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最終章 答えわせ(6)

雪国にいます。どうでもいい話。雪が降るかと思いきや雨が降ったりしています

面倒です

 ウトウトとどこか遠く異国に来てしまったような感覚でぼんやりと微睡みを味わいながら外の景色を見れば徐々に東京のネオンは遠くへ消えていき見えてくるのは高速の街路樹とその街路樹の向こうにある住宅の屋根が映るだけ。それもまた遠くへ過ぎ去って消えていく、今の自分の心情を合わせるのにこの景色がとてもよく似合っていると心理的な面を吉野は無意識の中に作り上げて意識を失おうとする。このまま眠ってしまえばきっと苦しむことはなくなるのではないか、いっそのことそうしたら楽になるのではないかなんて現実から遠ざかろうとした時、車がサービスエリアに止まったのかエンジンが停止する感覚を覚え、男性二人がトランクの方へと歩み一人の男が自分の元に近づいて唇に感覚を覚え一気に覚醒するとそこにいたのは頬を染めて快楽を覚えつつもしっかりとした手つきで吉野に触れる比嘉がいる。さっきまで運転席にいたはずの人間が後部座席のドアを開けて吉野を覗き込みつつもしっかりと拷問を続けようとする行動を示している。

「お目覚めかな?もう少し寝ていていいよ。着いたら二人で一緒になろう・・・俺はすごく君に甘えたくて・・・ね。」

なんども頭を撫でて、比嘉も吉野同様に微睡みの中に意識を向けようとしている。しかし気になったのは、後ろで比嘉のことひどく憎悪に満ちた目で見つめている笹野である。復讐の、報復の機会を狙っているがなかなか手を出せずに拱いているのだ、しかし追い詰めようとしているのはまぎれもない事実になる。その二人の姿を見て再び吉野は現実から深く遠ざかっていった。

「このまま受け入れてもいいかな」

もう一人の自分と戦いつつもここまでの比嘉の行動にそろそろ根負けしそうになっていたのもまた然り、認めたくないと考える自分がいると言うこともまた然りどっちに転んでもこのままでは結局思惑にハマり絶望しか待っていない。そんな負の誘惑の中で吉野はずっと考えていることがある。一人目と二人目の被害者、そして橘と比嘉との関係性はなんとなくわかるがなぜ三件目の被害者はあまり関係性がないのに指を切り落とされてしまったのだろう。怪文書の内容や仮に婚約という言葉を借りるなら一体何に当てはまるのだろうか。

 その答えを握っていたのは警視庁にいる李である。いや厳密にいうと李が持っている吉野の夢日記、やはりそれが関係している。

そして李はあるノートのページを見て己の手を止め、そのノートに書かれていることを凝視し始める

(この日、ニューハーフが指を切り落とされる。しかも左手の指、結婚の証人として指を切り落とされる。被害者とこの男の関係はバスジャック事件に関係し、ニューハーフはかつて片平真斗巡査部長で刑事であり捜査に参加。しかし真相を知る前に警視庁を退職しそれ以後あの男に狙われる羽目になる。口封じにある可能性あり)

簡単に言えばこの刑事は笹野同様に真実を知り過ぎて比嘉に勘付かれて魅入られる前に対策として逃げるように退職したということが簡単に言える。

吉野の見る夢はこんなことをも言い当てていたがこれだけでは決め手となる証拠にならず逃げられてしまう。

何かないかとノートを見ていると執務室の入口が開きじっと見やると長野に行っていたはずの下川がそこには立っていて父親を殺されたという一報によってかその目は血走り充血しそしていまにも殺すのではないかと言えるような雰囲気を出している

「親父の話は聞いた。スーパーあずさに急いで乗ってきたからお小遣いがなくなりそうだぞ」

そう言いつつも自分のデスクの椅子にどっかりと座り給与パソコンの電源を入れて報告書の作成に取り掛かろうとしている、父親の無念を晴らした色いう気持ちからくるものであろう、パソコンが立ち上がった途端に書類の整理に取り掛かる。しかしその1分後メールボックスを見て下川の手がピタリと止まりぼそりと(親父?)とつぶやきそのままぽろっと頬に涙がつたう。

