最終章 突入(2)
終わる終わる詐欺です。今気がつきました。今雪国にいると書きましたが本当にします
この地域にいてこっちの方言を聞いて真似して話すと色んな人にここで生きてけるよ。とか地元の人と話していてネイティブに話せている自分がいて驚いています。しかし、こっちの人のじい様ばあ様軍団の話の内容にはついていけません・
なんせ何言ってるか分からないくらい方言を話しているため何話位してるんだろうって時々思います
すいません、風邪ひきました。
捜査一課一行が奥多摩へと向かっている一方で吉野はひたすら比嘉のゲームという名の拷問をひたすら耐えていた。首を絞められた後、髪を鷲掴みにされていこうしたり、わいせつまがいの行為をされても何も言わずに耐え続けていた。しかしだんだんと痺れを切らしてきた比嘉はあるものを取り出した。小瓶の中に入っているのは永代のようなものでコルクの蓋を引き抜くと無理やり飲ませ、残った薬液のようなものを比嘉は愛おしそうに飲み干した。
変化があったのはこの薬品を飲んですぐだった。喉が焼けるように熱くなり頭がすっきりしたと思えば異常なくらいに興奮し身体中が暑くなり始めた
それは比嘉も同様であり同じように喉元を手で覆うようにしたり咳き込んだりし、この苦痛を体験している
「これはね・・自白剤っていうらしい・・お試し薬だけど・・・・・効きすぎるゲホ。でも・・優子ちゃんと・・同じ苦しみを味わっているから・・・・とってもいい!!!!」
次第に二人はヒューヒューと喘息の症状に似たものを引き起こし、めまいのようなものに襲われ始める。次第にどこが上でどこが下なのか自分と一体何なのかそれすらわからなくなるくらいキツくなって目の前が徐々に白くなり始める。自白剤とはこの状態から抜け出すために解毒薬をもらう代わりとして自供をするというある一面では効果がある薬と言える。
「は・・なし・・てごらん」
「私・・・・・は絶対・・・・・にはな・・・・さな・・い。わた・・しは・・・は・・なさ・・・い」
意識が遠のき始める。もうダメかと思った時だった。唇に何かが触れて薬品のような味わいが口内に広がり徐々に意識が戻りながら荒く呼吸をし続ける。つまり比嘉は根負けしたのだ。かつてバスの中で見たか弱い女子大学生はそこにはおらず一人の警察官がそこにいるだけである。その姿勢に完敗し解毒剤と思わしきものが投与されたのであろう。最初はなかなか言葉が出なかったが次第に息が整い始め言葉を話し始める
「本・・当・・優子・・・・ちゃんは・・すごいよ。負けたよ・」
揺るがぬ思いがまさった。比嘉に勝てたんだと慢心してしまった。狙いはここだった、ずっと脳が興奮して仕方がなかった。しかも気持ちは冷静なのにどこか興奮している自分がいるのである。段々と口の筋肉が痙攣に似た感覚を生み出し始める。体が冷静になり始めたぶん何が心的なものが動き始めようとしている。自白剤というのはここから来るのだろう、ゆっくりと口が動き始める
「犯人が・・・なぜ・・・殺そうとしたのか・・・・・それは、自分の・・・幸せを獲得する・・・ため」
異常なまでに言葉が溢れかえって来る。気持ちが悪くなるくらいに、しかし吉野最も不快にしていたのは比嘉に犯行動機を漏らしそうになっている自分がいるということ。いや漏らしてしまったのだ。
犯人の狙いは、あの事件を起こしそれに被害者は意味を汲み取ってもう一度犯人の前に現れて愛し合うという奇怪な考え方。連続殺人の中で犯人からのメッセージと思わしき怪文書はいくら待っても現れずそこで恋文、あるいは結婚前の恋心を言葉に表し自分を見つけてもらおうとした。三件目以降は完全に日本の婚姻に関するやり方を軸として行動を起こしていった。最終的には、被害者は犯人を見つけて婚姻をする、といった考えが狙いであり殺された被害者2名は犯人の秘密をバラされないための布石であり、三件目からはその心配が消えたことによって婚姻の儀式的要素を生み出したという
そして、今に至る。これは吉野自身があくまで推測で考えたことであり、捜査本部では橘が最初から睨んでいた怨恨の線の方向が最も濃厚である。また犯行に使われたサバイバルナイフには番号が刻印されていて特注で作られた何本かあるナイフを使って犯行をしているというのが捜査員たちの見解であるということ。事件が発生したことにより犯人の動機を一人だけにわかってもらおうと査察と称してその場のくうきかき回して捜査継続を不可能にしこのような事態に招いた。バスジャック事件の担当であった橘は犯人が査察と称して目の前に現れそのことから驚き身辺をかぎまわり始めたことで気付かれる前に殺そうとしたが叶わず最終的に同じバスジャック事件で捜査を行っていた笹野を利用して殺させた。
