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【完結】拗らせ陰キャの異世界自己防衛ライフ 〜イケメンに転生してもガチ陰キャ〜  作者: 玉盛 特温
第6章 番外編

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第264話 ツンデレ少女の手料理




 俺はとりあえず買い物した荷物をユイに渡し、ゲームをやる準備をする。ユイは荷物の整理を始めて家事の続きを始める。


 ランは、少しボーっとした後、急に大声を出し始める。


「チー!ユイ!あ、あのね!」


「うおびっくりした」「ランちゃん?」


 ガチでびっくりしたし、ユイも目を丸くしてランを見つめる。ランは、しばらくもじもじとしながら話し始める。


「その、本当に二人には感謝してる。あたしが今こうして、何にも怯えずに普通の生活ができているのも、全部あんたたちのおかげ。だ、だから、その、一度しか言わないんだから!……あ、ありがと、大好きよ」


 そう言ってランは耳が真っ赤になってうつむく。するとユイがそれを見てランに近づいていく。


「か、かわいいいいい!いつもそうやって素直になったらもっとかわいいのに!」


「ちょ、な、なによユイ!や、やめなさいったら!」


 ユイはランに抱き着いてはしゃいでいる。ランは嫌がりつつも、ちょっと楽しそうにしている。……尊いな。俺も混ぜてほしいがさすがにやめる。完全に変態だ。それにこの百合シーンに俺が入ってはいけないのだ。女子同士だから尊いのだ。


 俺は再びゲームの電源を入れた。


「ちょ、ちょっとチー!助けなさいよ!あっ、いや、そこは、ああん!」


 ランが必死に助けを求めているが、ちょっとエロイので放っておく。ランってよく見れば、ロリっぽい体型のくせに、地味に胸あって……うおいけねえゲームに集中しなきゃ。


 すると学園からシオリーも帰ってくる。ランが今度はシオリーに助けを求める。


「た、ただいまです……何やってんですか」


「し、シオリー助けなさいよ!ゆ、ユイが抱き着いてこちょばしてきて……」


「……そんな事よりチー先輩聞いてくださいよ!」


「スルー!?」


 なんだか、この家もさらに賑やかになったものだ。チー牛だった前世でこんなに幸せなのを想像できただろうか。これからもユイとシオリーと、そして新しく俺の彼女に加わったランと楽しく適当にだらだら生きていきたいものだ。


 ---


「今日はあんたたちに手料理を振る舞ってあげるわよ」


『ダメです』


「なんでよ!」


 ランが急に手料理を振る舞いたいと言った。しかし、ユイとシオリーが速攻断っている。謎にシュールだ。


「だって、ランちゃんの料理、私より上手いんだもん……」


「ならいいじゃない」


「ち、チー君が私の料理食べられなくなっちゃううう!」


「だ、大丈夫よ!ユイの方が上手いんだから!」


 ランの料理ってそんなに上手いのか?意外だ。あんまりツンデレキャラが料理するのって想像できない。むしろ下手だと思っていた。てか、ユイより上手いのはさすがに嘘だろ。


「で、シオリーは何でだめなのよ」


「……別に、特に理由は無いです」


「なんか、あたしシオリーに嫌われてる気がするのよね……孤児院では一緒に魔法で遊んでたじゃないの」


 そういえば、ランとシオリーが王都で再会した時からあんまり仲が良くないような……。後で理由聞いてみるか。


「で、チーは?あたしの料理、食べてみたい?」


「ええ、まあ、どちらかというと、まあ、えっと、はい」


「はいまでが長いのよ!その、あんたの胃袋をきっと掴んで見せるからね。もっと好きにさせて見せるんだから!」


 急にデレるな。可愛いだろ。ランはノリノリでキッチンに向かう。その間に俺はシオリーに聞いてみる。


「えっと、ランの事嫌いなんすか?」


「はい、いや、でもその、友達としては好きですよ?」


「じゃあどうして?」


「……私と同じくらい小柄なくせに、胸あるから」


 けっこうくだらなかった。


「それと、あのツンデレキャラ、なんかわざとらしくて嫌です」


「前も言ってましたね。でも最近デレてるじゃないすか」


「なんか見ててイラってします。ツンデレはアニメの中だからこそ可愛いのであって、現実で見るとちょっと」


「それも前言ってたね。それ引きずってるんすか」


 とは言え、このまま俺の彼女たちが不仲なのもよくない。


「シオリー、ここは俺の顔を免じて、ランと仲良くしてやって欲しいんだけど。あれ、天然物のツンデレだし、人と関わるのが不器用すぎるだけっぽい。それと、ああ見えてかなりの寂しがり屋だよ。シオリーとも仲良くしたいはず」


「……先輩が言うなら、まあ、分かりました。胸は許しませんが」


「シオリーの胸最高。小さいからこそいい、ランなんかよりも揉み心地よさそう最高」


「もう、先輩……」


 シオリーはまんざらでもない様子だった。


 ---


 とりあえずランの料理ができるまで待つことにする。あと気になることをユイに聞いてみる。


「えっと、ランの料理って、そんなに上手いんすか?」


「うん。あ、チー君が持ってきたあのカップ麺?ってものに似てたよ。他にも、お米を卵と炒めたものとか、変わった料理が多かったね」


「……もしかして、その、チハルに作ってあげてたとか?」


「すごい、なんでわかったの?」


「俺たちの故郷の料理だからっすよ」


 なるほど。ランはあのギルドハウスにいたころ、チハルに地球の料理を作らされていたってところか。にしてもすごい再現力、この世界で地球の料理もどきを作るなんて。


 恐らくユイもそのランの手料理を食べたのだろう。そ、それでも、ユイの手料理には、さすがに勝てないよな?


