最終章 始まり
今日は西日本でも雪が降ると言っていたのに私のところでは雪降りませんでした
それでは聞いてください
なぁんでやねぇん
警視庁では橘が刺されたことにより捜査一課内での空気が重苦しくなり事後処理や家族に連絡などといったことでさらに慌ただしくなり捜査ができるような状況ではなかった。
そして、橘が残していたボイスメモでどうして上林次長という名前が挙げられたのか、その解明をまず始めないところにはこの事件の最深部には到達しない。
しかし、今この場はとてもではないが捜査を進める状況ではなかった。
(ここで何かいったとしても意気消沈としちょっ中だとさすがにまずいか)
李はこの状態を打開するために何かことを起こそうと、せめてボイスメモに残っていた人間について調べておかなければと一人、インターネットで警察名簿にアクセスするがどうも途中で入ることができない設定になっている
なんとかならないかと考えているとふと李の携帯に着信が入っていて相手は吉野と同行していた下川からの連絡だった。李のいや予感は見事に的中し机を強く叩いて無駄な抵抗を示す以外なかった
「そいで優子はどうなったんだ」
下川は端的に何があったのか、長野県警にある捜査資料を見て何を考えていたのか、そして比嘉が指示して行わせた奇襲などありとあらゆることを連絡しその間、李はホワイトボードに橘殺人未遂事件と書かれた隣に情報を書き出した。そして吉野が連れ去られたこと、その場に上林がいたことも何もかも捜査員誘拐事件として挙げられたのだ。おのれ、比嘉雅仁ぉ!!!と叫びを蹴飛ばす萩原管理官に誰も何もいうものはいなかった、自分たちにとって大切な捜査員を連れ去り、また暴行しどこまでいっても何をしても壁というものが、比嘉の策略が目にちらついて仕方がないのだ。
「本当て許せない、絶対に優子を見付け出してそんあと比嘉を逮捕してやる、逮捕だけでは飽き足らない殺してやろごちゃっ」
重苦しいため息が電話口の向こうからも聞こえてくるが次に聞こえてきたのはどこか切羽詰まった声だった
『ごめん、親父から連絡が入った、また後でかけ直す』
プツンと切れる音を確認し橘のデスクに飾られている捜査一課の集合写真に目をやると一人静かに李は涙を流したのだ
一方、長野にいる下川の携帯に届いたのは驚くべき情報だった
「嘘だろ、急に監査が入った!」
相手は無論公平つまりパパンである。というのも千葉の科警研の元に監査が入り今まで以上に鑑定が進まなくなっっているという状況である。ありもしないでっち上げの情報を誰かがたれ込んでいる。名前をいうほどではないようだ
『そこで、僕がこっそりと色々鑑定したんだ、そしたら第一の事件現場と第二の事件現場の二つの場所の防犯カメラにもう一人写っていたんだ。そして第三の事件の被害者の体に刺さっていた花束の一つに汗と花束を束ねていたところから毛髪があったから鑑定して見た。そしたらもう一人の実行犯、笹野くんではなく上林次長だと断定できたんだ』
そう下川を襲った人物であり、吉野を連れ去った人物、そして今までの事件に深く関わっていた人物である比嘉の右腕として暗躍していた彼がその人である。よほど、比嘉に心奪われたのだろう、命令という命令を忠実に従い尽くしている。島津が言っていた人間をおもちゃにするという比嘉の行動のおもちゃにあたるのだろう
『春くん、考えているところ悪いけどもうパパは君の捜査に関われないかもしれない。そんな気がするんだ』
突然、何を言っているのかわからない父親に対して不快感を表していく下川に追い打ちをかけるように電話口に聞こえる監察官の声が無情にも公平の心を揺さぶっていく。
『この事件の犯人は間違いなく彼だと思うよ、多くの人間を巻き込んでそうやって自分の痕跡を消そうとする
とても頭のいい人間のやることだ』
「なに勝手に止めようとしてんだよ。なんでだ」
『春くんここも、もう彼のテリトリーなんだよ。いらないものは排除されるのがオチだ』