最後に不要な人物は上林で犯人の本当の良さをわかっていないこと、芸術品として崇め自分の欲望のままに持て余したことそれらを含めて、婚姻という儀式の中で新婦的な立場で殺そうとしているということ。吉野が長野のあの場所で考えていたことすべてを話してしまった。もちろん今まで李や下川、浅野・島津に話したことのないことで比嘉に対して話している。
話し終わると悔しさのあまり泣きだしてしまった。いくら薬の影響だとはいえ自分がここまで軟弱な人間だとは思っていなかったからだ。薬の影響が抜け始めた頃、泣くことをやめてただ虚無感に苛まれ始めた。最初、比嘉はよくできましたと言わんばかりに頭を撫でていたがだんだんと罪悪感からぎゅうっと抱きしめ始め今はただ優しくなるだけである。
「本当に優しい子だね。でもそれだけでは警察官は務まらないよ。ねぇ優子ちゃん俺と一緒に遠くへ行かないか?君の好きな風景が見られるところに行かないか?こんな腐った場所に俺はいようとは思わないんだ。君の好きなあの場所に家を建てて暮らそうよ」
「何を訳のわからないことを言っているのよ?あんた正気かよ」
比嘉はゆっくりと吉野の体を起こしてベットに座らせると現警察法の改正を行う本当の目的について話しだした。これは吉野が思う警察を作ることと比嘉が求めている警察像をマッチさせたもの。警察の持てる装備や武装を強化しアメリカ型の警察を取り入れつつも従来の姿勢を崩さないようシステムを構築し、吉野が求めている「優しいおまわりさん」の軸を忘れないようにしつつ発砲などの行動の制限を緩めるというもの。冤罪すれすれのグレーゾーンを許すということではなく透明で公平な警察を作り内部から出た悪しき部分は徹底的に潰すということ。橘のような異端を潰そうとするということ、何うより変えたいというのはそう言ったところである。
「こういうこと、俺は上林のような奴は嫌いなんだ。だから抹殺したい、いいだろう?警察法を変えればこんなことなんて簡単にできるんだよ。」
聞いているうちは良かった。しかし比嘉の求める部分があまりに強すぎて置いてけぼりにされそうで、狂気じみたところがやはり見えている。
何もいい返そうにない時再び比嘉の携帯の画面が光りそれをみると二件ほどメッセージが入っていて一件は榛原がこの場所にもうすぐ到着しそうになっているという情報、もう一つは気象情報で珍しく季節外れの雪が東京で降るという予報である
榛原の件には目もくれず気象情報に目を向けると吉野に見せて懐かしいと口をこぼした
「俺、あの事件の時に大阪で雪が降っただろ?白くて綺麗と思ったけど途中から赤くて黒くてとても綺麗だったの覚えているんだ。それが印象に残っていて改正法案の計画をRED SNOW計画なんてくだらない名前をつけたんだ。おかしいよな。でも赤くて黒いなんて言ったのは優子ちゃんなんだよ。
俺はその言葉が気に入っただけでさ。」
過去の記憶を遡ると確かにそう言ったような記憶もなきにしもあらずという感覚だ。もうすぐ1日が終わるのかと考えるだけで呆然とするしかなかった、また何もかも終わるのかと考えるだけで。
しかし行動を起こしたのは比嘉の方で1日の締めくくりにと突然スーツに着替えだし吉野に白い長袖のワンピースを着させてある場所へと連れていく。別荘の階段と思わしき場所から一つ降りると大きな宴会場のような場所にたどり着きその真正面には椅子に固定されて身動きが取れない上林とその横に上林を牽制しつつ二人を静かに見守ろうとする笹野がいた。訳が分からずただ比嘉に腕を引っ張られながら前に進むと突如上林の前に立ち笹野が静かに結婚式で神父がノベル誓いの言葉のようなものを話し始める。そして口づけを交わし最後に笹野が持ってきたのは今までの事件で使われたものと同型のサバイバルナイフで刃の側面に数字が刻印されていて吉野の中で全てが腑に落ちた。次に殺すのは上林であるということである。
動機は比嘉に対しての言動と性的行為、怪文書はすでに上林の懐に挟まっていて椅子にはロープのようなものが結ばれていることから南、沢村の事件で使用されたものと同じタイプのものであると考えられた。吉野に手渡したことを推察すると結婚式の後の披露宴で行われるケーキ入刀のような感覚で上林を殺そうという手立てであると考えられる。白いワンピースを着せさせたのはウエディングドレスの代わりということだ。
「さぁ優子ちゃん、二人の幸せの門出にこいつを殺そう。そして幸せになろう。さぁ一思いに殺してごらん」