その内容を覗き見た李は父親が子を思う気持ちを理解する。そこにあったのは最初の被害者の働いていた名無しのロッカーのところから検出されたもので、検出されたのは偶然ロッカーの中にあったサポーターから検出された汗とフレグランスの垂れた雫の後から検出されていたDNAが同一人物のものでありまさにその人物こそ比嘉雅仁である。そしてメールの文章には子を気遣う親の心が書かれている

(春くんへ。このメールが届いている頃にはきっと僕は科警研にはいないで病院にいるんじゃないかな。この情報が守られて君のところに届くことを願うよ。あまり無理せず深追いは厳禁だよ。こんな父親でも息子である春くんの助けになれるように頑張って見たんだ。今頃僕は病院にいるだろうけど僕の意思を持つ若手たちとそっちにいる刑事さんたちとで頑張ってほしをあげてください。だからパパも絶対に負けません。最後にこんなかたちにはなったけどこんなお父さんでごめんね。どんな結果になったとしてもお父さんは受け入れます。愛しているよ、僕の自慢の刑事さん。パパより)

このメールを見て下川は笑いながら泣きながら愛されて守られてそれでいて信頼されている父親に対して尊敬の念と父親に対する愛情を感じ取って今う。いや感じたのだ、母親に愛されて感じる愛情とは異なる父性からの愛情それを胸の中にしまうと、報告書の作成に取り掛かり事件解決へと専念していこうとする。ところ変わって会議室には、泣き止んだもののどこかからっぽで虚構を見続ける榛原にずっと島津と浅野がそばで見ていてやり、その間日向行きそうな場所を聞き出そうとはせずにただただ隣で座って落ち着くのを待っていた。あのバスジャック事件の関係者であり被害者である榛原にとって同じ被害者である吉野のことは特別な存在でいてそして、吉野がいるということだけでどこか救われたような気持ちになっていたこともある意味では事実である。だからこそ自分が行った過ちに対して自分を恨み気力共々が出ずに意気消沈とかしている。生ける屍のようだった。それども何もいうことなく二人は榛原との距離を少しだけ置いて見守るような位置でずっと座りながら報告書をまとめていく。この時間の中で吉野の身に何かあったらと考えるだけで浅野はどうしても作業が進まずにいる。それとは反対に島津はいつでも突入してもいいようにと持ち物の確認を行い始めている。もともとSAT隊員ということもあってだろう、そういった部分では捜査一課の中では一番行動力が発揮されていて吉野救出という観点でなく純粋に比嘉に対する憎悪を向けながらいまか今かとばかりにその体から悪魔のような部分を出そうとしているようにも捉えられた。突如机に置いていた島津の携帯が一瞬鳴り響き確認するとそれは恋人である前園夏希からで、鬼のような部分が一気に消えて顔を赤くする。(心配させ過ぎたかな?)と呟くと浅野は島津の携帯のメール文をこっそりとみる。

(隆久くん、この間はありがとう、楽しかったよ。久しぶりに会えれたからとても嬉しかった。この前あった時より少し違う雰囲気だったから本当はちょっと怖かったんだ。もし私の敵討ちをしようとか考えているなら復讐なんてしないで。確かにあの事件は変えられない事実だけれど今は隆久くんっていう存在がとても暖かくてあの事件のことから前向きに生きれるような気がするの。だから復讐なんて考えないで優しい隆久くんのままでいてね

大好きだよ。鹿児島で持っています。)

ここまで島津について考えていたとは島津自身あまり感じていなかったようだ。SATを離れる前に副官から言われた(殺人の質について)そして今、前園が語る(復讐)についてかつて幻影と戦っていた島津にとっては肩の荷を降ろすのに十分すぎる引導であり、そして守りたいと思う存在がそばにいることによって比嘉のような外道に堕ちないような気がすると心なしか感じるのだ。

