ。さらにランは続ける。


「その、そんなに、触りたいの?」


「え?」


「だ、だから、触りたいのかって聞いてるの!」


 これ、ランなのか?ランの皮を被ったユイとか?まさか。そんなわけ。


「あなたの名前は?」


「記憶喪失なんてしてないわよ!」


 このキレツッコミはランだ。


 これは、さすがに、正直に言うべきか……。ランの場合どんな反応されるのか全く分からん。でも、別に、俺はもうランの彼氏なんだし、いいよな?


「そりゃ、男なんで、触りたいっすよ」


「……そう。あたしの身体に、魅力感じるってこと?」


「当たり前じゃないすか」


「……そう。あんたってほんと正直者よね。そんな平然とあたしの胸触りたいとか言って恥ずかしくないの?」


「当たり前じゃないすか」


 恥ずかしいに決まってんだろアホか。とは言え、個人的には嘘ついて強がるよりよほどいいと思うんだ。人間は平気で嘘ばかりつく。だから本音が分からない。俺はそれが嫌だった。


 前世でも、稀にチーはブサイクじゃないよって慰めてくるやつはいたが、俺は絶対に信じなかった。それは自分をいい人に見せるための、自分を守るための嘘にしか感じなかった。俺は嘘をつかなきゃいけない場面以外はできるだけ正直でいたいものだ。


「ほら。今なら、触ってもいいわよ」


「え、本当にですか?」


「うん。あんた意外には絶対触らせないんだから」


「……殴らない?」


「殴らないわよ!」


 可愛すぎる。未だにこれがランなのか疑わしいものだが。俺は恐る恐る、ランの胸に手を伸ばす。が。やはりちょっと怖い。ユイやシオリーにはがっついたかもしれないが、やっぱ殴られそうじゃん!


 と俺がおどおどしてると、ランはむーっと頬を膨らませ、俺の手を掴み、無理やり胸に持ってきた。ランは自分でやったくせに一瞬で顔を赤らめる。……やば、好き。柔らかい。普段ツンツンしてるくせに、なんでこんなにかわいくなれるんだこいつは。


「ど、どうなのよ!」


「……え、あ、最高です」


「そ、そう。」


 ランはちょっとだけ嬉しそうな顔をすると、すぐに俺の掴んだ手を離す。


「も、もうおしまい!」


「え、もっと触りたかったのに」


「は?変態!」


 結局叩かれた。かなり加減してくれたようでそこまで痛くはなかったが。ランは立ち上がって部屋を出ようとドアを開けようとしたが、立ち止まり、こちらを見ずにつぶやく。


「も、もっと触りたいなら、今夜、その時にいっぱい、させてあげるから……」


 そう言ってランは部屋を出ていった。それって、いっぱいさせてあげるって、つまり、ああいうことも全部OKってこと?ま、マジ?俺は今日の出来事すべてが信じられなかったのだった。


 ---


 その後、チーはずっとそわそわしながら過ごした。ゲームしてても何となくミスるし、飯もいつもより少し食うのが遅かった。その後もチーはボーっとしながらゲームしていた。ユイはそんな様子に疑問を抱いた。


「チー君?」


「うん」


「どうしちゃったの?」


「うん」


「おーい。ランちゃん、何かあったの?」


「……何もないわ」


「怪しい……」


「何もないわよ!」


 ユイはすべてを疑っていた。無気力なチー、目を合わせないラン。チーがランを寝かせて部屋に一緒にさせた後から、チーの様子はおかしかった。ユイはよく考える。そして一つの解にたどり着く。こ、この二人、ついにああいうことをやったのか!?


 でもユイは思う。ユイもチーとやった日ってチーはこんなになってたっけ?そりゃ多少気まずくなったけどすぐ元通りというかむしろもっとイチャイチャするようになったし。


 ユイは考えをめぐらせた後に、答えにたどり着く。これは逆だ。今夜、やるパターンだ。ユイは少しだけ嫉妬する。そこまでチーとランが仲良くなっていたとは……。まあでも、チーの一番は私だから、と自分を言い聞かせ余裕を見せるユイだった。


 ------


 夜になり、寝る準備を始めるが、俺は未だにそわそわしていた。ユイは寝る際、「それじゃ素敵な夜を楽しんでね~」とか言って自分の部屋に向かった。ユイにはバレているのか。シオリーは特に何も反応は無く普通に部屋に向かう。リビングに残ったのは俺とラン。沈黙が続く。


「そ、それじゃ早く行くわよ。あんたの部屋。したいんでしょ?その、ああいうこと」


「え、あ、はい」


 ランは速足で俺の部屋に向かって行った。





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