背中をおされよろめきながら前に向かうと上林が泣きそうな目で吉野に憂い慈悲を求め、ん〜ん〜と塞がれた口元から声にならない声をだしていた。
それに耐えきれなくなり吉野はナイフを地面に叩きつけてその場にへたり込んだ。怖くて仕方がない。人を殺すということがありえないことをするのだから。それを見ていた比嘉は吉野の目の前に立ちしゃがみこむとナイフの持ち手を吉野に向けて雰囲気から上林を殺せと言わんばかりに熱い視線を送り続ける。嫌だと小声で抵抗し泣きじゃくり出した。やろうと言った途端だった。比嘉は急に倒れうずくまり恨めしそうに倒した相手を睨みつkていた。
「そんなことさせねぇぞ。このくそったれ!お前は俺が捕まえるんだからな
「己!笹野。約束を破るきか」
「そんなものとっくに忘れた!今はお前を逮捕するだけだ。」
訳が分からず呆然とへたる吉野に笹野は腕を掴んでその場から逃げるように立ち去ろうとする。
「俺は警視庁捜査一課会計課の刑事笹野等。いや公安三課刑事笹野等。悪いな俺はもともと捜査一課にいた訳じゃないんだ。こいつのことを単独で追っていたんだよ」
屈託のない微笑みはどこか橘に似ていてその顔を見ると安心感がどっと吹き出し腰に力が入らなくなってきた。笹野は外道に堕ちたわけではなく、外道を殺すためにあえて外道の道をあゆみここまできたのだ。
「橘さんが・・・」
「殺してないよ。殺すものか、殺されて死んだふりだよ。大丈夫生きている。」
そう聞くと今まで自分が抱えてきた何かが肩からすっと抜けて余計に涙がボロボロと溢れかえって来るのだ。嬉しかった、愛する人が生きているということがとてつもなく嬉しかったのだ。吉野を立たせた後、比嘉の片腕に手錠をつけてもう片方を打ち込まれたコンクリート壁についているフックにつけて動かなくさせる。
「これで終わると思うな笹野!」
「おあいこだよ。比嘉!今は逃げるよ優子さん」
急いで階段を駆け上がり二人は一回のホールに出ると一度呼吸を整えてドアを開ける。そこには榛原が待ち構えていて3人は合流すると榛原が乗ってきた車で逃げようとした。これで悪夢は終わるそう思って安心しきってしまった
「終わるわけないって言っただろ?笹野お前は最後まで詰めが甘いんだよ。ほら手錠撮って見せたでしょ?」
振り向くと怒りに満ちた比嘉がにこやかに微笑みを浮かべていて逃げれないようにと右足に一度ナイフで刺し右の臀部にもう一度刺した。
痛みが襲い始めて笹野はその場に倒れ込み助けようとした時に吉野と榛原は別荘に引き込まれ笹野も同様に引きずられながら再び地下室に戻る。
重傷を負った笹野を榛原が運ぶように指示し比嘉は吉野を抱きかかえながら上林の前に運び込んだ。
「殺してやるよ。笹野。上林と榛原と一緒に死ね。」
そう言いながら何度も笹野の腹を蹴り飛ばしつつ、榛原と吉野に逃げられないように諭させる。
「逃がさないぞ。もう」
この犯行をしている時に警視庁組はもうすぐそこまできていた。現場まで残り3キロになった時、ふと島津が何かの琴線に触れたのか車を止めるように指示しあらかじめ現場に着く前にサイレンは消していたものの赤色灯は付いていたためその場で消すように指示、そしてそこから歩いて別荘のある場所を探し始める。日向いる別荘には一本道であるためすぐに見つけることができ李は「あったぞ!」と声に出そうになった時、口を思い切り手で抑えられてしーっと喋らないようにモーションをかけた。
犯人である比嘉に悟られぬように、するための工作行為である。そして島津の隣にいた浅野は榛原が乗っていたであろう車を見つけボンネットにそっと触れるとまだ冷めない程度の暑さを感じここにいると言わんばかりに首を縦に振った。そして、その車の周りを持ってきておいたライトで照らすと玄関であろう場所にまだ黒く固まっていないおびただしい量の血痕が付いていて、その瞬間何かを悟った浅野はその場にへたり込んでしまった。
浅野は、李と同様に夢日記を閲覧していて笹野の命の危険性について知ってしまい、現実に起こったのではないかと考えてしまったのだ
強行突入まで残り数時間
島津が復讐を行うかその判断が下されるまでまた数時間
最後に勝つのは誰でしょうか?
比嘉さん大分とご乱心です。こういうキャラクターなんで全然いいのですが
島津さんはどうなるんですかね。SATの本気を見せるのかはたまた鬼になるのか
浅野はどうなるのでしょうか。下川は、李はどうなっていくのでしょうか
答えは全て筆者の頭の中にあります、次回もゆっくりご覧ください