まさかと考えた。思い当たる節がある吉野の夢に出てくる下川に対しての予想、これが下川を苦しめるつまり父親に何かしらの事件が起こるということだった。自分がいない時を狙って何かする。警視庁にいなければ父親のいる科警研にいくことはない、ましてやその時に刺客を差し向ければ確実に橘もとより捜査一課が作り上げてきたものを壊すことはいとも簡単にできる。これが狙いだったようだ
「親父絶対に耐えてくれ。俺が今から戻って助けるから」
『ありがとう、でもねどうやらここまでのようだよ。大丈夫鑑定報告書と証拠資料はきちんと守り通している。だから心配しないで』
何を言っているかわからなかった、捜査に私情を持ち込むことがない下川にとって今自分の大切なものを奪われるのではないかと鬱陶しく思う節もあるがそれでも肉親であることは間違いなかった
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
「やめろ、電話を切るなよ。親父頼む。親父!!」
『春人!!!これは父親としてではなく一人の捜査関係者としてお願いするよ。犯人を捕まえて、そして優子ちゃんを守ってあげて』
そういうと電話が切れて何度も電話をかけ直すも繋がらずそのまま電話がかかることはなかったのだ
下川は廊下に膝から崩れ落ちていき犯人に届かない雄叫びと自分の無力さに憐れむ悲鳴をあげて泣き崩れた
そのような状況が起こっているとはつゆ知らず吉野は気を失っていたがふとした衝撃で目をさますとそこには数人スーツを着た人間が乗り込んでおり覚醒した吉野に気がついた一人が首筋を触れるなど触診を繰り返している
車の中を見渡すとある程度の広さがあるが窓に格子がはめたれていてガラスには、運転席がある前方以外全てスモークがかかっている。運転席を良く見ると無線機らしいものがつけられている。
直感的にこれは小型の護送車の中にいるのだと判断できた
体を動かそうとすると上半身が動かないように布状の何かを着せられていて逃げられないように服の裾に青いロープが椅子の足ものにくくりつけられている。かつて大学の授業で学んだ拘束衣というもの、あるいはそれに近いものであろう。仮に表沙汰になってもある意味逃げる要素はある言及はしないがなんとなくだが理解できる
「泣けてくるよ」
ポツンとひとり呟くと先ほど触診して着たスーツの男が耳元で囁くように会話をしていた
「ごめんよ、ゆうこちゃん俺には止められなかった。」
どこかで聞き覚えのある声に気がつく、橘を刺した人間、捜査員たちの裏切り者、笹野等まさに彼である
聞きたくない言い訳をするのかと思いきや自ら行った罪を全て話し当初比嘉と二人で行ったと考えられていた反抗ももうひとり上林が関わっていることが衝撃だった。そして何かを悟っているように笹野は話を続ける様子に吉野は一抹の不安を覚えながらそれに耳を貸す。何から、何まで衝撃的だった自分が信じていた真相よりも簡単で複雑な事件であることに憤りしか感じず、自分の欲望までにひた走る比嘉をどう言い表せばいいのかそれズラ見当がついていない心情になりつつある
「今、長野道を過ぎて中央道に入る一度サービスエリアに行くからその時に逃げろ。あとはこっちがなんとかするから」
「しかしそんなことすれば」
「いいんだ。俺は、尊敬する橘さんを刺した。それ以外にも俺は・・外道に堕ちたんだだから罪滅ぼしをさせてくれ」
高速のインターを超えて最初のサービスエリアの入り口が見えて着たがそれを過ぎて二つ目のサービスエリアを再びすぎる。笹野の表情に苛立ちが見えようとしていた時だった。今度は小さなパーキングエリアが見えて着てそこに駐車することになり、数名ほどスーツ姿の男は降りていきトイレへ向かった時を見計らって笹野は吉野を連れて外に出た。がそれを見透かしたように白いワゴン車が待ち構えていてそこから降りて着たのは吉野を眠らせた上林で再び吉野を眠らせ笹野を暴行し白いワゴン車に乗せ再び発信した
そろそろ君も僕も幸せになろうよ
とうとうこの小説で一番ドロドロした部分に触れていけそうです
今回は3人の視点で書きました
そのためごっちゃごちゃなないようになりました
次からはちょっと性的なニュアンスの表現が入って着ますが宜しくお願いします
こういう時は閲覧注意って書いた方がいいのかな?
それじゃそういうことで、来週もゆっくりしていってね




