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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第6章 魔女の狂騒
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ノックス・ドーム

見上げるほど大きな古城の前で立ち止まる。

堅牢な石造りの古城の城門に立つと、ひとりでに開き、中から一人の青年が現れる。

金色の瞳に、青い星が輝くような美しい瞳をした青年、彼こそはノックス・ドーム。救世団のリーダーだ。白いマントを羽織り、凛々しく立つその姿は、彼の中性的な顔立ちと相まって絵になる姿だった。


「お久しぶりです、朝霧黎、そして前兆、彩島智也、もう一人の方は初対面ですね。さあ、中へどうぞ。歓迎しますよ」

見たところ、敵意は感じられない。青年は、朗らかな笑みを浮かべて城の中へと招き入れた。



城の中には、白い騎士のような服装に身を包んだものが大勢いた。この全員が、救世団の一員なのだろう。中には豪華なシャンデリアや、美しい絵画が並べられ、美術館と言っても差し支えないように思える。そんな城の一室に入り、青年はこちらに向かい合って座った。


「それでは、本題に入りましょうか」


その一言で、空気感が変わる。


「その前に、まず私からいいかな?」

朝霧が手をあげる。


「構いませんよ」


「この部屋の裏に隠れている二人を、どけてもらっもいいかな? これは、機密の会議なのでね」


「おや、これは失礼しました」


ノックスが合図すると、二人の気配は消えたようで、朝霧は前かがみになってノックスの方を向く。


「まずは、話し合う場を設けてくれてありがとう。今回、魔術連からの提案は、深淵教団を潰すための共同戦線を張ることだ」


「たしかに、深淵教団は私たちにとっても敵です。奴らは人の命を多く奪い取ってきた咎人ですからね。なので、協力するのは構いません。しかし、一つ条件があります」


「……なんだ」


「私たちの要求はただ一つ。魔術を世界に公表してください」


「……それは出来ない。他には無いのか?」


「言ったでしょう。私たちの要求はそれだけだと。断るならば、協力はしかねます」


「どうして、そこまで魔術の好公表にこだわるんですか……?」

智也が訊ねた。


魔術とは技術であり、再現性がある。誰でも使える超常的な力が、人類に破滅をもたらさないわけがない。過去、様々な兵器が開発された。それは、誰でも使えるもの。そして、誰かを傷つけ、殺すものだ。あれだけ攻撃的な力のある魔術が、軍事利用されたらどうなるか、智也にも想像が出来た。


「……少し、むかし話をしましょうか」


◆


生まれ故郷は、ヨーロッパの北部。のどかな村だった。特に、幼馴染の四人とはいつも一緒で、楽しいことも辛いこともともに分かちあえる大切な仲間だった。


しかし、事件は起きた。


村にあった聖堂、その地下で封印されていた【原初の夜】と呼ばれる神もどきの封印が解かれた。

村は黒い影に呑み込まれ、生き残ったのはごくわずかだった。それまでの私は、魔術も魔法も、神の存在も、何もかも知らなかった。


両親は死に、幼馴染の二人が死んだ。しかし、誰も対処のしようがなかった。


影は更に伸びて、生き残った村人たちの元へと迫った。


もう、助からない。ここで死ぬのだと諦めた時、私の元へ救世主が現れた。


赫い瞳をした女性。彼女が黒い影を払い、私たちに告げた。


「貴方たちには、力がある。私は、その力を呼び覚ますための知恵を与えよう」


彼女は、私たちに魔術の知識と魔法の知識をくれた。そして、ドーム家に代々伝わる短剣の使い方を教えてくれた。


私は、短剣を手にして【原初の夜】に突き刺した。黒い影が消え去り、美しい夜明けが訪れた。その光景は、まさしく私たちにとって希望の光だった。


◆


「魔術も魔法も、誰もが知る権利があります。貴方たちが隠匿を続けたことで、救えるはずだった命が救えなかった。それは、重いことだ」


ノックスは朝霧を睨む。


「確かに、そうだね……でも、私としては、それを許容することは出来ない。人が誰しも、力を真っ当に使えるわけでは無いんだ……君は知っているかい、かつての世界大戦で魔術が利用されていたことを」


「……それは、初耳です」

ノックスは少し驚いた表情をする。


「かつての腐敗しきった魔術連は、魔術を軍事利用した。そして、それで大きな被害をもたらした。まあ、史実だと改竄されていることだけどね」


ノックスは沈黙する。


「私の二人目の弟子は、その兵器を止めようとした。私は、まだ機を窺うべきだと言って、それを止めようとした。当時の魔術連の軍事力は計り知れなかったからね。あいつは言ったよ『貴方は、逃げた』とね。無謀にも魔術連に挑んだ結果、二人目の弟子は死んだ。それからしばらくして、二ゾルデに交渉を持ちかけられて、一緒に旧魔術連を潰した。そして、今の世界魔術連合を結成した……人が力を持てば、増長し、必ず災いの種にもなる。だから、魔術の公表はしない」


「……朝霧 黎、貴方の言い分も理解できます。ですが、私はそれも考慮しています。私の持つ魔法を用いて、世界中の人間全てに、魔術を他者に向けないように暗示をかけます。短剣に残った魔力を使えば、それも可能です」


「だめだ。どんなことにも例外はある。それが必ず成功する保証は無いし、裏目に出ることだって必ずある。その結果、今以上の大惨事を起こしたら、君はどうする」


「それならば、一度、リセットしてしまえばいい」


「どういう意味だ……?」


「私は、知っているのです。過去に戻る方法を──」


ヒャッハー!!


いま私は朝方テンションで書いています。それだけだ!!


最近、ゲリーラ豪雨が凄いですが、毎度毎度私の帰宅時間帯にばかり降って、家についたら止むのやめてもらっていいですか?以上。


皆様も、濡れた路面での運転にはご注意ください。

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