「できたわ!ウドンよ!」


 え、まじ?ランがテーブルに持ってくるそれは、たしかに見た目は白いうどんという感じで、汁はこの世界に麺つゆはないから、魚の魔獣から取ったダシのオリジナルって感じか。てか、気になることがある。


「てか、どうやってこの麵作ったんすか?」


「麺?ああ、この紐みたいなのね、この世界のキョムギって言う植物から採取してすりつぶしたりした粉を使ったのよ。不思議なものよね、チハルはこんなものを発見するなんて」


「はあ?」


 おい、この世界にも小麦もどきがあるというのか?それが分かれば地球から小麦やら肥料やら持って帰らなかったのに。まあ過ぎたことはいいよ。チハルの地球へのこだわりはすごいものだ。


 とりあえず一口、箸ですすっていく。お、おお、確かに美味い。うどんだ、うどんだけどダシはこの世界風にアレンジしていて変わった味だ。ユイの料理よりは……まだまだだな。


「やっぱり美味しいよこれ」


「……残念ながら、おいしい、です」


 ユイはフォークで食べ進め、シオリーはつまらなそうにボソッと呟いた。


「残念って何よ!でも良かったわ。ふふん、感謝しなさい、これからあたしの手料理を食べられるんだから」


 ああ、つまり料理はユイかランの二人がこれから作っていくって感じか。まあどっちも上手いしな。そういやシオリーのは食ったことがない。まあ一応文系少女でオタク寄りだったっぽいし作れなさそうなイメージはある。


「シオリーって料理とか作れるんすか?」


「え?いや、私は作ったことないんですよ……すみません」


「いや謝んなくていいっすから、何となくわかってましたし」


「わ、分かってた?うう、私ってやっぱただのオタクで女子力もないただの」


「いやいやいやいやネガティブになんないで、そりゃ、料理作る機会も無いような感じだったのは理解できるし、作ったことないのは仕方ないじゃないすか」


「う、その、優しいですね、先輩は」


 俺って一言余計なのかなあ。コミュ力無さすぎるからそう言うのも分からない。嫌われやすい人の特徴に一言余計って見たことあるが。


「その、私の料理、食べてみたいですか?」


「え?あ、まあ、気になりますけど」


「そうですか、えへへ、今度ちょっと頑張ってみますかね」


 可愛い。俺のために何かにチャレンジしてくれるとは。う~ん、なんか思うんだよ。ユイやシオリーは俺のためにいろいろしてくれるが、俺はユイ達に何かをしたって言う自覚は無い。


 って言っても何をしてあげればいいのか分からないし。女子と関わるのなんてこの世界に来てからだからよくわからないんだよな、接し方とか。今度聞いてみるか。


「ちょっと、あんた、食べ終わったんなら洗い物くらい手伝いなさいよ」


「え、あ、はい」


 洗い物をしているランに呼ばれた。だりいな、自分から手伝うのは俺の積極性からして難しいし、逆に手伝えと言われるとなんかうざくてだるい。改めて思うが俺自己中すぎんか。さすが心はチー牛。まあでもランのためだ。俺はランの隣に立って洗い物をする。


「ひゃ」


「え、どうしたんすか」


「な、なんでもないわよ」


 ランは顔を赤くしてそのまま続ける。よくわからん。にしても、この世界の洗剤もあまり変わらんな。


「……あんたってその、家事とかしたことあるの?なんか手際良くない?」


「え、まあ、かなり久しぶりっすけど、前世で一応親に無理やり手伝わされましたし」


「そ、そう……手伝わ”された”のね。にしても、いい男ね。そういう何気ないところにも惹かれるのよね」


「え、あ、そ、そうすか」


「……は!?ち、ちが、今のは……ちが、わなくも、ないけど」


 パリン。ランは洗っていた皿を落として割った。ああ、ああ、やっちった。怪我は大丈夫だろうか。俺はランの手を掴んで見る。


「大丈夫っすか?」


「あ、あ、だ、大丈夫よ!心配しなくていいから!ほら、なんも怪我してない!」


「そっすか」


 すごい慌てているランも可愛いものだ。ユイは割れた音に気づいてこちらに来る。


「ああ、やっちゃった、ランちゃん、洗い物するときはちゃんと集中しないと。チー君に見とれちゃだめだよ」


「み、見とれてない!ないんだから!うう、もう、ちょっとは、はい……」


 はあ、俺の彼女たちは可愛すぎるのであった。


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