ありがとう、もしそこに恋人がいるならそう言いたいと胸の中で考えていると榛原の声が聞こえたため慌てて確認するとどうやら何かを思い出したかのようにあたりをキョロキョロと見渡すように首を動かし、何かを訴えようとし始める

「どうした?」

「思い出したんです。彼が行きそうな場所、もう一つ住居があったのを今思い出しました」

その話を始めると大勢の捜査員たちが榛原の周りを囲うようにして話を聞き入ろうとする。もうすぐあいつの足元が見えるのではないかと思うといてもたってもいられなくなるのだ。

「彼は、時々地下鉄に乗ってくるときがあってその時の定期券の区間を覚えていたんです。」

「その場所はどこになる?」

一つ呼吸を落ち着かせると榛原はゆっくりとした口調で話したのは(六本木)という場所である。

しかし、比嘉は誰かがばらすことを計算していて、最も話すとすれば榛原であろうと予想はついているようだった。3人と荷物を運ぶ車は高速を降りて下道に乗り換えそして奥多摩にある静かな別荘に到着し早速上林が入ったトランクとまとめて置いた荷物を運び最後に子供のように眠る吉野を比嘉はお姫様抱っこをして一番その別荘の中で大きな寝室に運び入れた。

「優子ちゃん、普段から激務だったから今はゆっくりとお休み。暖かな布団の中でゆっくりだよ」

吉野が来ていた着衣を脱がせて裸にすると比嘉も吉野と同様に裸になり笹野を客室に入れてトランクに入れて置いた上林を出して地下室に入れてそこに置いていた椅子に座らせ身体中を縛り再び吉野の元へと向かい、布団をめくってそのまま吉野の元まで潜り込み優しく抱きしめるように肌と肌を触れ合わせる。

「離さないで、ずっとそばにいさせて」

小声で話す比嘉に狸寝入りをし続ける吉野もどうしてもきになるのが愛して欲しいという感情の異常なまでも表出そしてその狂気じみたことである

愛して欲しい、ただそれだけがうまくいかずこのようになった。それでも犯行をしてもいいわけがないと吉野は心の片隅で抵抗し続けていく。不意に唇に何か暖かな感覚を覚えて確認しようとすると比嘉は深くキスをしていて吉野を取り込もうとしているのだ。実際にそんなことはできないが表現として表すのであれば一番それが当てはまる。愛するということは体を重ねるわけではないが比嘉にとってそれがインプットされしまい行動を起こそうとしている、上林に汚されたぶん今ここで癒して欲しいという現れだ。全てを受け入れるつ持ちはないがこのキスだけは受け入れてあげよう。比嘉の行動が吉野に少しだけ届いたような印象だ。そのまま、比嘉は吉野の胸に顔を埋めるようにし子供が母親の胸元で寝息を立てるようにして眠るのを見て吉野は体を少し動かしてあたりを見渡すも今までの事件につながるようなものは確認しただけではなにもわからなかった。しかしこの状況の中でも何か発見できそうな気がして止まない、比嘉をどけてベットから出ようとしたががっちりと体を抱きしめられていて抜け出すことはできなかった。その中でも吉野は六本木にいた時に見た上林に対して突きつけたナイフについてなんとしてでも確認したかった。確認を取れば何か分かるような気がしてそして、悪魔を叩きのめし逮捕できる物的証拠になるような気がする。そう思い体を再び動かそうとしたが今頃になって食事の中に入っていた睡眠薬と思しき薬品が働き出しゆっくりと体と心をまどろみの中に沈めていく

しかし、吉野は比嘉の懐に入り込んだのは事実である

この二日後、季節外れの雪が降ろうとしていてそれとともに犯行は終わりを迎える


ここまで来ました。ようやくです、そろそろ終わりが近いです

今後とも目を離さずにご覧頂ければ幸いです

今日はここまでで、おやすみなさい

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