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セカンドエンド  作者: 米西 ことる
第5章 氷雨の夜に
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幹部二人

四色の目の屋敷から逃げ出し、二人は文章を見て安堵した。


「四色の目は、多重人格なんですかね?」


「あの振る舞いはそのように感じたね。もしそうだとすると、奴は魂を複数持っていることになる。最低でも三つ。名前からして四つの人格がありそうだけどね」


「はあ、とにかく、文章を持って帰りましょう」  


「ああ、智也くんの話が真実なことがわかった以上、早急にことを進めよう」



二人は文章を持って魔術連へと向かった。



朝霧の考えでは、まずは魔術連幹部の中でも権力の高い二人、アッシュ・ゴルドーとレミシア・アルバタインにこの話をする。


そして、二人の了承を得られたら幹部会議を行い、幹部内にいる内通者を発見して倒す。


その後、幹部メンバーが使徒の目の撃退を目指す。


朝霧はまず魔術連の財政担当のアッシュ・ゴルドーに話をしに向かった。


アッシュの部下は智也たちを迎え入れた。


室内は社長室のようになっており、スーツ姿に薔薇のネクタイをしたアッシュが椅子に腰掛けていた。


アッシュ・ゴルドーは魔術の腕は並みだが、経営スキルが高く、頭がきれる。しかし、高圧的で同僚からはあまり好かれていない。

ただ奥さんにだけはあまいとか。


朝霧が話しかけた。

「突然呼び出してすまないね、アッシュさん。早速で悪いが、緊急事案なのですぐに対応してもらいたい」


「ふむ、魔術連襲撃か、こちらも情報だけは掴んでいたが、証拠が無くて困っていたところだ。その智也君と言ったかな、感謝するよ」


「ありがとうございます」


アッシュは人を萎縮させる圧があり、鋭い視線でこちらを見てくる。


「一人、幹部の中に内通者がいると言う話だったね。私としても、裏切り者の存在は想像していたから、幹部会議は構わないよ。ただ、裏切り者が誰であれ、君たちにはその処分に関わらないで貰いたい」


「わかりました」


「朝霧さん、そして智也くん。君たちは我々の駒《最高戦力》だ。今回の深淵教団の件、期待しているよ」



二人は部屋を離れた。



しかし、安堵するのはまだ早い。もう一人の幹部、レミシア・アルバタインにも許諾を得る必要がある。


二人はレミシアの元へ向かった。



レミシアは魔術連の魔術開発部門を担当している研究者でもあるため、彼女のいる部門は大量の魔道具や魔導書、魔術陣が散見された。


レミシアは高名な魔術師一家の生まれで、生まれつき体に魔術を施されている。魔術の開発に長けており、現在はデジタルと魔術の融合について研究しているらしい。


二人はレミシアと謁見した。

レミシアの目は特殊なため、常に特殊な布で目を覆っている。紫色の髪をした小柄な女性だ。


「アッシュ・ゴルドーは許可したのか?」


「はい」


「なら、私が言うことも無いだろう。幹部会議の通達は私からしておく。ただ......」


突然、レミシアは立ち上がり、朝霧に向かってすごい速さで近づいた。

「朝霧さん、貴方の魔術、『術式崩壊』を見せてください! あの魔術があれば、私の研究は飛躍的に進むはずなんです! 私の魔術も見せるので、見せてくださいよ! あれもこれも!」


「先に行って、智也くん」


朝霧が先に智也を帰そうとすると、レミシアが智也の方に近づいた。

「君、噂に聞いていた前兆ですよね。ものすごい魔力ですね。前に見た時よりも増えてる? 色も少し変わったような......どうしてそんなに魔力が多いんですかね、生体サンプル少し取ってもいいですか?」


「えっと、怖いのでやめておきます」


「いやいや遠慮なさらず。もしかすると、魔力増加剤とか作れるかもな。ははは」


朝霧は智也を掴んでその場を強引に離れた。



「あの子は捕まると長いから、話に付き合わない方がいい」


智也は苦笑いした。


かくして、二日後に幹部会議が行われることになった──


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